
JR新横浜駅
夏期休暇シーズンの土曜日。交通機関は当然のように人で溢れかえり、まるで洪水のようだ。もっとも自分もその“洪水”を作り上げる手助けをしているのだが。
駅弁売り場も怒涛の如く黒山の人だかりであり、ノンビリと駅弁をチョイスする余裕が無かったので、旅のお供として

シウマイ御弁當(740円:税込)
定番中の定番、崎陽軒のシウマイ御弁當を選んだ。

21世紀の現在では極めて貴重となった経木のパッケージは、手にしたとき、そして包み紙を除けたときなどに仄かな木の香りを伝える。食材の匂いとは全く無関係の代物なのに、弁当への期待を膨らませるのはなぜだろう?単なるノスタルジーに過ぎないのかもしれないが、コンビニ弁当のプラスチック容器では永遠に真似できないはずだ。

フタを明けると、俵を敷き詰めた形を模して盛られたご飯が容器の下部に敷き詰められ、上部には崎陽軒自慢のシウマイ5個を始め、鶏の唐揚げ、厚焼き玉子、カマボコなどが陣取る。彩りもよく、様々な系統の味が楽しめることから、単に駅弁としてだけでなく、デパートの地下食料品売り場などでも当たり前のように売られている。
そういえば、いつだったか会社の同僚が昼食として同弁当を持参してきたが「駅弁なんか買ってきて、旅行にでもいってきたの?」とツッコミを入れた人は誰もいなかった。この弁当が駅弁という枠と越えて人々に支持されている一つの証明であろう。

「横浜名物を作りたい」という思いから生まれたという崎陽軒のシウマイ。例外はあるが、基本的に料理とは出来立てを食すもの。本来温かい状態で食べるべきシウマイを冷めても美味しく食べられるようにするには、そうとうな苦労があったはずだ。強烈ではないがジンワリと後を引く深い味わいに思わず笑みがこぼれる美味しさは、これだけ多彩な食材が氾濫するようになった現在でも見劣りすることはない。

あえて難点を挙げるとすれば、経木の容器にご飯粒が引っ付いてしまい、少々美観を損ねることか。しかし私見ではあるが、そうやって容器に引っ付いたご飯粒も残さず丁寧にこそぎ落として食べることが、日本人に「食べ物を粗末にしない」という精神を植えつける一つのキッカケになったのではないか…と、柄にも無く格調高く締めくくってみた(笑)。


JR京都駅
そんな思いを抱きながら弁当を平らげ、目的地の京都に到着!夏休み期間中はテレビ番組も特別編成となるように、当ブログも暫く特別編・京都スペシャルとなる予定です。まぁ根っからの行き当たりバッタリ人間なので、ニュース系の記事も書くと思いますが…。
こんな商品があることに驚いた