2011年02月20日

学芸大学『ポポット』さんのガレットは寧ろ日本人に馴染み深い美味しさ。

溶いた小麦粉を薄く(主に)円形に焼き具を包んで食べるクレープは、私が子供のころは珍しい食べ物だったが、今ではコンビニで売られるぐらいのレベルまで浸透した。しかしガレットはまだ珍しい食べ物なのではないか。

ガレット【仏:galette】とは元々「丸く平たく焼いたもの」を指す言葉。だから広義のガレットとは以下のようなものの総称になる。

・クレープ
・ガレット・デ・ロワ(パイ菓子の一種)
・ガレット・ブルトンヌ(焼き菓子の一種)
・ガレット・ドゥ・ポンム・ドゥ・テール(じゃがいもを潰すか千切りにして円形に焼いた物)

今回紹介したいガレットは上記の物とはまた異なり、独自の文化が色濃く残るフランス北西部ブルターニュ地方の郷土料理であるガレット・ドゥ・サラザン。痩せた土地でもよく育つ、そば粉を溶いて薄く焼き具を包んだ料理である。

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ポポット クレープ / 学芸大学駅

前置きが長くなってしまったが、今回ご紹介するお店は学芸大学駅から徒歩7~8分、駒沢通り沿いに店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『ポポット』さん。そば粉のガレットとクレープの専門店である。

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巨大な生ハムの塊や可愛い絵の書かれた小皿はまだしも、なぜかパンチングミット(ボクサーの練習相手が両手につけてボクサーのパンチを受けるもの)まで飾られている店内は、フランスというよりアメリカンなテイスト。開店直後に突撃したのだが、既に近隣の方とおぼしき皆様でほぼ満席状態だった。

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卵とチーズ、ベーコンのガレット(1,050円)

待つことしばし、そば粉のガレットのご登場! クレープのような“くるくると巻いて包む”イメージで出来上がりを想像していると面食らうかもしれない。そば粉を溶いて薄く焼いたら具を載せ、四方を折りたたむようにして包んで完成となる。

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中央部に割り入れられている卵がアクセント。焼いている途中で中央部分に落としこむのだ。

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これをナイフで適当な大きさにカットしてフォークで食す。そば粉を使用しているが、その味わいは(言うまでもないかもしれないが)日本蕎麦や蕎麦掻きとは全く異なる。薄いパリッとした生地と、それに包まれたチーズとベーコンのコンビネーションは、寧ろイタリアンタイプのピザに近く、食習慣が洋風にシフトして久しい日本人には馴染み深いといっていい美味しさ。カットした部分を中央にある卵の黄身に付けて食べてもよい感じだ。

『ポポット』さんの注意点としては、駅から少し歩くこと、開店時間が昼の12:30からと少し遅めなこと、そしてペット同席可なので例えば近隣の方が犬の散歩ついでに立ち寄る可能性があるため、動物が苦手な人は気に留めておく必要があること、ぐらいか。

デザートクレープも充実しているので、食事だけでなくティータイムの利用にもよい。ひとつひとつは結構なボリュームなので、女性であれば複数で訪れて互いにシェアしても良いと思う。皆さまも一度訪れてみては?







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posted by 只今(橘カヲル) at 20:19| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:洋食 | 更新情報をチェックする

2010年09月19日

思う存分肉を食べたいあたなに、西荻窪『キャロット』さんのステもりチキン。

この日、ふと「肉が食べたいな……」という思いに駆られた。ここのところ仕事の都合で帰宅が遅くなる日が続いて、身体に疲労が溜まったからであろうか。そこで、久しぶりに西荻窪で出かける用事ができたこともあり、古くから知る店に向かうことにした。

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キャロット ステーキ / 西荻窪駅

JR中央線・西荻窪駅から徒歩数分。裏通りの一角に忽然と姿を現す、開店を待つ人々による行列。ここが今回の目的地である『キャロット』さん(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)。分類は少々難しいのだが、個人的にはステーキをメインとする洋食屋といった感じで認識している。

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店内の様子

店内の様子は、街に昔からある垢抜けない洋食屋、もしくは喫茶店といった感じ。私が同店を知ったのは学生のころだったが、開店と同時に人々が堰を切ったように続々と店内に雪崩れ込み、着席していく様は変わらない。

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メニュー

一応メニューには目を通すのだが、私が頼むメニューはいつも同じ。皆さんにも「やっぱ、この店にきたら、これを注文しなきゃなー」という、お気に入りの一品があると思う。

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ステもりチキン(ライス・味噌汁・コーヒーつき 1,580円:税込)

これが私のお気に入り、ステもりチキン。

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その正体は、ステーキ・ハンバーグ・チキンソテーが一つの皿で楽しめるというもの。

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各々をアップで撮ると、こんな感じ。一種のサービスメニューだと思うのだが、それぞれが単品でも主役を務められるほどのボリュームであり、下の鉄板がとても小さく見えるのが圧巻。

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中心には赤い部分が残っているのに中までしっかり火が通っている分厚いステーキ、

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ナイフでカットするのも一苦労なほど縦横が大きなハンバーグ、

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皮はパリッと身はジューシーなチキンソテー

いずれも、口にすればその美味しさで「肉を食べた~い!」という飢餓感が充足感へと変わること間違いなし!

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食後のコーヒーが出されるころには、心もお腹も満たされていることだろう。

「とにかく肉が食べたい!」という衝動が抑えきれなくなったら『キャロット』さんへGO! ただしボリュームが尋常なレベルではないので、十分に腹を空かせてから向かうべし。


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posted by 只今(橘カヲル) at 19:47| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:洋食 | 更新情報をチェックする

2010年08月28日

白楽『キッチン友』さんのジャンボランチは大人向けのお子様ランチ

子供の好きそうな様々な料理が一皿に少量ずつ盛り付けられた「お子様ランチ」は、百貨店最上階の大食堂における不動の人気メニュー。私も子供のころは何度も口にしたものだが、料理を少量ずつ何種類も作らねばならないという意外に手間のかかる品であることと、百貨店最上階の大食堂という存在が昭和の思い出と共に姿を消していることなどから、最近ではお目にかかる機会が減った。

しかし私は、思わぬところで数十年ぶりに「お子様ランチ」に再会することとなった。

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東急東横線・白楽駅

場所は神奈川大学横浜キャンパスにも近い、東急東横線・白楽駅。

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キッチン友 洋食 / 白楽駅東白楽駅

駅前を走る大通りから一本横道に外れたところにある、アーケードに覆われた六角橋仲見世通りは、すれ違うのがやっとという狭さ。この一角に店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『キッチン友』(キッチンユウ)さんである。

都心ではめっきり見かけなくなった食品サンプルの飾られたショーケースや、玄関前に無造作に置かれたアルミの岡持ち(料理を出前する際に用いる箱)が昭和の香りを感じさせる洋食屋さんである。

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店内の様子

内装も外見に負けず劣らずのレトロな趣で「昭和の洋食屋」としてドラマの撮影にも使えそうだ。店を営む初老のご夫婦のキビキビとした動きが気持ちよい。

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ジャンボランチ(味噌汁つき 1,200円:税込)

そして同店でオーダーしたのは、人気メニューというジャンボランチ。

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楕円形の大きな一皿には、アーモンド状に成形されたライス、鳥の唐揚げ2個、ハンバーグ、目玉焼き、エビフライ、トンカツ、スパゲティ、千切りキャベツにカットトマトという大盤振る舞い。「メニュー選びに迷うことなく一皿で満足できるように洋食屋の代表的な料理をまとめて乗っけました!」的なビジュアルインパクトが強烈で、見ているだけで気分がワクワクしてくる。

このワクワクに感じたデジャヴ(既視感)が、幼少のおり、お子様ランチが目の前に運ばれてきたときに感じたものと同じだと思い当たったのだ。なるほど「人気の高い料理を一皿に纏めて出す」コンセプトは同じだ。

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もちろん深みのあるデミグラスソースのかかったハンバーグや、サクサクの衣が嬉しい揚げ物など各々の料理の味も確かな美味しさ。強烈な個性があるわけではないか、飽きがこない堅実な味で、同店の実力が伺い知れる。おかげで結構なボリュームがある一皿であったが、苦も無く食べきれた。

実は、ボリュームのある料理を残さず食べさせるには、インパクト勝負で極端な味付けにしてしまうと食べ進める過程で飽きてしまう危険性があるので、基本に忠実な味のほうがベター。その意味でも子供が予想するオーソドックスな味で纏めるお子様ランチに通じるものがある。皆様も一度「大人のお子様ランチ」をご賞味あれ。


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2010年06月12日

野菜をシッカリ食べたい時は中目黒『Alaska』さんへGO!

一人暮らしだと摂取不足になりがちなのが野菜。しかし外食で野菜料理をセールスポイントにしているお店は女性客をメインターゲットにしているケースが多いためか、オシャレな店舗ではあるが料理は往々にして量的にお上品なので物足りなさを感じるケースも多い。

今日は味も量も雰囲気も満足できる野菜料理のお店をご紹介したい。

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Alaska(カフェ / 池尻大橋、中目黒、神泉)

東急東横線・中目黒駅もしくは東急田園都市線・池尻大橋駅から徒歩10分ほど。山手通りから少し入った路地の一角に店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『Alaska』(アラスカ)さん。ものの本によればベジタリアン(菜食主義者)向けに肉や魚を一切使用しない料理を提供し、好評を博しているというカフェである。

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店内の様子

高い天井と大きな窓によって開放感に溢れ、陽光がふんだんに差し込む店内は、照明はそれほど強くないのにとても明るく、開け放たれた窓からは爽やかな風が店内に満ちてとても心地よい。

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前述のようにベジタリアン向けのメニューを出すお店だけに店内は女性客同士、もしくはカップルでの来客が多い。注目はオーガニックベビーフード――有機野菜を用いた離乳食も提供していること。私の隣の席では、赤ちゃん連れの若奥様たちのグループが四方山話に花を咲かせながら食事を楽しんでいた。

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玄米ごはんplate(吸い物つき 1260円:税込)

今回のオーダーは、ランチの主力メニューの一つである玄米ごはんプレート。

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本日の構成は、玄米ごはん、主菜として板麩のロールカツ、副菜として根菜の煮物、和風サラダなど。

なお、ご存知の方も多いと思うが麩とはグルテン(水で練った小麦粉の生地を水中で洗い流していくと得られる粘性物質。主成分は蛋白質でグルタミン酸を多く含む)を主原料として作られた食品で、ベジタリアン向けのメニューで肉の代替物として用いられる代表的な食材である。

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板麩のロールカツ

単に板麩を揚げただけでは味わいの面で物足りない部分も出てくると思うが、本日のロールカツは予め味をつけておいたナスを巻いて揚げてある。ナスの実がスポンジのように旨味を含んでいるので、肉を用いたカツにも引けを取らぬほどパンチの効いた味がして美味しい。

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根菜のキラキラ煮

煮物は大根とゴボウ、厚揚げ。中まで味が十分に染みこんでいて、こちらも美味。

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有機野菜の和風サラダだが、使われている野菜が一般の野菜のように食後に嫌なエグさが残らないことから、ボリュームがあるのにパクパクと食べられる。

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玄米は減農薬製法とのことで、噛み締めるたびに米自身の旨味がしみじみ感じられる。一昔前の健康食品ブームで、玄米に悪い印象をお持ちの方にこそお勧めしたい。

駅から遠いのが難点ではあるが、それ故に静かに食事が取れる利点もある。皆さんも『Alaska』さんへ足を運んでみては?





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2010年04月03日

恵比寿『Grillマッシュ』さんでいただく濃密ハンバーグと滑らかマッシュポテト

散髪のため、馴染みの美容院(中学時代の同級生の実家)がある恵比寿までやってきた。ついでなのでランチも恵比寿で取ることにし、かねてから評判を聞きつけていたお店を訪ねることに。

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Grillマッシュ(ハンバーグ / 恵比寿、広尾)

恵比寿駅東口から徒歩7~8分、セブンイレブンの向かい(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)に店を構える『Grillマッシュ』(グリルマッシュ)さんが今回の目的地。美味しいハンバーグやステーキが食べられるお店として評判とのこと。

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店内の様子

同店の所在地は駅から少し離れた場所にあるし、しかも大通りに面していない。立地条件に恵まれているとはいいがたいし、それをカバーするための派手な看板が出ているという訳でもない。それなのに、家族連れ・カップルの男女・勤め人のグループらがログハウス風――というより典型的なステーキハウスの作り――の店内に続々と来店してくる。同店の味の確かさを物語るものであろう。一人で入店した私は少し肩身が狭い思い(笑)をした。

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メニュー(一部)

メニューを見ると、ハンバーグに合わせるソースとして、定番のデミグラスソース以外にも色々用意されている。折角なので珍しいソースにしてみようと決め、続けてハンバーグとセットでライスやサラダも注文しようと思ったら、セットメニューに「マッシュポテト+ミニサラダ+ソフトドリンク」の文字が。

「ライスの代わりにマッシュポテトってこと?珍しいなぁ。そういえば店名も『マッシュ』だし…」ということで、注文することにした。

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ミニサラダを空きっ腹に突っ込みながら暫く待つと

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マッシュポテトがやってきた。ご存知のとおりマッシュポテトとは茹でたジャガイモを潰して(若しくは裏ごしして)牛乳とバターで滑らかにして塩や香辛料で味付けしたもの。作り置きしておけるのでローストビーフのような肉料理の付け合せとして定番である。

そんな知識があったから、小皿に盛られるような形で冷たいマッシュポテトが出てくると勝手に予想していたので、まるでシチューを入れるような容器に、しかも熱々の状態でマッシュポテトが出てきたので驚いてしまった。

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マッシュポテトをスプーンで掬い取ったら、まるでクリームのようなネットリとした手ごたえにビックリし、更に口に居れたらクリームの「ような」ではなく、クリームそのものといっても過言ではない滑らかな舌触りに目を見張った。後口にジャガイモの味が残らなければ、いったい自分が何を食べたのか分からなかっただろう。いままでに食べたことのないタイプのマッシュポテトだ。

マッシュポテトにはグレイビーソースをかけて食べるのが定番だが、同店のマッシュポテトはそのまま食べても十分に美味しい。お好みで卓上にある塩・コショウをかけても良い。

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辛みそマヨネーズハンバーグ160g(単品1,000円、セットで1,550円:以上税込)

マッシュポテトを食べての興奮が冷めやらぬなか、ついにメインディッシュのハンバーグが登場。ソースの跳ね飛びを防ぐための紙筒は、さながらレスラーがリングに上がる時に羽織っているガウンであろうか。

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“ガウン”を脱ぎ捨てたハンバーグとご対面! 鉄板で熱せられ、さながらマグマのごとく泡立つソースからは、メニューにも記載がある八丁味噌と、マヨネーズの発する芳香が漂う。

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ナイフを入れてハンバーグをカットすると、大量に溢れた肉汁が鉄板に熱せられて実に良い音を奏で、食欲をそそる。

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ものの本によれば、ソースは八丁味噌をベースにゴマ・コチュジャン・豆板醤を練り上げて作られるとのこと。甘辛いなかにも複雑な旨味を感じるソースだ。そして圧巻は、どれもこれも「ひとクセある」材料で作られたソースに負けない、ハンバーグそのものの美味しさ。確かな肉の旨味があってこそ、ソースの工夫も生きるというもの。

ハンバーグの大きさを注文時に3種類から選べるのも嬉しい『Grillマッシュ』さんに、皆様も訪れてみては?





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posted by 只今(橘カヲル) at 21:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:洋食 | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

武蔵小杉『かどや』さんで、お得で「美味しい」トルコライスを食す。

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横須賀線・武蔵小杉駅

2010年3月13日、JR横須賀線・武蔵小杉駅が開業した。

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同駅改札付近の風景

同駅周辺はもともと工場地帯であったが、渋谷と横浜の中間地点に当たる地の利の良さもあって近年再開発事業が進んでおり、同駅の開業もその一環。

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Jリーグ・川崎フロンターレのマスコット『ふろん太』

駅前では式典が開催され模擬店も出店、ふろん太くんもやってきて写真撮影に応じるなど盛り上がりをみせていた。

さて、せっかくなので近辺で食事を…と思ったのだが、近隣は再開発事業進行中のうえ元来が工業地帯だったので飲食店に乏しく、徒歩10分弱のところにあるJR南武線・東急東横線の武蔵小杉駅周辺まで戻ることに。

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かどや(中華料理 / 武蔵小杉、新丸子、向河原)

前置きが長くなってしまったが、本日ご紹介するのはJR南武線の武蔵小杉駅から徒歩数分、イトーヨーカドーの裏手、南武線の線路近くに店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『かどや』さん。店頭ショーケースに食品サンプルが飾られている風景が懐かしい、21世紀には貴重な存在となった「町の中華料理屋さん」である。

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店内の様子

テーブル席がいくつかあるだけの小ぢんまりとした店内。天井付近にテレビが備え付けられていたり、暇つぶし用の雑誌が置かれている、レトロな風情のお店。

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店内に掲げられたメニュー

黄色地を雷紋で縁取っているメニューを見かけたのは、いつ以来だろうか…。魅力的なメニューが多々あったが、せっかくなので他店ではあまりみかけないメニューを注文することにした。

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トルコライス(850円:税込)

その名は、トルコライス。聞き慣れない料理名であるが、地方によって微妙に差異がある料理のようなので、詳細は以下のリンクを参照されたし。

トルコライス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

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同店のトルコライスは一見すると、お子様ランチでおなじみケチャップライス(うわー懐かしい♪)のようだが、

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デミグラスソースがかかったトンカツが中に埋もれている――というより、作ったケチャップライスの半分を皿に盛り、トンカツを乗せてデミグラスソースをかけ、その上に残りのケチャップライスをかけて埋めている、という構成。

こんな風に書くと家庭料理の域を出ないメニューのようだが、そんなことはない。ケチャップライスはケチャップの使いすぎでベタベタになることなく炒飯のようなパラパラ感があり、中華料理屋としてのテクニックが生かされている。またご飯の味がケチャップで塗りつぶされることなく、あくまでケチャップはご飯の味の引き立て役に徹しており「ケチャップ味のご飯」なのもポイントが高い。

一方の主役であるトンカツは作り置きをせず、注文の度に揚げている。デミグラスソースがかかるのとケチャップライスの中で蒸されるというハンディがあるのに衣はサクッとしたままなのが嬉しい。また肉の厚み自体が結構あるし、デミグラスソースも適度な苦味とコクがある大人の味なので、トンカツ単品として考えても評価が高い。これらを同時に味わえるのだから、トルコライスとは相当お得な「美味しい」メニューといえるだろう。

また付け合せの中華スープについても書いておきたい。つねづね私は一般的な町の中華料理屋さんで炒飯を注文するとついてくる付け合せの中華スープは醤油味が濃すぎると思っているのだが、同店の中華スープは極めて薄味。「口中をリフレッシュさせる」ことに目的を特化させているためだろうか。ただとても良いお味なので、ケチャップライスとトンカツという個性の強い料理を食べる際の“相棒”としては最適ではないだろうか。

そのビジュアルどおり量が多く腹に溜まるメニューなので食の細い人には辛いかもしれないが、試して欲しいメニューである。

最後に注意点を一つ記す。同店のトルコライスは、先にトンカツを揚げて、その油きりをしている最中にケチャップライスを作る…という行程なので、出てくるまでに少々時間がかかる。後で頼んだ人の料理が先に来ることもあるので注意されたし。私が今回注文した際もそうだったのだが「後で頼んだ人の料理が先に来た」ことに対し、女将が私に一言断りを入れてくれたのは好印象だった。


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2009年11月07日

武蔵小山『がぶ』さんで咲く、巨大な花の正体は?

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東急目黒線・武蔵小山駅

先週の日曜日、既に日も暮れたあとで私は武蔵小山駅に降り立った。それは、この地に「見たこともない巨大な花が咲く」という情報を聞きつけたからである。

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くいしんぼう がぶ(洋食 / 武蔵小山、西小山)

情報によれば、武蔵小山駅から東京都道420号鮫洲大山線(通称:26号線通り)を北上、5~6分歩いた通り沿いに店を構える『がぶ』さん(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)が、目撃現場。

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店外備え付けられたメニュー

そして同店の看板メニュー「がぶ丼 肉1.5倍」こそが巨大な花の正体とのこと。緊張しながら店の扉をくぐる。

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店内の様子。

店内はカウンター席とテーブル席をあわせても十数席という小規模店舗。ご夫婦で切り盛りされているお店のようだ。オーダーを通し、暫く待つ。

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がぶ丼 肉1.5倍(味噌汁、お新香つき 1,200円:税込)

そしてついに「巨大な花」こと、がぶ丼 肉1.5倍とのご対面だ!同店のメニュー曰く「たたき風レアの牛ステーキ」が薄切りにされ、咲き誇る花弁のごとく丼に大量に盛り付けられている。表面に散りばめられた荒挽きコショウは、さながら花粉に例えられるであろうか。

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表面が軽く焼かれただけで半生のレア状態で饗される牛肉は、それだけでも味わい深いのに、かけられた甘口の醤油ダレと隠し味程度に感じるバターの風味が肉の味を引き立てる。肉とライスの間に敷かれた千切りキャベツが食感のアクセントを出すのに加え、後口をサッパリとさせるのに寄与している。

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これをライスと共に口いっぱいに頬張れば、口中に美味しさの花が咲き誇る!脂身の少ない部位の肉を使用しているからか、結構なボリュームなのにもかかわらず、食後に胃がもたれないのも有難い。

土曜日は休業、日曜日は夜の営業のみ(平日はランチタイムも営業)なので、近隣の方でなければ訪れる機会になかなか恵まれないと思うが、試して欲しい逸品である。なお、箸よりもスプーンの方が食べやすいことを最後に申し添えておく。





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2009年10月17日

人形町『小春軒』で饗される「他に類を見ない」カツ丼

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東京メトロ日比谷線・人形町駅

江戸時代は人形芝居を演じる芝居小屋が多く並び立ち、また人形の製作・修理を引き受ける職人が多く住んでいたことから、ついた地名が人形町――正式には日本橋人形町の界隈には、古くから活気のある町にふさわしい良質な飲食店が数多く軒を連ねている。

どこを紹介するか迷ってしまうほどだが、今回は1912(明治45/大正元)年創業という老舗の洋食屋さんをご紹介したい。

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小春軒(洋食 / 人形町、水天宮前、浜町)

人形町駅A2出口より徒歩数分のところに店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『小春軒』さん。前述のとおり間もなく創業100年を迎える老舗の洋食屋さん。物の本によれば店名は、明治の元勲・山縣有朋公のお抱え料理人を勤めたという初代店主・小島種三郎氏の奥様の名が“春”だったことに因むそうだ。

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店内の様子

店内はテーブル席とカウンター席がいくつかあるだけの小規模店舗。初代の味を現在は三代目と四代目が守る。歴史ある洋食店に時折見受けられる「高級志向に走った…」ところは全くなく、店内の様子だけみれば市井のレトロな家族経営の洋食屋といった趣。あくまで地域密着型のお店というスタンスを貫いてきたからではないだろうか。

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メニュー(一部)

壁に掲げられた数多くの魅惑的なメニューから、今回は…。

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カツ丼(1,200円:税込)

洋食屋の花形メニュー、カツ丼を注文。香の物とシジミの味噌汁がセットでついてくる。通常カツ丼といえばトンカツをダシ汁で煮て玉子で綴じたものを具として丼飯の上に乗せているが、

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同店のカツ丼は丼飯の上に一口大のトンカツを乗せ、その上から目玉焼きを被せ、さらに割り下とデミグラスソースで煮た野菜が乗る三層構造となっている。初代が考案したものを三代目が苦心の末に復活させたのだとか。

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包丁が入っていないため衣の中に閉じ込められた旨味が残らず味わえる一口大カツも、

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味が染みこんだ煮込み野菜も、フンワリ焼き上げられた玉子焼きも、良い意味で「親戚の家でご馳走になっているような」親しみを覚えるアットホームな味。ライスと実に良く合う!ガツガツと丼飯を掻き込む快感を久しぶりに味わいつつ、気がつけばアッという間に完食していた。

「料理の作り置きはぜず、注文を受けてから調理する」といったルールを頑固に守る歴史ある名店でありながら、あくまでフレンドリーに徹する。そんな『小春軒』さんに貴方も訪れてみては?






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2009年10月04日

学芸大学『食事処 知』さんの生姜焼きは胃袋も財布も大喜び

生姜焼き…ほどほどの厚さにスライスされた豚肉を醤油・日本酒・生姜汁で作ったタレに浸け――もしくはタレを絡め――てから焼いた料理。極めて単純な調理法だが、私は豚肉を美味しく食べるための屈指の調理法のひとつだと思う。なので時おり無性に「美味しい生姜焼きが食べたい」という衝動が抑えきれなくなる。

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食事処 知(定食・食堂 / 学芸大学、祐天寺)

先週の後半、そんな気分に陥ったので会社からの帰宅途中に学芸大学駅で電車を折り、歩くこと5分ほど(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)のところにある、『食事処 知』(しょくじどころ とも)さんに寄ることにした。路地裏にひっそりと佇むその外見からは想像できないかもしれないが、実力派の定食屋さんである。

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店内の様子

明るく清潔的な店内。場末の定食屋で往々にして見かける、油による薄汚れた所がないのは好感が持てる。入店したのは20時前。夕食どきのコアタイムは過ぎていたが、ぽつぽつと客の姿が見受けられた。私のような仕事帰りのサラリーマンもターゲットにしているため、住宅街の路地裏という立地条件でありながら22時まで営業しているのがありがたい。

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メニュー

定食メニューは最高でも税込価格1,000円とリーズナブル。単品であれば250円引き、ライス大盛りは100円増しと自由度も高い。

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生姜焼き定食(850円:税込)

注文後、それほど待たされることなく生姜焼きが運ばれてきた。メインの生姜焼きにライス・味噌汁・お新香・小鉢2品がついて、この値段は有難い。

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生姜焼きには定番のタマネギのほか、ピーマンやニンジンなど、思いのほか野菜が多く含まれている。そして肝心の豚肉の量も十分にある。同じ皿にはキャベツの千切りとスパゲティまで乗っている。即ちボリューム満点の一皿ということ。鼻腔を刺激して止まない生姜と醤油ダレの芳香に、私の胃袋が高らかに鳴って「早く食べたい」と催促する。

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良く色づいた見た目に違わぬ濃厚な味つけは、期待に違わぬ美味しさ。野菜が多く含まれているにもかかわらず、なお豚肉の味がはっきりと食べる側に伝わってくる。そこに野菜の甘みと歯ごたえが良いアクセントを加え、レベルの高い生姜焼きに仕上がっている。

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そしてライスとの相性が絶品だ!仕事帰りで腹が空いていたこともあって、怒涛の速さで箸が進む。

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生姜焼きを食べる合間にキャベツの千切りを箸休めにすると、舌の感覚がリセットされて、新たな気分で生姜焼きを楽しめる。定食全体では相当な量があるのに、気がついたらペロリと平らげていることだろう。

あえて言えば、住宅街の路地裏でひっそりと営業しているため、初訪の際はお店を見つけにくいのが難点か。でもそれに負けずに訪ねてみて欲しいと思うお店である。






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2009年09月23日

自由が丘『mocco』さんは地元民の憩いの場であるイタリア料理店

仕事の都合で祝日は基本的に自宅待機となる。せめてもの贅沢として近所に出向いてランチを外食することに。しかし私が現在住んでいる自由が丘は観光地でもあるため、大型連休で人手も多い。なるべく静かにランチを取りたいと思ったので…。

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モッコ(イタリアン / 自由が丘、九品仏、奥沢)

自由が丘駅から徒歩10分弱、緑道沿いに九品仏方向へ歩くと到着するのが『mocco』(モッコ)さん(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)。食堂というよりアトリエとでもいわれた方が納得できる外観と、少々奥まったところに入り口があること、またオシャレなショップの立ち並ぶ自由が丘の中心地から少し離れた住宅地に店を構えていることなどから観光客はあまり訪れないが、物の本によればおよそ40年も前から同地でイタリア料理を提供してきた老舗にして穴場のお店である。

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店内の様子

店内のお客さんは、その軽装度合いに加えてスタッフと気軽に声を交し合う姿から分かるように、近隣に住む人たちがメイン。

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店内ペットOK

店内へのペット入店可なのも、近隣の方々が散歩がてら利用するようなお店であることの証明といえる。

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メニュー(一部)

しかし提供される料理に抜かりはない。ピザやスパゲッティーの箇所だけを見ると古き良き喫茶店のメニューのようだが、アンティパスト(antipasti:イタリア語で前菜の意。メニューに書かれているスペルは“u”が余分な気もするが、そこはご愛嬌)の項目には「パーナ貝ガーリックオリーブオイル焼き」とか「ホーレン草のイカ墨煮」といった本格的なメニューも並ぶ。

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コンビネーションB(1000円:税込)

とはいえ、やはりメニューの先頭に載っていることもあり、注文したのはピザ。なお14:30までのランチタイムならピザ・スパゲッティーを注文すると一品につき400円の飲み物が一つサービスでついてくるのでお得だ。

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この「コンビネーションB」はビーフ・チキン・ピーマン・マッシュルーム・サラミ・コーン・オニオンと7種類もの具が乗った豪華なもの。

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大人の男性だと、パッと見た目「サイズが少し小さいかな…」と感じるかもしれないが、その心配は無用。オーブンでこんがりと焼き上げられた具沢山のピザは、食べると見た目以上の満足感が得られる。単に具沢山なだけでなくピザそのものが美味しいのは、じっくり煮込むため出来上がりまで4日間もかかるというピザソースにもあるのではないか。

このピザはランチの友としてだけでなく、ディナータイムにはアルコールの摘みとしても活躍しそうだ…とアルコールを受け付けない身体である私が書いてみた(笑)。なおプラス400円でピザのサイズを大きめに出来るので、大食漢の方はそちらを注文するとよいだろう。

イタリアンの名店が軒を連ねる自由が丘にあって、店の中で堂々とスポーツ新聞を読んでいる人がいても違和感を感じない『mocco』さんは異色の部類に入ることは認める。だが味は本格派。お試しあれ。


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2009年08月04日

外川『シュクラン』の名物料理、ロシアンカツとは?

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銚子電気鉄道・銚子駅

先ごろ、経営危機を「ぬれ煎餅」の売り上げで凌いだことで話題になった銚子電気鉄道(銚電)。その始発駅である銚子から一両編成の単線電車に揺られ、6.4kmの道のりを約20分ほどで走りぬけ、

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銚子電気鉄道・外川駅

その終着駅である外川(とがわ)駅までやってきた。

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外川駅構内

そのあまりにもノスタルジックな外観・内装が逆に重宝がられ、幾度となく映画やドラマのロケに使用されている。

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シュクラン(洋食 / 外川、犬吠)

さて今回ご紹介するのは、外川駅から徒歩3分ほど、銚電の踏切そばに店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『シュクラン』さん。店名のシュクラン【shukran】はアラビア語で感謝の意を表す言葉。日本語での「ありがとう」とか「おかげさまです」に相当する。

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シュクラン紹介ページ

上のサイトによれば、お店のオーナーは外洋航路の商船の船員という経歴をお持ちとのこと。その体験を生かし、独自のメニューも織り交ぜた洋食店を同地にオープン。地元の方に支持され、既に四半世紀が経過したそうだ。

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店内の様子

開店直後かつ生憎の小雨模様だったこともあり、入店時の人影は疎ら。しかし私が入店した後、近所の奥様方や学生さんらが何組か訪れていた。

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ロシアンカツ(デミソース:単品900円、写真はライスと味噌汁のセットでプラス300円。以上税込)

今回の注文は、メディアにも取り上げられたことがあるロシアンカツ。デミグラスソースとカレーソースが選べるが、基本と思われるデミグラスソースを今回はチョイス。

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ロシアンカツとは、キャベツやニンジンの温野菜を肉巻きにしてフライにしたもの。結構手の込んだ料理だ。注文してから出てくるまでに20分ほどかかっていることから考えると、予め揚げておいたものを作り置きしている方式ではないのだろう。揚げたてのフライ料理の美味しさは格別である。食べる前から期待度が急上昇していく。

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サクッとした衣と柔らかい肉の美味しさもさることながら、特筆すべきは野菜の美味しさ。野菜が不足しがちなフライ料理でタップリと野菜が取れるだけでも嬉しいのに、熱が通って活性化された野菜の甘みが、フライの衣によって外に逃げることなく、口の中にダイレクトに到達する。しかもシャキシャキした野菜の歯ごたえはキープされているのだ。野菜嫌いな子供にも受け入れてもらえそうなメニューである。

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ライスとの相性も良いのが嬉しい。近所の方はテイクアウトもされている模様だ。

外川駅周辺には海水浴場や磯釣りのポイントもある。マリンレジャーなどで訪れた際は、お試しになってはいかが?


シュクラン [ 洋食 ] - Yahoo!グルメ





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2009年07月20日

名古屋ではポピュラー、東京では珍しい?自由が丘『カフェ・ベルマッシュ』さんの鉄板ナポリタン

仕事の都合で祝祭日は基本的に自宅待機。そのためランチも近場で済ますのが基本。過日、かねてから“取材”の機会を伺っていた近所のお店がテレビで取り上げられていたので良い機会と思い、訪れることに。

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カフェ・ベルマッシュ (カフェ / 自由が丘、奥沢、緑が丘)

自由が丘駅から徒歩数分、自由が丘グリーンロード沿いに店を構える『カフェ・ベルマッシュ』さん(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)。カフェや喫茶店の類には事欠かない自由が丘で、オリジナルメニューのケーキや料理を提供することで確かな支持を得ている。

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店内の様子

BGMとして店内に流れるクラシック音楽が、落ち着いた雰囲気を醸し出している。

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店内の間接照明

また店内の意匠に楽譜を用いるなど、非常に音楽と縁が深い。店主の嗜好と推測される。なにしろ同店では「くつろぎコンサート」と題する音楽家の演奏を楽しむミニコンサートを月一回のペースで開催しているほどだ。

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鉄板ナポリタン(850円:税込)

こちらが今回のお目当て、鉄板ナポリタン。セットとしてトーストと生野菜がついてくる。

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熱せられた鉄板の上に小山のように盛り付けられたナポリタンにも目を奪われるが、なにより気になるのはナポリタンの周囲を取り囲む黄色い物体。過日のテレビによると、これは牛乳を加えた溶き卵。なんでも喫茶店激戦区として有名な名古屋ではポピュラーなメニューなのだとか。

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しかし東京では非常に珍しい盛り付けだ。そのため店内には食べ方の手引きまである。半熟卵とナポリタンを絡めて食べるのが良い模様。

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だが、まずはナポリタンそのものの味を確かめてみたい。トマトソースでソーセージ、タマネギ、ピーマンを炒め、茹で上げたパスタと絡めてあるベーシックな作り。だが過日のテレビ放送によれば、肝心のトマトソースはトマトケチャップと共にトマトの水煮を用いているそうだ。トマトのフレッシュな酸味によって、一般的な「喫茶店のナポリタン」とは違い爽やかな印象の残る美味しいナポリタンとなっている。

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次に同店が勧める、溶き卵と絡める食べ方を試してみよう。カルボナーラの例を挙げるまでもなく卵と乳脂の味はパスタに合うし、トマトの酸味を優しく包み込んでくれるが、個人的には絡めすぎると肝心なトマトの酸味が寝ぼけてしまうと感じた。あまり絡め過ぎないほうが互いの味を侵食しないようだ。

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あるいは、上の写真のように鉄板の熱で火を通して卵焼き状態になってから一緒に口に運ぶのも良いだろう。

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意外な発見だったのは、鉄板に盛り付けられてくるため、調理後のパスタに更に熱が加わって石焼ビビンバのごとく“おこげ”ができること。特に鉄板と接している部分は下手に混ぜ合わせず、おこげが出来やすいようにしてみるとよいかもしれない。

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食後は同じくセットになっているゴマプリンのご登場。

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ゴマの風味が濃厚に感じられる、出来の良いゴマプリン。食後の締めにはちょうど良い。

『カフェ・ベルマッシュ』さんは、鉄板ナポリタン以外にも手作りケーキやオリジナル生チョコレートなど魅力溢れるメニューが揃っている。皆さんも、自由が丘散策の折にはお試しあれ。


カフェベルマッシュ [ 喫茶、コーヒーショップ ] - Yahoo!グルメ





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2009年06月21日

自由が丘『どみぐら亭』にて、洋食界の二台巨頭が競演する光景に出会う。

今日は朝からちょっと遠出しようと思っていたのだが、雨足が強くなってしまったので予定を取りやめて、近所で昼食を取ることにした。

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レストラン どみぐら亭(洋食 / 自由が丘、奥沢、九品仏)

自由が丘駅から徒歩数分、ショッピングアーケードビル「自由が丘ひかり街」の向かいのビルの二階に店を構える(詳しい場所は上部リンク先を参照)『どみぐら亭』さん。ひっそりとした外見だが、帝国ホテルに勤めていた経歴を持つシェフが腕を振るう洋食店として確かな人気を誇っている。

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写真左:店内の様子 写真右:メニュー

アンティーク家具が配置された内装は、ヨーロッパの民家風で落ち着いた雰囲気を醸し出している。帝国ホテル流と思われる、よく訓練された店員さんに案内されて席に着き、オーダーを通す。雨天で、しかも露天にある階段で二階に上がるというハンディがあるにもかかわらず、店には途切れることなく来客がある。同店の支持の高さが伺える。

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ビーフシチューオムライス Mサイズ(ミニサラダ、スープ付き 1,180円:税込)

今回注文したのは、同店の人気ナンバーワンメニューであるビーフシチューオムライス。

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オムライスの周りをビーフシチューがぐるりと取り囲んでいる。洋食屋の二大人気メニューを一度に味わえる贅沢な一品だから、人気が出るのも当然といえようか。

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チキンライスの上にフンワリ・トロトロに調製された半熟卵が乗っているオムライスは、卵の奥深い味わいが堪能できる、品のある美味しさ。ものの本によれば、オムライスの卵には茨城県奥久慈産の地鶏卵を使用しているとのこと。ビーフシチューの味の強さに負けない確かな味わいの根源は素材のよさにあるようだ。

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店頭看板によれば、ビーフシチューのドミグラスソースは、牛肉と野菜をワインとブランデーを使って丹念に煮込んで作られるという。艶やかな光沢と優しい芳香に高まる期待を裏切らない、複雑で縦横に広がりを感じる味わい。極限まで柔らかく煮込まれた牛肉と共に口に含めば、その出来のよさに感動する。

オムライスとビーフシチューのコラボレーションで味が二倍どころか二乗になっている感もある。自由が丘にお立ち寄りの際には、お試しあれ。


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2009年01月17日

秋葉原『ビアレストラン芝生』さんがビアホールではなくビアレストランを名乗る理由。

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東京メトロ秋葉原駅

知人に買い物を頼まれて秋葉原まで足を伸ばしたついでに、食事を取ることにした。秋葉原周辺の飲食店というとメイド喫茶しかないような印象を持たれている方がいらっしゃるしれない(笑)。だが現在の秋葉原は日本有数の商業地域にして観光地。一時期と違い、ランチの場所には事欠かなくなった。

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ビアレストラン芝生 (ビアホール・ビアガーデン / 秋葉原、岩本町)


今回訪れたのは東京メトロ秋葉原駅の1番出口を出てすぐ右手、JR秋葉原駅からは昭和通り口を出て信号を渡って大通り(昭和通り)を越えたらパチンコ屋の左側にある階段を昇ると、その先、2階に店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『ビアレストラン芝生』(ビアレストランしばふ)さん。

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店内の様子

その名と店内の様子で知れるように夜はビアホールとして営業しているのだが、昼は良質なランチを提供しており、訪れる人の食欲を満たしている。

ランチメニューはいずれも洋食で、定番メニューは以下のとおり(以下、価格はすべて税込)。これに日替わりランチとして、日ごとに一品メニューが加わる。
・ハンバーグランチ(900円)
・霜降りひとくちステーキランチ(900円)
・ポークカレーランチ(850円)
・ハヤシライスランチ(850円)

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日替わりランチ「ポークの挟みカツ“デミグラスソース”」(850円)

応対してくれたスタッフの方の勧めもあり、今回は日替わりランチを注文。まずは主菜とコンソメスープ、サラダにライスが到着。

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今日のメニューはドミグラスソース(同店での表記はデミグラスソース)がかかったトンカツ。キツネ色にカラッと揚がった衣を見ていると、それだけで期待が高まる。しかし、このトンカツはただのトンカツではない。

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衣にナイフを入れると、期待にたがわぬ「サクッ」という食欲をそそる音と共に流れ出る油脂…。

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実は「挟みカツ」の名が示すように、スライスした2枚の豚肉の間にバターを挟んで揚げている! 揚げる際の熱によってバターが溶け、衣の中に封じ込められた豚肉に良い味をつける。さらにドミグラスソースの味が加わるから、

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これがライスにベストマッチする美味しさなのだ。同店はビアホールではなくビアレストランを名乗っているが、それはランチタイムだからといって手を抜かず、このような効率オンリーではない「ひと手間かけた…」料理を提供する故の矜持なのであろう。

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食後にはセットメニューの一環としてコーヒー(ホットorアイス)が出てくる。またデザート(本日はグレープゼリー)もついてくるが、これは土曜日だけのお楽しみだ。

主菜・スープ・ライス・サラダ・コーヒー・デザート(土曜日のみ)と、これだけ揃ってこの価格とは、なんというコストパフォーマンスのよさ!

本来がビアホールだけに80席と席数が多く、待ち時間を考慮する必要が少ないのも嬉しいかぎり。電気街とは大通りを挟んで反対側の商業地域としての秋葉原に店を構えているので、観光客の利用が比較的少ないという点では穴場的存在でもある。秋葉原にお立ち寄りの折は、ご利用されてはいかが?


ビアレストラン芝生 [ ビアホール ] - Yahoo!グルメ





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2008年11月24日

武蔵中原『トルネード』さんの煮込みハンバーグに感じる矜持

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JR南武線・武蔵中原駅

Jリーグ・川崎フロンターレのホームスタジアムである等々力陸上競技場の最寄り駅として知られる武蔵中原駅までやってきた。といっても、今日の目的はサッカーではなく…。

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トルネード (ステーキ / 武蔵中原)


武蔵中原駅から歩くこと数分、中原街道沿いの上小田中交差点至近にある(詳しい場所は上部リンク先、または記事下部の地図参照)ステーキハウス『トルネード』さんである。

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写真左:店外掲示のメニュー 写真右:店内の様子

400グラムもある『ジャンボステーキ』といったメニューもあることから雑誌などの『大盛りメニュー特集』などで取り上げられることもある同店であるが、ただの大盛り自慢な店ではなく味のほうも確かなもので、長年にわたって地元で親しまれている。

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今回のお目当ては、同店の呼び物の一つである煮込みハンバーグ。これにライス、スープ、サラダがついたセットメニューを注文した。ポタージュスープをすすり、サラダを食べながら暫く待つと、

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煮込みハンバーグ(単品924円、セット1,344円:税込)

煮込みハンバーグの登場! 煮込みハンバーグの作り方には、ハンバーグを焼いたフライパンの中にソースを投入して煮込む方法もあるが、同店のそれは火を通したハンバーグをソースの入った鍋に入れて煮込むタイプ。

面白いのは煮込みうどんのように鉄鍋で煮込んで、それを上品に皿へ取り分けたりせず、そのままお客に提供するところ。鍋の中ではドミグラスソースが活火山の噴火口から見えるマグマの如くブクブクと泡を立てて煮えたぎっており、この光景が期待を煽る。

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そしてハンバーグも期待に違わぬ美味しさだ。豪快な調理法ゆえ、ハンバーグの質が悪ければドミグラスソースを吸ったスポンジと化してしまい、肉の味などまるでしなくなってしまう危険性があるが、ドミグラスソースの強い味に十分対抗できるほど確りと肉の旨味もある。ステーキ&ハンバーグ専門店の矜持を感じる逸品だ。

注意点としては、何しろ熱々なのでハンバーグは細かく切り分けたほうが良い。大きな塊を口に入れてしまうと、ハンバーグに絡まった大量のドミグラスソースで口の中を火傷すること必至である。

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またハンバーグから出る肉汁も含んだドミグラスソースはライスとの相性も非常によい。また鉄鍋の中にはパスタが隠れており、これもドミグラスソースをたっぷりと絡めて口にすると至福の瞬間が訪れる。

沿線住民でもなければ、なかなか訪れる機会がないかもしれないが、近所に立ち寄られた際は、お試しあれ。


トルネード [ ステーキ、ハンバーグ ] - Yahoo!グルメ




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2008年11月17日

自由が丘『豆豚食堂 朝日屋』さんへの期待を込めて

自分の住まい周辺を散策していると、こんなお店を発見。

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豆豚食堂 朝日屋 (居酒屋 / 自由が丘)


どうやら、このたび新しく開店したようだ。早速どんなお店か確認しようと中に入った。

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写真左:店内の様子 写真右:メニュー

自由が丘駅南口から徒歩数分、東急ストアの向かいに店を構える(詳しい場所は上部リンク先を参照)『豆豚食堂 朝日屋』さん。2008年11月13日(木)にオープンしたばかりの新店だそうだ。

ディナータイムは鍋物などを中心とした居酒屋になるようだが、ランチでは定食メニューを出す。内装の真新さがいかにも新規店舗といった感じで心地よい。自由が丘という土地柄を意識してか、店内にはムーディーな音楽を流すなど、雰囲気作りにも力を入れている。

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Asahiyaのとんテキ定食(1,000円:税込)

さて、なにしろ初めて入ったお店の上に、新規開店の店舗なので事前情報が全く無い。よって注文はメニューの一番上で「おすすめ」と書かれていたAsahiyaのとんテキ定食とした。とんテキとは少々馴染みが無い料理名であるが、メニューによれば「三重県中北部の地方食でソース味の豚ステーキ」とのこと。和と洋でコースを選ぶことができ、和であれば雑穀米と味噌汁、洋であればパンと冷製とうふポタージュが選べる。今回は無難に和をチョイス。しかし…。

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なぜか料理と共にハサミまで運ばれてきた。何に使うのかと思いきや、

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配膳したスタッフ曰く「これで、とんテキを適当な大きさにカットしてください」とのこと! 韓国料理の店で焼いた肉をハサミでカットする光景をよく目にするが、韓国料理の店以外でこのような振る舞いに及ぼうとは想像もしなかった。確かにフォークでカットするよりも手っ取り早いのは間違いないだろう。

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「ハサミで切るぐらいだから肉が硬いのか」と思えばさにあらず、口にしてみると柔らかいのに歯応えもあるという理想的な状態。味付けは生姜焼きのそれに近く、非常に馴染みやすく、美味しい。薬味として皿に盛られている辛子マヨネーズをつけて食べても良い塩梅。付け合せは千切りキャベツとモヤシのナムル。肉が少々濃い目の味付けだから、箸休めに丁度良い

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そして濃い目に味付けされているため、ご飯のお供にピッタリ! ボリュームもあり、大の男でも満足できるであろう。しっかり昼食を取りたい方に勧めたい。

なにしろオープンしてから日が浅いので、『豆豚食堂 朝日屋』さんが現在提供しているサービスがどこまで続くかはわからない。店舗運営は試行錯誤の繰り返しだからだ。だが個人的には気に入ったので、激励の意味も込めてここに記した次第である。


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2008年11月16日

神谷町『伊太利亜亭』さんのカレースパゲッティは“異端”ならではの味わい。

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東京メトロ・神谷町駅

週末、思いのほか仕事が速く退けたので、夕食をとるため住まいに帰る前に寄り道をすることに。

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伊太利亜亭 (いたりあてい) (パスタ / 神谷町)


神谷町駅から桜田通りを飯倉方面へ向かうと、外苑東通りとの交差点付近にある(詳しい場所は上部リンク先、または本ページ下部の地図を参照)『伊太利亜亭』さんが今回の目的地。

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写真左:店内の様子 写真右:メニュー

看板に「かふぇてらす」と謳っているように、店内の様子も「洒落たイタリア料理店」というよりは喫茶店の赴き。喫茶店ではフードメニューとしてパスタ――というかスパゲッティを何種類か用意している店が少なくないが、それが客の評判を呼び、また評判に応えてメニューを拡充していくうちに、いつしかスパゲッティが店の主力商品となった…というような料理店と考えていただくと、お店の雰囲気も掴めると思う。

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カレースパゲッティー(950円:税込)

今回の注文はカレースパゲッティ(店での表記はカレースパゲッティー)。カレースパゲッティというと茹で上げたパスタの上からカレールーをかけたものを想像するかもしれないが、同店のカレースパゲッティは具材となる挽肉、ベーコン、マッシュルーム、ニンジン、タマネギを細かく刻んで、麺と共にカレー粉で炒めたもの。運ばれてくる時からカレー粉の香ばしさが席にまで漂ってきて食欲をそそる。

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カレー粉が香ばしさと刺激、肉類が旨味、野菜類が甘味をそれぞれ担当し、他店なら「大盛り」として十分通用するほどの量がある麺が、いとも簡単に胃に収まっていく。本格的なイタリア料理店では決して食することのできない異端の味であろうが、これが実に美味しいのだ。

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前述したように量が多いので、もし食べている途中で飽きがきたら粉チーズやタバスコをかけるのも良い。また違った味わいになって美味しくいただける。本格的なパスタ料理の観点からすれば、これらもまた異端の所業であるが、とてもよい味になるのだ。

最近では本場イタリアと遜色ない味わいの“パスタ”を出す店も増えた。自分はそれらも好きだし良く食べる。だが日本で独自進化を遂げた“スパゲッティ”には、それにしかない良さがあると思うのだ。そんな“スパゲッティ”を食べたくなったら『伊太利亜亭』へ足を運ぶべし!


伊太利亜亭 [ ピザ、パスタ ] - Yahoo!グルメ





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2008年10月26日

銀座『グリルスイス』さんの弛まぬ精神に感心

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東京メトロ:銀座駅とその周辺

日本有数の繁華街として押しも押されもせぬ街、銀座。西洋文化が怒涛のように流入してきた文明開化のころから、そのステータスは変わらない。また、それゆえに銀座は日本屈指の飲食店激戦区でもある。このたび自分は、ある老舗の味を堪能するため銀座までやってきた。

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グリルスイス (洋食 / 銀座)


銀座中央通りから一本路地に入ったところにある(詳しい場所は上部リンク先、またはページ下部の地図を参照)『グリルスイス』さん。ご覧の通り週末ともなれば行列ができる人気洋食店で、その味を求めて訪れる人が後を絶たない。

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また同店はカツカレー発祥の店としても良く知られている。

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店内の様子(写真左)とメニュー(写真右)

時は同店がこの地に店を構えて間もないころに遡る。東京読売巨人軍の千葉茂選手(当時:2002年他界)は同店のカレーライスとトンカツをこよなく愛し、常にこの二品をオーダーしていた。だがあるとき、千葉さんは常に注文するこの二品を一つの皿で出して欲しいと考え「カレーライスにトンカツをのせてくれ」と店に要望したのだった。

これが余人であれば単なる客のワガママで片付けられ、その後に何の影響も与えなかったかもしれない。だが千葉さんは、病気で急逝した同僚・黒沢俊夫選手の背番号4を永久欠番にするよう球団に直訴するような情に篤い人だった。こうした千葉さんの人柄に店の主人が応え、正式メニューにまでなったのがカツカレーなのだ。

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千葉さんのカツレツカレー(1,365円:税込)

こちらが、その名もズバリ『千葉さんのカツレツカレー』。平日価格は1,600円のところ、土日祝日は限定サービスで1,365円(税込)である。平成の世では貴重となったアーモンド形に形成されたライスに焦茶色のカレールーが掛けられ、さらに食べやすい大きさにカットされたトンカツが添えられている。キャベツの千切りも同時に添えられているのは、その昔は別メニューであったころの名残りであろう。

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カレーはカツカレー専用に調整されたもの。トンカツが食べやすいように中の肉は挽肉が使われているのが、その証だ。カレーの味は刺激を押さえて優しい滋味を追求した欧風のそれである。スパイスをバリバリ効かせたカレーを好む方には物足りないかもしれないが、刺激が強いと高齢者や幼児には辛いので万人受けするのはこちらの方だと思う。様々な客層に対応しなければならない洋食店としての確かな選択だ。

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揚げたてのトンカツは、衣はサクッとして肉は柔らかいという理想系。チェーン店で出されるカツカレーのトンカツのなかには、カレーの味で誤魔化しが効くからか「ただ揚げただけ」という御座なりな代物も多い。しかし同店のトンカツは一品料理として十分通用する品質である。まぁ元々別メニューだったのだから当然かもしれないが、融合してから長い年月が過ぎてもクオリティが落ちていないのは老舗洋食店としての矜持といえようか。

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なお『千葉さんのカツレツカレー』にはポタージュスープがセットでついてくる。こちらも手抜きの無い品であり、同店の仕事の確かさを示す尺度となっている。

銀座という飲食店の競争が激しい地で、カツカレー発祥の店という「昔の看板」だけで生き残ることは不可能である。看板に胡坐をかかない『グリルスイス』さんの弛まぬ精神には頭が下がる。皆さんも訪れてみては?

グリルスイス [ 洋食 ] - Yahoo!グルメ





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posted by 只今(橘カヲル) at 18:52| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 食:洋食 | 更新情報をチェックする

2008年09月28日

仙台『かつせい』さんのトンカツに学ぶ、美味しいトンカツの作り方

仙台滞在も残り僅かとなった日の夕方、仙台のみならず全国レベルで好評を博しているというトンカツ屋さんに向かうことにした。トンカツはシンプルな料理だけにアタリ・ハズレの差がハッキリ出るのは確かだが、県外からも顧客を呼ぶほどのトンカツとは一体どんなものなのか? よほど特殊で奇抜な材料を用いたりしているのだろうか? などと考えながら歩を進める。

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かつせい (とんかつ / 五橋)


仙台の繁華街から少し離れ、大通りを南下。仙台中央郵便局の程近く(詳しい場所は上部リンク先を参照)に店を構える『かつせい』さんが今回の目的地である。

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店内の様子(写真左)、メニュー(写真右)

外見・内装共にトンカツ屋としてオーソドックスな作り。メニューを見れば価格設定もリーズナブルで、高級感をセールスポイントにしているようでもない。一体何がそこまで評判を呼んでいるのだろうか…と考えながらオーダーを通す。

注文した品が来るのを待つ間、聞くとは無しに店内の会話に耳を傾けていると、これから勘定を済ませようとする若い女性の客が店の女将(らしき人)に「ここの味が忘れられなくて、埼玉から来たんです」と熱く語っていた。

埼玉!? と自分は目を剥いた。もう少しで声をあげてしまうところだった。わざわざ関東から再来するほどのトンカツだというのか。期待が最高潮に達したとき、

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ヒレかつ定食(1,050円:税込)

ヒレかつ定食がやってきた。トンカツとキャベツの千切りとポテトサラダと辛子が皿に盛られ、ご飯、味噌汁、漬物がセットになった、至極ありふれたトンカツ定食のたたずまいである。

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だが口にして再度目を剥いた。極めて軽やかな歯応えの衣と、十分火が通っているのに柔らかく、旨味が最大限に活性化された豚肉の美味しさに、である。

そして次の瞬間、自分の脳は疑問符で埋め尽くされてしまった。「特に奇をてらった作りをしているとも思えないのに、なぜこれほどの美味しさが出せるのか…」と。そして思い至った。「奇をてらっているのではない。基本に忠実だから美味しいのだ」ということに。

冒頭にも記したが、トンカツとは豚肉に衣をつけて油で揚げるという極めてシンプルな料理だ。それゆえ簡単な料理と思われがちだが、

・食感に影響するので、下ごしらえとして包丁の先で突き刺し、叩いて伸ばして肉の筋を丁寧に断たねばならない。
・衣を付ける際、余分な小麦粉を丁寧に払っておかないと揚げた時に衣が剥がれてしまう。
・揚げる時には揚がり具合を見ながら、油の温度を小まめに調節する必要がある(油の温度が高すぎれば衣はカチカチになっても中まで火が通らないし 逆に低すぎると衣がカラッと仕上がらない)。

というように、簡単に洗い出してもこれだけの注意すべきポイントがある。『かつせい』さんのトンカツは、手を抜かず、手間暇を惜しまず、こうした作業を忠実にこなしている故の美味しさなのではないか。料理の指南書に書かれている「美味しいトンカツの作り方」を究極レベルで再現したトンカツと例えればよいかもしれない。

先にお話した埼玉から来たお嬢さんではないが、自分も仙台にいく機会があるたびに通いそうな予感がするなぁ。


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ラベル:仙台 トンカツ
posted by 只今(橘カヲル) at 21:22| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 食:洋食 | 更新情報をチェックする

2008年09月22日

仙台『ピッツェリア・デ・ナプレ』さんで本格的ナポリピッツァを食べよう

仙台へ旅行に行って、牛タン、ずんだ餅と定番のご当地フーズを食したら、無性に洋風料理が食べたくなった。そこでネットで検索し、評判のお店へ向かうことに。

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ピッツェリアデナプレ (イタリアン / 勾当台公園)


仙台の祭りや催事が多数開催されることでも知られる、ケヤキ並木で有名な定禅寺通り。中でもひときわ目立つ総ガラス張りの複合文化施設・せんだいメディアテーク(旧:仙台市民図書館)から通りを挟んで向かい側にあるのが(詳しい場所は上部リンク先を参照)『ピッツェリア・デ・ナプレ』さん。店名のナプレ[Napule]とは、イタリア・ナポリの方言で[Napoli]の意味。ピッツァ発祥の地ナポリを店名に冠した同店は、名は体を現すの言葉を具現化したナポリピッツァの専門店である。

その潔い業態は東京近郊でも珍しい部類に入るが、仙台周辺ではもっと珍しいのだろう。店の入り口に「スパゲティーはありません」の断り書きが掲げられている

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店内の様子(写真左)、メニュー(写真右)

木製のテーブル、椅子、床板と、木目調で統一された店内は規模としては小さめだ。カウンター席を含めても30人は収容できないと考えられる。

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しかし、この本格的な石窯でピッツァを焼く以上、大量生産ができないのは素人目に見ても分かる。店の規模としては適正なのではなかろうか。石窯の中で色よく焼けていくピッツァは、見ているだけでもご馳走だ。

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マリナーラとマルゲリータのハーフ(1,300円:税込)

一番値段が手ごろなマリナーラ(ニンニク、オリーブ油、トマトのピッツァ)を注文しようとしたら、スタッフが勧めてくれたのが上のメニュー。ナポリピッツァの代名詞であるマルゲリータ(モッツァレッラ、バジル、トマトのピッツァ)も同時に食せるのは有りがたい。

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マリナーラ(写真左)、マルゲリータ(写真右)

マリナーラもマルゲリータもトマトソースを使うのが常道だが、同店では加工前のトマトをそのまま用いている。実は自分はトマトソースは好きだが生のトマトは青臭い味と臭いが苦手で食べられない(汗)。よってトマトの切り身(笑)がピッツァの上に乗っかっているのを見たときは少なからず動揺した。しかし石窯のお陰で確りと火が通っていたので助かった。

マリナーラはチーズを使っていないため、加熱されたトマトが持つフレッシュな酸味がダイレクトに味わえマルゲリータはトマトのフレッシュな酸味に負けないチーズ(お店のリーフレットによれば5ヶ月待ちでようやく手に入る逸品なのだとか)の濃厚な旨味も同時に味わえる。そして双方とも、石窯で薄く焼き上げられた生地が表面はパリッと中はモチッとした理想的な焼加減となっていてとても美味しい

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写真を撮りながら食べていたために不審者と思われた…わけでは無いようだが、スタッフの方がピッツァの食べ方を指導してくださった。上の写真のように上面を内側にして二つ折りにすると食べやすいとのこと。御丁寧にピッツァのピースを模(かたど)った厚紙まで使っての説明である。その厚紙には既に何度か二つ折りにした跡があったので、おそらく指導用に常備してあるのだろう。

ちなみにWebで調べたところ、この食べ方は本場イタリアでは「本のように」という意味のア・リブレット[a libretto]と呼ばれているそうだ。

注意点を挙げれば本場ナポリがそうであるように一枚で一人前という制約がある――要するに多人数で来店して一枚しかピッツァを注文しないのはNGだということ。また大きさ的には一枚で一人前はごく普通で納得はできるサイズであるが、このサイズでマルゲリータが1,700円という価格設定は強気の部類に入るのでは…とも思った。

とはいえ東京でもこれだけのピッツァはそうそう味わえない。その意味では仙台に訪れた折には試していただきたい逸品である。


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posted by 只今(橘カヲル) at 00:01| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:洋食 | 更新情報をチェックする
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