私も勤め先で、今日一日は本件に関する資料作成に終始する形になった。
米大統領にトランプ氏=初の公職・軍経験ゼロ-「第一主義」に転換へ
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016110900056&g=int
アメリカ国内のみならず世界的にも大いに注目を集めた米大統領選挙の投開票が行われ、共和党候補で不動産開発会社を経営する実業家、ドナルド・トランプ氏が当選した。史上初めての、政府や軍での職務経験がないアメリカ大統領となる。
下馬評では、元ファーストレディかつ前国務長官という華麗なる経歴を持ち、知名度も高いヒラリー・クリントン氏が女性初の米国大統領になると専らの評判だった。しかし蓋を開けてみれば、トランプ氏は共和党の支持基盤である中西部や南部の諸州はもとより、共和党・民主党の支持勢力が混在する激戦州(スイング・ステート)と言われるフロリダ、オハイオなどの支持も着実に獲得、選挙戦で勝利を納めた。
下馬評が覆った理由としては、私見ではあるが以下のような理由が挙げられると思う。
1.過激な発言を繰り返し色物候補扱いされたトランプ氏を支持していると公言しない(できない)「隠れトランプ支持者」が思いのほか多かった。
2.既成政治に不満を抱く人々の思いを代弁するような言動で彼らの支持を得た。
3.公務に私用メールを使っていた問題などを抱えるヒラリー氏の支持者は士気が上がらなかった。
4.メール問題などに反発するアンチヒラリー派の民主党支持者がトランプ氏の支持に回った。
ところで、トランプ氏は以下のような極端な公約を掲げており、故に方々で色物候補扱いされている。
・中国・日本を始めとするすべての輸入品に対して20%の関税をかける。
・大統領選に勝利・就任初日に、中国を「為替操作国」に認定する。
・中国のハッカーや模造品に対して規制を強化。
・中国からの輸入品には45%の関税。
・中国の冒険主義を思いとどまらせるために、東シナ海と南シナ海での米軍の存在感を高める。
・米国・ロシア間の協力を増やす。
・メキシコ国境では35%の輸入税を課す。
・メキシコとの国境に万里の長城を築き、不法移民を認めない。
・不法滞在者のメキシコ送金は押収し、メキシコ人の労働ビザや越境手数料を引き上げる。
・イスラム教徒は入国させない。
・シリア難民は受け入れない。
・イスラム国はやっつける。資金源である石油を爆撃。
・尋問について、米国法で禁じられている水責めなどの方法を支持。
・医療目的でのマリファナ合法化を許可する。
・連邦政府の支出の無駄を削る。
・米軍の規模と能力を拡充する。
・日本へは米軍による防衛費を要求する。年5,830億円全額だ。
・もちろん韓国も一緒だ。
・TPP(環太平洋経済連携協定)はゴミ箱へ放り込む。
・法人税の最高税率を35%から15%に引き下げ。
・年収2万5千ドル未満の単身世帯と年収5万ドル未満の夫婦世帯は所得税を免除する。
・税制簡素化、及び減税。
・相続税は排除。
・金持ちだけが利用できる税の抜け道を潰していく。
正直に言って、トランプ氏の熱烈な支持者でもこれらを全て実現できるなんて思ってないだろうなあ(苦笑)。
とはいえ公約した以上は出来る限り実現に漕ぎ着けないとならない。トランプ氏にとっては大きな『試練』となるが、
「2年前……わたしがこの国の大統領に就任した時…わたしの生まれ故郷で祝賀の晩餐会が開かれ……そこでその時だけ、殺されたばかりの子羊の生肉が出席者たちにふるまわれた……遠い祖先からの古い慣習 この人間世界の現実…新しい時代の幕開けの時には必ず立ち向かわなくてはならない『試練』がある 『試練』には必ず『戦い』があり『流される血』がある 『試練』は『強敵』であるほど良い… 試練は『供えもの』だ りっぱであるほど良い」
(by.ファニー・ヴァレンタイン:ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン より)
スティール・ボール・ラン モバイルスタンド D4C
トランプ氏の先輩にあたる第23代アメリカ合衆国大統領(注)、ファニー・ヴァレンタイン氏が述べたように、試練を立派な『供えもの』にしていただきたい。
米議会選、共和党が上下両院で過半数維持へ
(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/usa-election-congress-majority-idJPKBN1341GO
米州知事選、共和党が改選後も過半数維持の見通し
(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/north-carolina-gop-idJPKBN1340KD
ところで、同時に行われたアメリカの議会選挙や州知事戦でも、日米関係を(民主党よりは)重要視している(ように見える)共和党が勝利している。
よって一部にある、トランプ氏の勝利によって日米関係の悪化を懸念する声について、私はあまり心配していない。トランプ氏のような一見粗暴に見える人ほど、単純でわかりやすかったりもするし……。
注:実在した第23代大統領はベンジャミン・ハリソン
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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