先月、東シナ海で中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦などに射撃用の火器管制レーダーを照射した問題が波紋を広げている。
質問なるほドリ:火器管制レーダーって何?=回答・鈴木泰広
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/opinion/news/20130207ddm002070071000c.html
火器管制レーダーとは、火砲やミサイルを発射する際に標的の位置や方位を正確に測るために用いるもの。レーダー照射は、いわば実弾入りの拳銃の銃口を相手に突きつけるに等しい挑発的な行為といえる。かつて湾岸戦争後のイラクにて、イラク軍から同様の行為を受けた米軍は報復として空爆を実行していることを考えれば、事の重大さがご理解いただけると思う。
これに対し、安倍首相は「危険な行為で、極めて遺憾だ」と述べ、中国を非難した。
安倍首相、中国に謝罪要求=レーダー照射「写真でも確認」
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2013020801004
また中国政府が日本の発表を「完全な捏造」と主張したことに対し、首相は「全く認めるわけにはいかない」「レーダー(の装置)がこちらを向いているかも含め、目視でも写真などでも確認している。慎重に分析した結果、間違いない」と強調した。さらに「中国は(事実関係を)認め、謝罪して、再発防止に努めてほしい」と述べ、中国側に謝罪を要求した。
「知らなかった」といえば中国政府は軍部の文民統制(シビリアンコントロール)ができていないことを白状しているに等しいし、「政府も承知の上」となれば国際社会からの批判は免れない。まして今更
「ニァ~ヌゥォ~……ごぉめんなさあぁぁぁぁい!! 」
(by.モモタロス:仮面ライダー電王 より)

S.I.C. 極魂 モモタロスイマジン
などしようものなら、今度は国内の強硬派から「弱腰」との非難を浴びるのは必定であろう。よって記事にあるように、本件について中国は「日本の捏造」で押し通すしか、おそらく選択肢はあるまい……。
レーダー照射:米、中国に異例の警告「他国を威嚇するな」
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130207k0000e030176000c.html
しかし米国も日本の主張を認めており、それは米国が納得するだけの客観的証拠(中国側のレーダーの波形や周波数など)を日本が有している証明に他ならない。日本の発表は捏造だとの主張を続けるなら、日本側としては証拠を公表する段階に進むしかなくなるが、自国の軍事機密が公開されるのだから、困るのは中国だろう。
そして突きつけられた証拠すら「捏造だ」と突っぱねる裏で、こっそりレーダーの周波数を変更したりしたら、それこそ恥の上塗りというものだが(苦笑)。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
