(スポーツナビ)
ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手が、ついにメジャーのグラウンドに帰ってきた。5月に左手首を骨折した際は今季絶望説も囁かれたが、蓋を開けてみれば開幕戦以来の1試合4安打、打点もマークするという完全復活。試合もヤンキース打線が12対4で快勝し、松井選手の復活に花を添えた。ヤンキースのスタメン発表で松井秀喜の名前がコールされると、スタンドからこの日一番の大歓声が沸き上がり、ヒットを打てば観客は総立ちとなってこれを讃えたとのこと。
ホームゲームとはいえ、この観客の反応を見るだけでも彼がいかにファンに愛されているか分かる。いやファンだけではない。チーム関係者も口々に「松井ほどナイスガイはいない」と絶賛しているし、報道関係者からの受けも非常にいい。なにしろ松井選手の真摯で誠実な平素からの態度は、小学校の道徳の副読本に採用されるほどなのだ。
彼のそうした振る舞いのキッカケは、一説には中学時代、試合で何度も敬遠されたことに腹を立ててバットを投げ捨てた態度を野球部の監督から厳しく咎められた事だという。これは推測だが、監督さんにしても、並みの選手であれば軽くたしなめる程度で済ませたのかもしれない。しかし相手が松井選手だったからこそ、将来の為を思い敢えて辛く当たったと思われる。
しかし松井選手の立場にたてば、他人ならしなくてもいい苦労を背負い込んでしまったという解釈も可能だ。丁度、同じように異性からの誘いを断ったのに、容姿に恵まれている方がより反感を買ってしまったといったような現象に似ている。そんな「恵まれているが故の苦労」が、現在の松井選手の人格を形成したのだろう。常人以上に真摯に、謙虚に、誠実に振舞ってようやく人並みの評価。人並み以上に評価されるためにはそこから更にへりくだることが要求される。
松井選手は常日頃から東スポの愛読者であることを公言したり「趣味はアダルトビデオ鑑賞」と臆面もなく答えたりしているが、具体的にいえばこれらが、彼流の常人とのギャップの埋め方なのであろう。あの松井選手もアダルトビデオを見ているんだ…となれば、なにやら親近感も沸くというものではないか。
だからといって常人が松井秀喜流ギャップの埋め方を真似しても顰蹙を買うだけなので要注意だ(笑)
これは(本だけに)ほんの一部