2008年12月31日

学芸大学『みぞれ』の蕎麦は「手繰る」のではなく「食べる」もの

午前中、パソコンを遠隔操作して会社の業務をこなしたあと、大晦日でもあり「年越し蕎麦を食べよう!」と思い立った。「これは」と思った店を目指して向かってみたのだが、大晦日なので予約オンリーとのこと。失意のなか引き返していると…。

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みぞれ (越前おろしそば みぞれ) (そば / 学芸大学)


学芸大学駅まで徒歩数分の距離、東京東横線のガード沿いの道(詳しい場所は上部リンク先参照)で『越前おろしそば みぞれ』の看板を発見。現在の住まいが自由が丘である関係から二駅隣の学芸大学駅周辺にもよく訪れるのだが、ここに蕎麦屋があるとは気がつかなかった。“越前おろしそば”の謳い文句に誘われ、入店してみることに。

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店内の様子

店内は椅子席×6と四人掛けテーブル席×1という小規模店舗。和風テイストの赴きある店内にはムーディーな音楽BGMとして流れている。その良質な雰囲気に加えて入り口近くに石臼を発見したとき、自分は「これは良いお店を発見したかもしれないぞ」と心躍った。

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鬼おろしそば(950円:税込)

スタッフの方と他のお客さんとの会話によれば、この地に開店して一年ほどとのこと。そして福井県で蕎麦といえば太めの平打ちで、大根おろしを絡めて食べるのが一般的なのだとか。その話を小耳に挟んだため、細麺と太麺の選択で太麺を選んだ上で『鬼おろしそば』を注文してみた。

荒めにおろされた大根の白さが、玄蕎麦(黒い殻――果皮を被ったままの蕎麦の実のこと)を挽いた蕎麦粉で打たれたソバの黒さに映えて美しい。その他の薬味は小口切りにしたネギに刻み海苔、そしてカツオ節と、別皿に盛られた三つ葉に酢橘。なお写真だと蕎麦の量が少ないように感じるかもしれないが、これは両手で抱えるほどに大きい器を使っているため相対的にそう見えるだけであることを申し添えておく。

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出雲蕎麦のように、醤油ダレ(同店ではツユをタレとも称している)を蕎麦にかければ準備完了だ。

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口に入れた際の第一印象は「太麺にして正解だった!」である。荒くおろされた大根の辛味とシャキシャキした歯ごたえに対抗するには、蕎麦の自己主張も相応に強くなければならない。太い平打ち麺を咀嚼するたびに発せられる蕎麦の香りと味が、荒くおろされた大根とマッチして、互いに風味を引き立てあってとても美味しい。これは「食べる」ことを「手繰る」と表現するような細麺の蕎麦にはできない芸当である。

もちろん自分は「手繰る」タイプの蕎麦も大好きだが、こうした「食べる」タイプの蕎麦にも魅力を感じる。稲作に向かない土地でも栽培できたために人々の飢えを救う食物として重宝されてきたからこそ、全国各地に様々な蕎麦文化が花開いたのだ。それは優劣をつける類の問題ではなく、それぞれの魅力を楽しめば良いものだと思うからだ。

良いお店を発見できた喜びも手伝って、とても満足だった。福井の銘酒も取り揃え、夜は酒肴も用意されているようなので、皆様も足を運んでみてはいかが?


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2008年12月14日

『上野藪そば』で体験した、ある驚き

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JR上野駅

所用により上野までやってきたので、昼食も上野で取る事にした。上野界隈は優良な飲食店が多いので選択に迷ったのだが「最近、蕎麦を食べていないなぁ」と思い至ったので、こちらのお店に寄ることにした。

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上野藪そば (うえのやぶそば) (そば / 上野)


上野駅から徒歩数分、上野御徒町中央通りに店を構える(詳しい場所は上部リンク先を参照)『上野藪そば』さん。藪そばといえばルーツを江戸時代まで遡ることができる蕎麦の老舗。『かんだやぶそば』、『並木藪蕎麦』、『池の端藪蕎麦』の三店が通称“藪御三家”として名を馳せているが、『上野藪そば』さんは1892(明治25)年に同地で創業した御三家にも劣らぬ老舗である。

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写真左:店内2階の様子 写真右:メニュー

コアなランチタイムは過ぎた14時ごろの入店だったのだが、店内は1階席、2階席ともにほぼ満席状態。立地条件のよさを計算に入れたとしても、その盛況振りに改めて驚かされた。

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カレーせいろう(1,000円:税込)

今回の注文は、カレーせいろう。ありがちなメニューながら他店ではあまりお目にかかれないカレー南蛮の「冷たいおそば」バージョン。

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カレーが服に撥ねるのを防ぐためオリジナルのイラストが入った紙エプロンをつけてくれる細やかな心配りも嬉しい。

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漬け汁から漂うのは、カレーの香りと蕎麦ツユの香りが渾然一体となった郷愁を誘う「蕎麦屋のカレー」の香り。味そのものは一般的なカレー南蛮よりも蕎麦ツユのテイストが強く感じられる。藪系の蕎麦ツユは濃くて辛い(注:HotではなくSalty)のがセールスポイントなのだが、カレーという強烈な個性の中にあっても埋没しない自己主張の強さに驚いた。

この漬け汁に、これも藪系蕎麦のセールスポイントである細く、長く、角の立った冷たい蕎麦を漬けて食べると、カレー南蛮というハイカラなメニューなのに老舗の風格が感じられ、とても美味しい。蕎麦そのものの出来も非常によいのだが、注意点として、この漬け汁にドップリ浸してしまうと流石にカレーの味が勝ってしまうので、漬け汁には軽く絡める程度にしておいた方が蕎麦そのものの味も楽しめて良い。

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また、今回ちょっと驚いたのが漬け汁に入っていた鶏肉の味。一般的なお店のカレー南蛮に入っている肉は煮込みすぎて硬くなっているのが常だが、噛み締めるとシッカリとした弾力をもって応えてくれる。カレー南蛮の具の肉で、ちゃんと肉の味がして美味しいと感じたのは初めてだ…。

繁華街の只中にありながら良質な蕎麦が楽しめる『上野藪そば』さん。皆様も訪れてみては?


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2008年10月11日

中目黒『かすうどん 田中』さんでの、或るお楽しみ

「あぶらかす」といっても、大豆やアブラナなどの種子から油を搾り取った残滓を指す“油粕”ではない。ここで言う「あぶらかす」とは一般に“油かす”と書いて牛の小腸を時間をかけて油で揚げたものを指し、大阪の河内地方には掛けうどんの具としてこれを入れる“かすうどん”という郷土料理がある。

さて、なぜ唐突にこのような話をしたかというと…。

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かすうどん 田中 (たなか) (うどん / 中目黒、祐天寺)



その“かすうどん”を食べられるお店『かすうどん 田中』さんをご紹介したいと思ったからだ。駒沢通りを祐天寺方面に進んでいくと通り沿いにある(詳しい場所は上部リンク先を参照)ので場所的には分かりやすいのだが、駅からだと10分ほど歩くので注意されたし。

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店内の様子

店内はテーブル席の他に座敷席もある。これはアルコールも取り揃えてあり、うどん鍋をメインとした宴会も受けおっているから。また宴会も受け持つ関係からか、平日は27時(午前3時)、土日祝日は25時(午前1時)深夜まで営業しているのは有りがたい。

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かすうどん1玉(750円:税込)

宴会用メニューを別にすれば同店の通年基本メニューは“かすうどん”のみ。夏季は冷やしうどんが、冬季はカレーうどんがメニューに加わるが、実に潔いラインナップである。嬉しいのは、うどんは1玉から3玉まで同一料金であること。ただ初めて訪れた際は、大食漢の方でも余力を残して注文したほうが良いであろう。理由は後ほど述べる。

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薬味は擦り胡麻、唐辛子のほか、柚子胡椒とニンニクが用意されている。なお柚子胡椒とニンニクはどちらか一方の使用に留めておいたほうがベターであろう。これも理由は後ほど述べる。

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うどんは店内の製麺所で自家製麺しているそうだが、なるほど腰も強く喉越しも良い。またザラザラした表面が鰹節ベースの澄んだ関西風ダシを良く絡める。基本これだけで勝負しているだけあって、集客能力を持つ美味しさである。

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そしてこれが“油かす”。揚げ玉(天かす)と同様、和風ダシに不足しがちな油による旨味を加えるのはもちろん、外側がカリッとしているのに中はクニュクニュとした歯応えが心地よい。この歯応えは揚げ玉には無いもので、他店のうどんとの差別化に一役買っている。

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ご飯と梅干

ところで、麺を食べ終わっても同店にはまだお楽しみが残っている。その下準備として、まずは店員さんに声を掛けてご飯をもらおう。うどんを注文した人には声を掛ければ無料でご飯が出てくる(声を掛けなければ出てこないので注意!)。それを…。

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このように、残ったダシにご飯を入れて雑炊やお茶漬けのようにして食べるのだ。これがまたとても美味しい! 先ほど「大食漢の方でも余力を残して注文したほうが良い」としたのはこの楽しみがあるためだ。また、この楽しみのためにはダシもある程度残しておかねばならないのでペース配分には注意しよう。

またご飯をもらう際に副菜として梅干とキムチを選択できるのだが、薬味に柚子胡椒を使った人は梅干を、ニンニクを使った人はキムチを選ぶのが、味のバランスを考えればベターな選択である。

麺と油かす、そして雑炊で舌も胃も大満足の『かすうどん 田中』さんに、あなたも訪れてみては?


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posted by 只今(橘カヲル) at 10:49| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2008年08月14日

『長寿庵 かやば町』さんの胡麻切りせいろは、ちゃんと胡麻の味がする

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東京メトロ・茅場町駅

東京証券取引所の最寄り駅となる茅場町(かやばちょう)駅周辺は、証券会社のメッカでもある。お世辞にも観光地とは言いがたい土地柄であるため、同駅周辺の料理店を訪れるのは付近で働く証券マン――つまり“地元住民”が中心となる。

そのため生半可な料理店は淘汰されていってしまうのだが、そんな茅場町周辺において一世紀の永きに渡って支持され続ける名店がある。昨日、奇跡的に時間の都合がついたので訪れた。

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長寿庵 かやば町 (ちょうじゅあん) (割烹・小料理 / 茅場町)


永代通りと新大橋通りの交差点付近、茅場町駅の5番若しくは6番出口から目と鼻の先に店を構えるのが『長寿庵 かやば町』さん(詳しい場所は上部リンク先を参照)。創業は1907(明治40)年というから、文字通り一世紀以上この地で支持され続ける老舗蕎麦屋である。

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店舗は地下一階にあり、階段を下りれば忙しない地上とは全く異なる静寂な空間が待っている。

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店内の様子だが通常のテーブル席のほか、奥に座敷席もある(写真左)。日本の金融市場の最前線で働く証券マンたちが昼間の疲れを一杯やりながら癒すためのスペースなのだろう。事実、同店は他の多くの有名蕎麦店がそうであるように酒肴も充実している(写真右)。

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胡麻切りせいろ(850円:税込)

だが、同店の真骨頂はなんといっても確かな腕に裏打ちされた蕎麦の美味しさだ。写真は同店名物の胡麻切りせいろ。その名の如く黒胡麻が練りこまれた変わり蕎麦である。物の本によれば本来は夏限定のメニューだったのだが顧客の支持により定番メニューに昇格したのだとか。黒大理石のような美しい色合いに箸をつけるのも忘れて思わず見入ってしまう。

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だが意を決して蕎麦を手繰り、全体の三分の一ほどをツユにつけて口に運べば、繊細な蕎麦の味が心地よい喉越しと共に味わえる。そして喉を通る際に微かに漂う胡麻の味と香りが、とても瞬間的な出来事でしかないのにとても印象に残るのだ。

胡麻を練りこんでいるのだから胡麻の味がするのは或る意味当たり前なのだが、茶蕎麦や柚子蕎麦など、巷に溢れる変わり蕎麦で本当に練りこんだ素材の風味が感じられる蕎麦が果たしてどれだけあるだろうか? というより自分は初めて同店の胡麻切りせいろを食べるまで、変わり蕎麦は「食材が練りこまれているという雰囲気を味わうもの」だと解釈していたので、同店の胡麻切りせいろはとても衝撃的な逸品だったのだ。

もちろん胡麻の味が勝ちすぎればそれは蕎麦ではなくなる。「胡麻の風味が感じられる蕎麦」のラインをギリギリで守っているバランス感覚のよさが驚きなのである。

さて、この『長寿庵 かやば町』さん。惜しむらくは前述したように証券会社のメッカである茅場町に店を構えている関係で平日のみの営業なのだ。このため近隣にお勤めの方でなければ簡単に来店できないかもしれないが、ラストオーダーは21時なので仕事帰りに少し足を伸ばして来店してみてはいかが?


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2008年07月07日

虎ノ門『そば処港屋』さんの強い個性に隠された真実とは

帰宅途中に寄り道をすることにした。仕事帰りの疲れた身体にムチを打ち、足早に目的地へと向かう。お目当てのお店が平日のみの営業であるうえ、売り切れ仕舞いの人気店であったからだ。

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そば処港屋 (そばどころ・みなとや)

こちら『そば処港屋』さん。東京メトロ虎ノ門駅から歩くこと10分ほどのところにある(詳しい場所は上部リンク先を参照)評判の蕎麦屋である。暖簾が掲げられた和風の店構えが一般的な蕎麦屋の型を破る黒塗りの無骨な外観のため、入り口付近に添えられた小さな明かりに気づかなければ危うく素通りしてしまう

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店内の様子

外見も型破りなら、内装も型破り。外見同様、黒を基調とした落ち着いた色合いの店内は、店内中央に大きな四角い石造りのテーブルが据え付けられた立食スタイルとなっている。察するに、もともと立ち飲み形式のバーか何かだった店舗を改装して使っているのではないか。だとすれば、外界へのアピールを拒絶するかのような外観にも納得がいく。

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冷たい肉そば(850円:税込)

今回注文したのは、同店でも人気のメニューである冷たい肉そば。水で〆られた太目で色黒の蕎麦が丼に盛られ、その上から甘辛いタレで煮込んで味をつけた熱々の薄切り肉を乗せ、更にゴマとネギと海苔も乗っているという大盤振る舞い。通常サイズでもかなり盛りがよく、自分は思わず「これで普通盛りなんですよね?」とお店のスタッフの方に尋ねたほどである。

また漬け汁もユニーク。醤油ベースではあるがラー油が入ったピリ辛の味付けで、蕎麦の麺ツユというよりラーメン屋で饗されるつけ麺のタレといわれるほうが納得できる。

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蕎麦は太目の上に噛み応えがあり、更科系の蕎麦のごとく手早く啜り込んで喉越しを楽しむタイプとは対極に位置している。シャキッと冷えたこの蕎麦と、シッカリと味のついたホカホカの肉片は双方の個性が強すぎて味のバランスが崩壊しそうだが、双方の個性の強さを、これもひとかどならぬ個性を持つピリ辛のつけダレが取り持つことで、一般的な蕎麦屋では味わえない力強い旨さの調和が生まれ、とても美味しくいただける。

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味の個性が強い上に量があるので、もしかすると食べているうちに飽きがくるかもしれない。そんなときは上の写真のようにタマゴをつけダレに投入するといい。味に変化がつく。というより、このメニューに生卵がディフォルト(初期状態)から添えられているのは、おそらくそうしたニーズを見越した上でのことだ。

味の個性の強さと量の多さ、これらがもたらすデメリットを把握し、それをフォローする意味で生卵を添える…この『冷たい肉そば』が単に奇をてらっただけではない、味に対する計算を踏まえた一品であることが垣間見える。また、奇抜なメニューなのに味に纏まりがあるのは、『そば処港屋』さんが単なるキワモノ料理店ではなく、味の基本をきちんと抑えた上で敢えて変化をつけるという手法を取れるグレードの高い料理店の証明ではないだろうか。

売り切れ仕舞いの上に平日のみの営業なので、同店の近隣にお勤めの方でなければ気軽に訪れるは難しいかもしれないが、もし機会に恵まれた際は、ぜひお立ち寄りいただきたい。


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ラベル:虎ノ門 蕎麦
posted by 只今(橘カヲル) at 21:32| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2008年05月03日

小田原『寿庵』さんの宿場そばは費用対効果の高い逸品

過日、久しぶりに小田原まで足を伸ばしたが、あいにくと雨に祟られてしまった。雨宿りを兼ねて、少々早めの夕食をとることに。

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選んだのは、こちら『寿庵』(ことぶきあん)さん。中に入るのは今回が初めてだが、その古風な佇まいが東京の伝統ある老舗蕎麦屋の趣にも似ているので、気になっていたお店だったのだ。

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店内の様子

内装も外見同様、まるで大正時代を彷彿させるかのような風情ある空間。個人的には、天井が高いので圧迫感が感じられないところが嬉しい。なんでも小田原駅が開業した1920(大正9)年の創業とのことで「まるで…」ではなく、本当に大正からの歴史を受け継いできたお店なのだ。

さて、席について注文を出そうとメニューリスト――というより“お品書き”という言い方が似合っている――を見た。初訪のお店では何を選ぶかもポイントだと自分は思っているのだが、一番始めのページにあった、このメニューに心を奪われてしまった。


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写真では分かりにくいかもしれないので、メニュー…じゃなくて、お品書きに書かれていた文言を以下に記す(枠内部分)。

宿場そば ~小田原宿~ 1600円
江戸時代より、江戸から京都まで旅人の歩んだ東海道。その街道筋で、九つ目の宿場として栄えたのが、ここ小田原です。
『天下の険』として名高い箱根を越える前に、数多くの旅人が、この小田原で足を休めたものでした。
この「九つ目の宿場」にちなみ、寿庵ではオリジナルの「宿場そば」をお客様に自信を持ってお勧めいたします。そして、それぞれの椀で、異なった味覚を楽しみ頂けることと思います。
この新たな趣向が、皆様の五感を楽しませ、ご満足頂けるよう願っております。

ううむ、自分にとって1,600円というのは値が張る。正直オーダーするかどうか迷った。しかしお品書きの先頭に載せるぐらいなのだから同店一押しの逸品なのだろうと判断し、腹の底から勇気を振り絞って(注:大げさな表現)オーダーすることに。

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宿場そば(1,600円:税込)

運ばれてきたのがこちらである。大振りの湯呑茶碗ほどの大きさの椀が九つ用意され、それぞれ七分目ほどまで蕎麦が盛られている。

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椀には小田原城の天守閣にも負けぬほどに屹立する海老天を筆頭に、トロロ、山菜、椎茸と錦糸玉子、大根おろし等々、それぞれ異なる薬味や具が乗せられており、徳利に入っている蕎麦ツユを出雲蕎麦のように蕎麦に直接かけて食べる。

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蕎麦自体の味も都内の有名店と比べても遜色ない出来で美味しくいただける上に、味のバリエーションが多彩なため、全体的な量が大目(大振りの湯呑茶碗七分目まで盛られた蕎麦×9+天麩羅などの具)であるにも関わらず、最後まで飽きずに食べられる。1,600円という値段もコストパフォーマンスという観点からすれば寧ろお得ですらある。都内の有名店なら50%増しぐらいの値段設定になるのではないか。

店の看板メニューがこの出来なら、他の一般的な蕎麦のメニューや丼物も高評価に値するであろうと判断。今度小田原に訪れる機会があれば、再訪しようと心にきめた。皆様も小田原にお越しの際には、お立ち寄りされてはいかが?


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ラベル:蕎麦 小田原
posted by 只今(橘カヲル) at 23:59| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2008年05月01日

箱根は芦ノ湖畔『絹引の里』さんで食す、名物の絹引きうどん

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芦ノ湖と箱根神社一の鳥居

小田原に来たついでに、路線バスに一時間ほど揺られ芦ノ湖まで遠征した。ある目的があったからである。

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箱根神社

箱根神社でお参りを済ませると、早々に向かった先、それは…。

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芦ノ湖の湖畔に居を構える食事所『絹引の里』(きぬひきのさと)さんである。箱根神社一の鳥居や箱根観光船元箱根港――“海賊船”の乗り場である――を目印にするとよい(詳しい場所は上部リンク先を参照)。

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店内の様子

店内は蕎麦やうどんをメインとするお店としてはベーシックな和風の佇まい。普段は落ち着いたムードなのだが、団体客がやってくると騒がしくなるのは観光地で営む料理屋の宿命か。

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絹引せいろ(1,050円:税込)

お目当ては、この絹引せいろ。

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写真に写っている黒い斑点や、その細さを見ると蕎麦のようだが、実はこれ、うどんである。おそらく初めて注文した客から「蕎麦じゃなくてうどんを頼んだんだけど」と言われることが多いのだろう、配膳の際に店員さんが「こちら、うどんになります」と断りを述べる。

この絹引うどん、店先の立て看板などによれば焼炭で灰汁を抜いた黒ゴボウの汁が含まれているそうで、黒い斑点はその影響を受けているのである。

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絹引とは上手く名づけたもので、その喉越したるや絹のごとく極めて滑らかで快感ですらある。また混入している黒ゴボウ汁の功徳か歯ごたえがとてもシコシコしており、これも楽しい。このように個性あふれる麺のためか、つけ汁もそれに負けじとカツオのダシが強めに利いた個性が強いものとなっているし、薬味もネギと共にミョウガが採用されている。

他ではちょっと味わえない美味、絹引きうどん。芦ノ湖観光の折には、ぜひお試しあれ。


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2007年12月29日

旧知の友のごとき、変わらぬ魅力を持つ蕎麦屋、『渡邊』さん

自分も、既に齢を重ねて三十代半ばとなった。昔から贔屓にしていた料理店も数多くあったのだが、残念ながら自分の好みとは乖離してしてしまい、足が遠のいてしまっている店もある。その一方で、変わらぬ味を提供し続けている店もあり、未だ頻繁に訪れる店もある。それはまるで旧知の友のように、ありがたいものだ。今日は、そんな一件をご紹介したい。

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場所は新宿駅西口、新宿郵便局の傍(詳しい場所は上部リンク先を参照)にある『渡邊』さん。日本中の…いや世界中の食が集まっているといっても言いすぎではない新宿界隈において、意外に貴重な手打ち蕎麦の店である。

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店内の様子

店内は奥行きがあり、外見から受ける印象よりもキャパシティは大きい。

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店内にある蕎麦打ち実演スペース(写真左)と製粉用の石臼(写真右:赤い楕円内)

新宿駅から徒歩数分という交通至便な場所で本格的な石臼引きの蕎麦が楽しめるとあって、店内は常に賑わっている。

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そば三昧(1,200円:税込)

自分は『渡邊』さんに訪れると、同店が大盛りメニューに対応していない関係で、セイロ盛りの蕎麦を二段重ねた『重ねせいろ』(850円:税込)というメニューを頼むのが常である。しかし今回は、今年最後の来訪ということもあり、少々奮発して『そば三昧』を注文。

三つに区切られた細長いセイロには、上に何もかかっていないものと、海苔やカツオブシがかかっている蕎麦がそれぞれ盛られている。それをオーソドックスにソバツユで食べたり、あるいはトロロと共に食べたりするという、様々な蕎麦の味わい方が楽しめるお得なメニューである。

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これは、『渡邊』さんの蕎麦が単にコシがあって喉越しが良いだけでなく、海苔やカツオブシやトロロと共に食べても自己主張を失わない蕎麦自体の旨さがチャンと有るからこそ成り立つメニューであるともいえる。

そして同店の特筆すべき店は、冒頭にも書いたが、かれこれ二十年近く通っているにも関わらず、変わらぬ味を提供し続けてくれているところである。安心してオススメできる一件といえるだろう。


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ラベル:新宿 蕎麦
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2007年08月25日

京都『山元麺蔵』さんで見つけた魂の言葉

一昔前は、「関東は蕎麦文化、関西はうどん文化」という言葉をよく聞いた。だが讃岐うどんブームによって関東でも薄口醤油を使った色の薄いツユのうどんを饗する店が増え、関東にも関西風うどんの味を嗜む人が増えた結果、この境界線はあまり意味を成さなくなってきているような気がする。

とはいうものの、関東人の自分にとって「関西がうどん文化の本家である」という意識に変わりはなく、過日の京都旅行の際も本場関西のうどんを楽しんできた。今日ご紹介するのは、京都のうどん屋さんである。

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平安神宮

1895年(明治28年)、平安遷都1100年を記念して創建された“千年王城”京都では極めて新しい神社である平安神宮から程近くに店を構える、

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(写真左:外観 写真右:店内)

『山元麺蔵』さん(詳しい場所は上部リンク先を参照)。黒を基調にし、照明を控えめにした店内はうどん屋というよりアルコールを提供するバーのようなイメージもある。写真を見ればご理解いただけるかもしれないが決して大規模な店舗ではない。しかし時に営業時間前に麺が売り切れてしまい店を閉めてしまうことから考えても支持者は多いと思われる。実は自分も一度それで撤退を余儀なくされている。

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梅とオクラのざるうどん(785円:税込)

今回注文したのは、季節限定メニューの『梅とオクラのざるうどん』。

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冷水で締められたうどんは艶やかな光沢を放ち、食べるものを誘惑しているかのようだ。

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このうどんを、練り梅とオクラをを具にした漬け汁につけて食す。漬け汁は関西圏らしい薄口タイプ。

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麺は若干柔らかめに調製されているが、決してコシが無いわけではない。寧ろキチンと弾力はあるがスンナリと歯で噛み切れる絶妙な調製であるといえよう。さらに梅の爽やかな酸味と、オクラのとろみが漬け汁を通して麺に絡み、喉越しの良さと後口のすがすがしさを演出する。なるほど、営業時間終了前に売り切れるわけだ

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完食!

酷暑で辟易していたこともあり、あっという間に平らげてしまった。シンプルな構成のメニューではあったが、それゆえ作り手の自信と意気込みが伺えた。再訪の機会があれば、今度は種物を食してみたいと思う。

そうそう、作り手の自信と意気込みといえば、それを表す(?)こんな張り紙が店内にある。面白かったので最後に皆さまにもご紹介したい。

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「男たる者、麺を残すな名を残せ!!」

麺を残さないことと名を残すことに何の関係があるのだろう…」などと冷静に分析してはイケナイ(笑)。これは頭で考えるのではなく、魂で感じとる類の言葉である。


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2007年07月30日

自由が丘『山久』さんで初体験。梅塩で食べる蕎麦の味。

食べなれているものでも、まったく違った味の可能性というものがある。それを知った時の喜びはひとしおである。今日は皆様にそんな経験ができる店をご紹介したい。

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自由が丘駅から徒歩数分。自由通りと九品仏川緑道の交差点付近に店を構える(詳しい場所は上部リンクを参照)『山久』(さんきゅう)さん。自由が丘という注目される地区に店を構えながらあまり雑誌などに露出しないが、本格的な手打ち蕎麦を食べさせてくれることで知られる。

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昼はお得感いっぱいのランチメニュー(1,100円:税込)が大人気。蕎麦よりも若干早いタイミングで、まずは料理膳のご登場。お稲荷さん(2個)は固定メニューだが、その他はその時々によって変化する。

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お稲荷さんは蕎麦と共に食べることを考慮してか、一般のイナリ寿司のような、くどく甘辛い味付けにはしておらず、サクサクと食べられる。これに三品の料理と甘味がつくのだが、本日は以下のとおりだった。

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食感を考慮してか糸こんにゃくやナルトの輪切りも入ったヒジキと豆の煮物は、よく味がしみている。

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ゴマ豆腐の包み揚げは、揚げたてでパリパリの皮を前歯で噛み千切ると中からアツアツでトロリとしたゴマ豆腐が舌に触れる。熱を加えることでゴマ豆腐の味が活性化しており、これだけで単品料理として成立するほど。

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こちらは酢の物。酢の香りが勝ちすぎて鼻にツンツンするようなこともない、上出来の品。

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さて、これらをつまんでいると程なく運ばれてくるのがメインディッシュの蕎麦(写真左)。配膳してくれた店員さんがおもむろに「ソバツユでも梅塩(うめじお)でも召し上がれますので、お試しください」とアドバイスをくれる。初めて同店に訪れた際は思わず「梅塩?」と聞き返してしまったが、梅塩とは梅の実を塩漬けして梅干を作るときに出る梅酢に含まれる塩を再結晶化させたもの。 薬味として卓上におかれている(写真右)。

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写真ではちょっと分かりづらいかもしれないが、少量の梅塩を蕎麦の上に乗せて食す。蕎麦自体の出来も湯掻き立てのため歯応え、喉越し共に良好で美味しいのだが、梅塩が加わることで蕎麦自体の味がとてもよく分かるようになるのだ。よく蕎麦通の人が「蕎麦の味を確かめるには、何もつけないで蕎麦だけを食べるべし」といった趣旨の話をしているが、その意味がよく分かる食べ方であろう。

写真映えを考えればもっと大量に盛るべきだったのかもしれないが、なにしろ梅塩はクエン酸を始めとする梅のエキスがタップリ含まれているので、少量でもかなり酸っぱいのだ。酸味を感じるか感じないかぐらいのギリギリの量ぐらいが、蕎麦の味とも干渉しないで丁度いい。

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また濃い目に作られたソバツユも上出来で、蕎麦とベストマッチング。蕎麦を食べ終えた後は、これも濃い目でトロリとした蕎麦湯で割って飲むと「蕎麦を食べたなぁ」という満足感で心が満たされる。

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本日の甘味は、ずんだ(枝豆を擂り潰して作る餡)がかかった白玉。これを〆に食べれば、充実したひと時を過ごせた感謝の念と共に店を後にできることうけあい。店員さんの応対も心地よいため、店は常に満員。ランチタイムは11時30分から14時00分までとなっているが、13時を過ぎると順番待ちの人もいる関係からオーダーストップになることもしばしば早めの来店がお薦めだ。


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2007年07月23日

『ゆるうどん』のゆるさの正体見たり!

今年の夏はコレ! 「明星ゆるうどん」
Excite Bit コネタ

消費者のニーズを捉えようと、次から次へと新商品が発売されるのが世の習い。一人暮らしの強い見方、カップ麺市場も例外ではない。今日の夕食は、上の記事で紹介されていた『明星ゆるうどん』。なんでも本日発売されたばかりだとか。早速、当ブログ恒例の(?)実食体験記と相成った。

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明星ゆるうどん(200円:税込)

なんとも不規則にならんだ『ゆるうどん』の文字が見るものの心を和ませるのが目立つ程度で、外見上はごく普通のカップうどん。さて、なにが「ゆるい」というのか?

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一般的なカップうどんより麺が細めのように思える。夏の商品ということで、食べ応えよりも喉越しを重視したのではないだろうか。そこにオクラやメカブなどの乾燥加薬を加え、

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湯を入れて待つこと5分。粉末状のとろろ昆布などが入った後のせ加薬を入れて出来上がり。

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『ゆるうどん』というネーミングを聞いたときは、三重県は伊勢地方の名物、伊勢うどんのようにブワブワした緩い歯応えのうどんを想像していたのだが、麺を一本口に含んで咀嚼してみるとモッチリとしており、はっきりとコシがあるのが分かる一般的なインスタント麺は油で揚げて乾燥させているのだが、これは熱風をあて乾燥させるノンフライ麺。油で揚げていない分だけ出来上がりは乾麺を茹でた感じに近くなるためだろう。

まぁそれはさておき「美味しいけど、これでは何が『ゆるうどん』なのか分からないなぁ。もしかするとネーミングで雰囲気を出しただけかも…」と思いつつ麺をすすりこんだとき気がついた。

「あっ、もしかして、このヌメヌメ感のことか!」

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そう、このカップうどんには、写真のオクラを始め、とろろ昆布やメカブといったネバネバ、ヌメヌメとする食材が多い。これがカツオだしベースの後口がすっきりしたスープに溶け出し、麺を覆うことで麺の喉越しがヌルヌルとなり、緩やかに嚥下されていく。これが「ゆるうどん」の緩さの正体だったというわけだ。

このヌルヌル感のため、素早くすすりこめる『明星ゆるうどん』は、夏の暑いときは勿論、時間の無いときにサッとすすりこむのに便利。また後口が重くないので他の食べ物――例えばコンビニ弁当やおにぎり――を食べる際の汁物とする手もある。あなたもこの夏、お一ついかが?


カップ麺には無くてはならない。
posted by 只今(橘カヲル) at 23:58| 東京 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2007年07月16日

『カレーうどん 千吉』さんで味わう、観念から踏み出した旨さ

仕事の都合で、午前中はずっと自宅待機となった。それが解除になったので「台風も通過し、ようやく晴れ間も見えたことだし…」ということで、食事に出ることにした。“取材”にいきたい店は数多いのだが、今日は出立が遅かったので近場の名店に足を運んだ。

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自分の住まいのある自由が丘駅から程近く、東急大井町線の九品仏駅よりにある踏切からほど近くに店を構える(詳しい場所は上部リンク先を参照)『カレーうどん 千吉(せんきち)』さん。「名は体を現す」の喩えどおり、カレーうどん専門店という珍しい業態をとっている。

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店内(二階席)の様子

一見、建坪は小さいようだが、二階席もあるのでキャパシティは結構ある。

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紙製の前掛け

カレーうどん専門店ということで、カレーが服につかないように紙製の前掛けが用意されている。こうした心配りもチェックポイントの一つである。

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つけざる黒カレーうどん(小ご飯つきで780円:税込+めん大盛り150円:税込)

カレーうどんは全品、オーソドックスな種物タイプ冷たい麺を温かい浸けダレに絡めて食べるタイプチョイスできる。今回注文したのは後者である、つけざるタイプ。また黒カレーとは、当店のノーマルな甘辛いカレーうどんルゥとは違い、ローストピーナッツとブイヨンでコクをつけた(店内チラシより引用)という薫り高く、また甘みが抑えられた大人向けテイストの一品。

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ココナッツミルク

お好みだが、付属のココナッツミルクをルゥに入れると逆にルゥのスパイシーさが一層引き立つのが面白い。スイカに塩を少々振り掛けると逆に甘みが増したように感じるが、それと同じ理屈だろうか

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肝心のうどんだが、太目の平麺になっているのはカレールゥがよく絡むようにとの配慮だろう。この形状は、また喉越しのよさも生み出している。そして食感は非常にモッチリしており、柔らかいのだが歯応えもあるという理想形。カレールゥという個性の強い浸けダレに負けていない。

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さて、ここのカレーうどんには、終わったあとも楽しみがある。写真のようにご飯の上にカレールゥをかけて…。

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このようにカレーかけご飯(カレー雑炊?)のようにして食すのだ。これがまた絶品なのである。こんなことをすると「行儀が悪い…」という声が聞こえてきそうだが、

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店内メニュー

メニューの最後に「千吉流、お薦め ご飯の召し上がり方」として紹介されている(正確には残った汁にご飯を入れてみるよう薦めている)ので、遠慮なくお試しいただきたい。確かに少々行儀が悪いかもしれないが、そうした観念から一歩足を踏み出さないと得られない旨さもあるのだ。


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posted by 只今(橘カヲル) at 13:57| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2007年06月02日

『そばバリュー』さんが提供する、蕎麦の新たな可能性

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東急線・二子玉川駅

今日は、住まいのある自由が丘から程近い二子玉川にやってきた。「ニコタマ」の愛称でお馴染みとなっているこの街は、玉川高島屋を中心とする高級ショッピングセンターが立ち並ぶ、老若男女に人気のエリア。住みたい街ランキングの上位常連となっている。そんな街から、今日は一軒のお店をご紹介したい。

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それは玉川高島屋の裏手(詳しい場所は上のリンク先参照)にある蕎麦屋さんで、店名は『そばバリュー(SobaValue)』。「ニコタマにある蕎麦屋なんて、敷居が高そう…」と感じたあなたも、この珍妙な店名と、

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さらに珍妙なこの当て字を見て、安心感を覚えるはず(笑)。

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店内の様子

店内の雰囲気は、蕎麦屋というよりモダンな喫茶店といった趣で、くつろげる。このシャレた感じはニコタマ的といえるかもしれないが、高級な和風ムードを前面に押し出し、誤解を恐れずにいえば堅苦しさを演出することの多い蕎麦屋にしては“異様”である。まぁ“異様”を口にするなら『そばバリュー』という店名そのものが既に“異様”である。そして『そばバリュー』さんの“異様”を象徴するメニューが、

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冷やし油そば(819円:税込)

この『冷やし油そば』である。ラーメンのバリエーションの一つに、丼の底に僅かに入った醤油やラードの入った濃い味のタレと麺をよく絡めて食べる『油そば』があるが、それにヒントを得て考案されたものであろうか?

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写真では分かりにくいかもしれないが、この『冷やし油そば』には蕎麦の下にゴマ油をベースにしていると思われるタレが入っている(赤い○の部分)。その他に入っているのは鴨肉のローストと茹でた青菜、そして少量のモミジオロシとネギ。比較的シンプルな構成といえるだろう。

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よく掻き混ぜてから食べる。油も、辛味も、でしゃばり過ぎない実に精妙なバランスで蕎麦にコクと味を与え、主役である蕎麦の味を存分に引き立てており、美味しい。また油や辛味といった、蕎麦の風味を殺してしまうのでは、と思われがちな味付けにも関わらず蕎麦の味がこれだけ引き立っているのは、蕎麦自体の味・喉越し・歯応えが非常に高レベルである証左であろう。一見、異様さにばかり目を奪われてしまうが『そばバリュー』さんが実力のある蕎麦屋であることは疑いなく、『冷やし油そば』も奇をてらっただけのメニューではないということである。

今まで体験したことの無い、蕎麦の新たな可能性を実感できる『そばバリュー』さん。「こんな蕎麦の食べ方があったのか…」と、蕎麦についての既成概念が打ち砕かれること請け合いである。是非、実際に体験してみて欲しい。


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ラベル:二子玉川 蕎麦
posted by 只今(橘カヲル) at 22:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2007年04月29日

『常盤軒』さんが我々を信頼している証のメニュー

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JR品川駅構内

エキナカという言葉ができたように、最近は駅構内の商業施設が盛況だ。しかし駅構内の商業施設として忘れてはならないのが立ち食いそば屋。皆様も通勤・通学の際にお世話になったことがあるのではないか。ちなみに自分は立ち食いそば屋のそばとチャンとした手打ちの蕎麦は別の食べ物と感じられる便利な舌の持ち主なので、立ち食いそばも美味しく食べられる(笑)。

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さて本題に入ろう。本日紹介したいお店はJR品川駅の11・12番線(東海道線下り)ホームの一番東京寄りに位置する、

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立ち食いそばの『常盤軒』(ときわけん)さん。品川駅構内には何店舗か立ち食いそば屋があるのだが、このホームのそれは他店とは一線を画している

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その理由は、この「お好みそば・うどん」というメニュー。これはなんと、

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初期状態では具の入っていない汁そば・うどん、もしくは冷やしそば・うどんに店内に用意されている天カス・チクワ天スライス・油揚げ・ワカメ・ネギ・花カツオ(削り節)・焼きサンマ・ゴボウ天・コーンといった多彩なトッピングを好きなだけ加えることができるという、感涙必至の逸品なのだ!しかも生orゆで卵も一つサービスで入れてくれるというのだから、嬉しいじゃありませんか。わずか380円(税込)でこれほどまで贅沢な気分になれる食べ物は、そうそう有りませんぞ。

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ところで、この店を利用するに当たって心に留めておいて欲しいことがある。それは、いくらトッピング入れ放題だからといって食べ切れないほど入れるのはマナー違反だということだ。自分が学生時代、学校の近所にあった立ち食いそば屋でネギ入れ放題のサービスが行われていたしかしごく一部の心無い人たちが食べきれるはずの無い量のネギをワザと入れ、ワザと残すという行為を単なる仲間内でのウケ狙いのために繰り返したため、その店ではネギ入れ放題のサービスを取りやめてしまったのだ…。

『常盤軒』さんがこうしたサービスを行っているのは、我々利用客の常識と良識を信頼しているから。その想いに感謝し、この「お好みそば・うどん」を謹んで食したい。


時間の無いとき、懐が寂しいとき、お世話になるのが立ち食いそば屋。
posted by 只今(橘カヲル) at 07:47| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2007年04月15日

ビジネス街で本格的な蕎麦が食べられる、新橋『本陣房』

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JR新橋駅

JR新橋駅周辺は日本橋・銀座と並び称される、東京を代表する繁華街・ビジネス街。サラリーマンの町として有名であり、テレビ番組の街頭インタビューでサラリーマンの男性に話を聞いている映像が出てきたら、大概はこの新橋駅周辺での撮影である。そんな新橋には一押しのグルメスポットも多く、今日はその中からのご紹介となる。

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新橋駅烏森口から徒歩数分。周辺の喧騒を抜けた路地裏の地下一階にある『本陣房』(ほんじんぼう)さん(詳しい場所は上のリンクを参照して欲しい)。業態としては蕎麦屋なのだが、サラリーマンの街・新橋に店を構えていることから、天麩羅に代表される種物(汁ソバ・汁うどん類に卵・肉・天ぷらなどの入っているもの)の“種”を肴に酒を飲む店、というニュアンスが強い店である。だが本来の主役である蕎麦も決して疎かにしていない。というよりも、非常に完成度が高い


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今回注文したのは二色もり(1,150円:税込)。その名の通り柚子を蕎麦に練りこんだ柚子蕎麦と、蕎麦の実から穀を取り除いた丸抜きを甘皮もろとも挽き込んだ『挽きぐるみ』を使った田舎蕎麦のセットである。まずはご覧のとおり蕎麦ツユと薬味が運ばれてくる。薬味はネギと本ワサビと辛味大根のおろし

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暫く待つと、まずは柚子蕎麦のご到着。徳利から猪口に蕎麦ツユを注ぎ、それに蕎麦をつけて口中に啜り込めば、蕎麦の旨味と共にホンノリ漂う柚子の香りが鼻腔をくすぐる。柚子蕎麦なのだがら柚子の香りがするのは当たり前なのだが、柚子の香りが強すぎると柚子“蕎麦”にはならないし、かといって柚子の香りが全くしないなら“柚子”蕎麦ではない簡単なようで実に難しい仕事が施されており、実に美味しい

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そして若干遅めのタイミングで運ばれてくるのが田舎蕎麦。並みの店で二色もりなど注文したら仕切りで区切られた重箱かなにかの容器で二種類の蕎麦を一度に出すところだが、この店では客が最初の蕎麦をある程度消化した段階で運んでくる気づきにくいが、蕎麦の味を少しでも劣化させないための工夫なのだろう。そんな細やかな心配りがされた蕎麦である。味にも抜かりはない。少し太めに切られた田舎蕎麦は、蕎麦好きにはたまらない力強い味と歯応え、そして喉越しを食べる人に提供してくれる。

なお「蕎麦で1,150円はお高い」と思われるかもしれないが、柚子蕎麦も田舎蕎麦も応分に量があるので、実質600円弱の盛り蕎麦を二枚注文したようなものそう考えればコストパフォーマンスもよく、この点でもオススメのお店である。


蕎麦屋で単品で天麩羅を注文することを「天抜き」(天麩羅蕎麦の蕎麦抜き、の意)と言ったりする。
posted by 只今(橘カヲル) at 19:15| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2006年09月16日

名は体を現す『肉そば・肉うどんの店 南天』

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椎名町駅

西武池袋線・椎名町(しいなまち)駅。「池袋駅の隣にあって…」と長々説明するより、手塚治虫先生・石ノ森章太郎先生・赤塚不二夫先生・藤子不二雄先生ら、その名を書き連ねるだけで大粒の涙がとめどなく溢れる日本漫画界の至宝たる皆様方が青春時代を送ったアパート『トキワ荘』があった町と紹介するに限るだろう。

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肉そば・肉うどんの店 南天

その椎名町駅北口を出るとすぐの場所にあるのが、この『肉そば・肉うどんの店 南天』さん。一見、どこにでもある立ち食いそばの店なのだが、食事時になると大勢のお客さんが押し寄せる。皆のお目当ては、

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肉そば 390円

店名にも冠している、この肉そば(肉うどん)である。とにかく“肉”そばの名前に偽りは無く、ごらんのように煮豚が麺の上に「これでもか!」といわんばかりに盛られている

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なにしろ、肉を避けて麺のみを掴むのが至難の業なのだ。この豚肉は麺ツユの中に漬け込まれているので、麺と共に口に入れても味の調和が保たれているのが非常に嬉しい。

ただ豚肉を麺ツユに漬け込んでいるということは、裏を返せば麺ツユには豚の味が濃厚に出てしまっているので、人によっては「これは麺ツユじゃ無い。醤油味の豚汁だ」と感じても不思議ではない。また麺は「立ち食いそばの麺」といって一般的に思い起こされる、あのモッタリモッサリとした代物なので、最近ブームの讃岐うどんに感化され「コシ至上主義」となった人には批判の対象となってしまうかもしれない。

しかし自分は、普通の蕎麦・うどん立ち食いそば・うどん別の食べ物という認識なので、どちらも平然と受け入れられる。うーん、我ながら便利な舌だ(笑)。

この店、他にも

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卓上の天カス

天カスが無料だったり、朝10時までは玉子を一個無料で入れてくれたり、お代わりは種類に関わらず一杯200円均一で提供したり(大盛のオーダーに応じられない代替)と有り難いサービスを各種提供している。なるほど、これは利用者が引きも切らないわけだ。


知らない人へ。これが『トキワ荘』だ!
posted by 只今(橘カヲル) at 19:46| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2006年08月20日

讃岐うどんブームの仕掛け人がプロデュースした『東京麺通団』

皆様は『麺通団』をご存知だろうか? 

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『麺通団』公式ウェブサイト

『麺通団』は知らなくても『恐るべきさぬきうどん』というタイトルの本はご存知の方も多いだろう。そう、この本を手にワザワザ香川県外から讃岐うどんを食べに来る人が続出し、また香川県内に多く見られるセルフサービス形式のうどん店舗を乱立させるキッカケとなった、讃岐うどんブームの起爆剤となった本である。単に業態を真似ただけ、といった店が淘汰された現在、讃岐うどんブームは落ち着いたが、讃岐うどんを題材にした映画『UDON』が今週末より公開予定でもあるそうだし、下火になったのではなく、定着したと見るべきか。

それはさておき『麺通団』は食べ歩きだけでは飽き足らなくなったのか(笑)、讃岐うどん店のプロデュースまで行っている。

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讃岐うどん大使 東京麺通団

所用を済ませ、来訪したのは夜。新宿駅から小滝橋通りを進み、わき道に入ると到着。かけ・ざる・釜揚げといったうどんの種類――というより食べ方と量をカウンターで注文し、その後お好みで天ぷらに代表される副菜をチョイス、最後はレジにて精算するセルフサービス方式を採用している。

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あつかけ(小)290円+半熟タマゴ天100円+野菜かき揚げ天+イカゲソ天150円

今回食べたのは、もっともベーシックなあつかけ。このメニューだけは特殊で、レジで精算を終えたあと店内備え付けのビールサーバーならぬ、だしサーバー(とでもいうのか?)を用いて自分で出汁(だし)をかける。

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だしサーバーで、うどんに出汁をかける(分かりづらいかも…)

麺をすすり込むと「飲み込まずに口の中で滞留させていたい」と思うほど絶妙な加減で口内粘膜がくすぐられ、とても心地よい。またイリコだしはあくまで薄くではあるがシッカリとした上品な味がついており「このまま和食の椀物のツユとして使えるのではないか」と思ったほど。天ぷらは作り置きなので衣が硬くなってしまっているのは如何ともしがたく評価が割れるところだが、だしに浸して食べれば問題なし。

なお、茹で上げたうどんに直接生醤油や生卵をかける食べ方は讃岐うどんの食べ方として一般に知られており、素材本来の味を際立たせるシンプルな料理法を好む日本人の琴線に触れたことから讃岐うどんブームを巻き起こす一因となった。だが本場香川での主流はあくまでかけ・ざるなのだそうだ。

参考:生醤油・釜玉うどんの普及度
Wikipedia

前述の食べ方があまりにも知られてしまっていることから、この店にもしょうゆ・かまたまといったメニューは置いてあるが、変に“通”ぶらず、まずはかけ・ざるから試してみてはいかが?


讃岐うどんブームを作ったのはこの本
posted by 只今(橘カヲル) at 09:11| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2006年08月13日

浅草にあった鬼ヶ島

雷門(浅草寺総門)
雷門(浅草寺総門)

久しぶりに、浅草にやってきた。

観音堂(浅草寺本堂) 観音堂(浅草寺本堂)内
観音堂(浅草寺本堂)

浅草寺へのお参りを済ませ、帰路に着く前に立ち寄ったのがこの店。

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島そば

現在外部改修工事中である浅草寺の宝蔵門(仁王門)からは目と鼻の先にあり、小腹を満たすには最適と考え入店。店頭の張り紙によると「日本の色々な『島』より取り寄せた素材で仕込む『日本そば』」とのこと。

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鬼ヶ島そば 700円

注文したのはこの鬼ヶ島そば。店名に『島そば』と謳うぐらいだから、このソバは「もしや桃太郎が鬼退治に向かったあの鬼ヶ島から素材を…」と思ったら違った(当たり前か)。鬼ヶ島たれという八丈島産のピリ辛たれを使用したソバであった。

冷たい麺が器に盛られ、下の方にはツユが張ってある。具は温泉卵、とろろ、ネギ(と店のメニューには書いてあるが、今回食したものに入っていたのは万能ネギ=浅葱)、椎茸、ワカメ、大根おろし、海苔。そこに鬼ヶ島たれが掛かっている。店の人に「辛いので注意してください」と言われたが、グチャグチャに掻き混ぜてから食べたためか、特に辛いとは感じなかった。まぁ自分は辛いものが好きな人間なので、普通の人が食べたらピリッとくるのかもしれない。辛味が足りないと感じる場合には、テーブルに件のたれがおいてあるので追加するのもよし。

あとソバが緑がかっていたが、店内の壁に伊豆大島で取れる明日葉、及び明日葉に含まれるカルコンという栄養素についての薀蓄が大きく書いてあったので、もしかすると明日葉が練りこまれているのかも知れないが未確認。いずれ機会があれば調査したい。

その他気がついたことは、店ではソバや丼物、アルコール類のほかにソフトクリームやカキ氷も扱っている。果てはメロンパンをその場で焼いて(!)提供しているのが凄く印象に残った。よくみれば、店の看板の左側には『焼きたてメロンパン Plaire(プレール)』の文字も。

この一風変わった業務形態は、店のコンセプトが“島”だけに、海の家を念頭においているからか? 現実的な考え方をすれば浅草寺界隈へ来る観光客相手にテイクアウトできるものも置いてあったほうがいいという経営判断なのかもしれないけれど。この辺も、いずれ機会があれば追加報告したい。
posted by 只今(橘カヲル) at 16:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする

2006年07月23日

古式そばは個性派タレント

『2006/07/22 『USB MISSILE LAUNCHER』大量入荷完了』取材のため秋葉原までやってきた。その帰り道、ここまできたのだからと、ちょっと足を伸ばして或る店に行くことにした。

手打 古式蕎麦 外観 手打 古式蕎麦 店内
手打 古式蕎麦

湯島天神の程近く、三組坂上(みくみさかうえ)交差点そばにあるこのお店、他ではお目にかかれない独特な蕎麦を出すお店である。どこが独特かというと…

古式もりそば
古式もりそば(大盛) 1300円

ひと目でご理解いただける、この色の黒さである。店内においてある冊子によると、なんでも蕎麦の実の甘皮部分を入れて打つからだ、とのこと。特許も取得した独特の製法らしい。

もうひとつの特徴は、これ。

大根の下ろし汁と生醤油
大根の下ろし汁(左)と生醤油(右)

これらを合わせてつけ汁とし、蕎麦を食すのだ。

のど越しを優先する細切り蕎麦を食べ慣れていると、それらより幅広の麺であることも手伝って、口に入れた瞬間「ちょっとボソッとしている…」という印象を持つかもしれない。だがここの蕎麦は「すする・たぐる」蕎麦ではなく「ムシャムシャ食べる」ことを前提としていると思われる節があるので、それでいいのかもしれない。またつけ汁としてつかう大根の下ろし汁の辛味がかなり強いので「ムシャムシャ食べなければならない」ぐらい個性が強くないとつけ汁に負けてしまう、という部分もあるのだろう。なお薬味として削り節と浅葱、そして山葵がついてくるが、前述のとおり大根の下ろし汁の辛味がかなり強いので、つけ汁に山葵を入れるさいは気をつけて欲しい。

なにしろ他ではお目にかかれない類の蕎麦なので、もしかすると好き嫌いが分かれてしまう可能性はある。だが自分はこの店にくると、ノーマルなもりそばや種物――ちなみに使われている麺は一緒――ではなく、この『古式もりそば』を食べてしまう。この蕎麦は、万人ウケはしないけど同時に熱狂的なファンも獲得する個性派タレントのようなものかもしれない。

この店を利用する際の注意点を書く。まずメニューが全体的にお手ごろとは言いがたい価格帯であること(まぁ、いい蕎麦屋は概して価格設定は高めだ)。次に左党のために酒類も各種取り揃えられているが、あくまで“蕎麦屋”なので蕎麦を注文しない場合は席料が発生すること。最後に、近隣には或る特定目的(笑)のために利用することを前提としているホテルが多いため、そういった関係(爆笑)にない女性をこの店に誘う際には気をつけないと有らぬ誤解を招くこと、である。

ところで、夏だからであろう、席にはこんなものが置いてあった。

団扇
うちわ

もちろん店内は空調が効いているのだが、こうした心配りは嬉しい。
posted by 只今(橘カヲル) at 00:37| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(2) | 食:蕎麦・うどん | 更新情報をチェックする