
吉華 上野毛店 (四川料理 / 上野毛駅、二子玉川駅)
最寄り駅は東急大井町線・上野毛駅。環状8号線を北上し、多摩美術大学造形表現学部キャンパスの手前に位置するのが、今回ご紹介する四川料理の専門店『吉華』さん(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)。なんでもオーナーは日本における四川料理のパイオニアである陳建民氏の薫陶を受けた方とのこと。実は私が現在住んでいる自由が丘に支店があり、そちらはちょくちょく利用させてもらっている。

店内の様子
訪れたのはランチタイムも終盤戦の14時手前ぐらいだったが、店内は盛況だった。中華料理店でよく見かける中央にターンテーブルがついた円卓(中華テーブルというらしい)に座っていたグループ客が、新しい料理が運ばれてくるたびに歓声をあげ、それを勢い良く食べていたのが印象的だった。
彼らの、場の空気を考えない声の大きさや話の内容からすると「ギョーカイ人」のようなのだが、高級料理を食べ慣れているであろう彼らにとっても、同店の料理は魅力的らしい。

ランチセット・麻婆豆腐(1,000円:税込)
四川料理専門店ということで、今回はベーシックに麻婆豆腐を注文。本来は単品で1,600円するのだが、ランチタイムならセットで1,000円とお得だ。

席に運ばれて来るときから麻婆豆腐より花椒の鮮烈な香りが漂い、食欲中枢を刺激する。

口に運ぶと、まずは花椒の痺れるような辛さと唐辛子由来の刺激的な辛さが舌に訪れるのだが、それが過ぎ去ると豆腐や肉の美味しさがジワジワと感じられて来る。物の本によれば佐賀県産の大豆を使った豆腐を使用しているとのことだが、麻婆豆腐で肉はまだしも豆腐の美味しさを感じる、という経験をしたことが無かったので少なからず驚いた。
考えてみれば花椒や唐辛子による辛味は、あくまで具の美味しさを引き立てるための演出に過ぎないはず。『吉華』さんの麻婆豆腐を食べると、辛味で具の美味しさを塗りつぶしてしまっている麻婆豆腐が巷に多いことが知れる。

それほど強烈な辛さではなかったのだが、ご飯と共に麻婆豆腐を食べ終わるころには頭皮からもジンワリと吹き出るように汗をかいていた。

食後は、これもセットに含まれるデザートで口直し。写真だとコーヒーゼリーのように見えるが、中華料理のデザートでお馴染みの仙草ゼリー。辛味と格闘したあとの舌に心地よい。
麻婆豆腐はコンビニやスーパーの惣菜でもお馴染みだが、その「麻婆豆腐ってこんな味」ちいう概念を崩すには、『吉華』さんは適任かもしれない。皆さんもお試しあれ。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
