沖縄県名護市でのこと。公立中学校の或る養護教諭が、5年以上も前から保護者や校長や校医の了解を得ずに、 民間療法「ホメオパシー」で使う「レメディー」という砂糖玉を、保健室に特別の装置を持ち込んで加工し、体調不良を訴える生徒に保健室で生徒に日常的に渡していたことがわかった。複数の生徒や卒業生によると、教諭は「普通の薬はいけない」と話していたという。校長や同市教育委員会は本人から事情を聴き、中止するよう指導したそうだ。
ホメオパシーとは19世紀の始めに考案された病気の治療法で、同種療法とか類似療法などと訳される。一般の医療が、例えば「熱が出たら冷やす」とか「悪い部分があったら取り除く」といったように症状への対抗措置をとることで病気を治療しようとするのに対し、病症と同様の症状を起こす物質を微量に投与することで人体の抵抗力を引き出し、病気を治療しようという方法。そして十分に希釈した「病症と同様の症状を起こす物質」を小粒の砂糖菓子などに染みこませ、ホメオパシーの療剤として用いるのがレメディーである。
しばしばホメオパシーは「人間の自然治癒力を高める方法」などといって喧伝しているので、なんとも尤もらしく聞こえる。しかしメレディー製作の際に「物質の分子が残留していないほど薄める」などと言い出すから、呆然となってしまう。さらに「そこまで薄めたら化学的な作用はないのでは?」と反論されると「溶かしていた物質の性質を水が“記憶”している」なんて主張し始めるに至っては、正直ドン引きしてしまう。
「ヒィィィィィィィ ちがうゥゥゥゥ~~~~~~ッ 水が襲ってくるゥゥゥゥウウウウウ!!」
(byスピードワゴン財団のヘリパイロット:ジョジョの奇妙な冒険第三部 より)

ジョジョの奇妙な冒険 20 (ジャンプ・コミックス)
という現象は知っているが、水が“記憶”するとはなんぞや?新手のスタンド使いの能力か?(笑)。
それはさておき、ホメオパシーは、記事中にもあるように日本学術会議から先月下旬に「科学的根拠がなく荒唐無稽」とする会長談話を出されている。またホメオパシーは、医薬品の効能を認定するための標準的な手続きである二重盲検法(治療者・患者双方に伏せて偽薬との対照実験を行う手法)の要件をクリアした試験が既に行われており、試験結果のメタ分析によって、その効能についてはプラシーボ(偽薬)効果以上は期待できないとの結論が出ている。
話を戻すと、養護教諭が渡していたレメディーについて一部の生徒は「思いこみ薬」と呼んでいたそうな。 まぁ、この言葉が正鵠を射ているような気がするので、これ以上は語らないておこうかな…。
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養護教諭、許可なく砂糖玉で「民間療法」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20100902-00000029-jnn-soci