ガレット【仏:galette】とは元々「丸く平たく焼いたもの」を指す言葉。だから広義のガレットとは以下のようなものの総称になる。
・クレープ
・ガレット・デ・ロワ(パイ菓子の一種)
・ガレット・ブルトンヌ(焼き菓子の一種)
・ガレット・ドゥ・ポンム・ドゥ・テール(じゃがいもを潰すか千切りにして円形に焼いた物)
今回紹介したいガレットは上記の物とはまた異なり、独自の文化が色濃く残るフランス北西部ブルターニュ地方の郷土料理であるガレット・ドゥ・サラザン。痩せた土地でもよく育つ、そば粉を溶いて薄く焼き具を包んだ料理である。

ポポット (クレープ / 学芸大学駅)
前置きが長くなってしまったが、今回ご紹介するお店は学芸大学駅から徒歩7~8分、駒沢通り沿いに店を構える(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『ポポット』さん。そば粉のガレットとクレープの専門店である。

巨大な生ハムの塊や可愛い絵の書かれた小皿はまだしも、なぜかパンチングミット(ボクサーの練習相手が両手につけてボクサーのパンチを受けるもの)まで飾られている店内は、フランスというよりアメリカンなテイスト。開店直後に突撃したのだが、既に近隣の方とおぼしき皆様でほぼ満席状態だった。

卵とチーズ、ベーコンのガレット(1,050円)
待つことしばし、そば粉のガレットのご登場! クレープのような“くるくると巻いて包む”イメージで出来上がりを想像していると面食らうかもしれない。そば粉を溶いて薄く焼いたら具を載せ、四方を折りたたむようにして包んで完成となる。

中央部に割り入れられている卵がアクセント。焼いている途中で中央部分に落としこむのだ。

これをナイフで適当な大きさにカットしてフォークで食す。そば粉を使用しているが、その味わいは(言うまでもないかもしれないが)日本蕎麦や蕎麦掻きとは全く異なる。薄いパリッとした生地と、それに包まれたチーズとベーコンのコンビネーションは、寧ろイタリアンタイプのピザに近く、食習慣が洋風にシフトして久しい日本人には馴染み深いといっていい美味しさ。カットした部分を中央にある卵の黄身に付けて食べてもよい感じだ。
『ポポット』さんの注意点としては、駅から少し歩くこと、開店時間が昼の12:30からと少し遅めなこと、そしてペット同席可なので例えば近隣の方が犬の散歩ついでに立ち寄る可能性があるため、動物が苦手な人は気に留めておく必要があること、ぐらいか。
デザートクレープも充実しているので、食事だけでなくティータイムの利用にもよい。ひとつひとつは結構なボリュームなので、女性であれば複数で訪れて互いにシェアしても良いと思う。皆さまも一度訪れてみては?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
