2008年04月06日

硫化水素による自殺報道記事を見て感じた疑問

東京都八王子市にある高尾山といえば、東京近郊に住む人にとってハイキングコースの定番であり、非常に馴染みの深い山である。自分も幼稚園の時に遠足で出かけたことがあるが、子供心にも風光明媚な場所であったと記憶している。その高尾山で、こんな痛ましい事件が起こった。

硫化水素自殺:東京・高尾山で2人の遺体相次いで見つかる
毎日新聞

高尾山で、都内に住む男性(29)と八王子市に住む少年(16)と見られる遺体が相次いで発見された。共に複数の洗剤や入浴剤などを混ぜて発生させた硫化水素による自殺とのこと。ひところ練炭を用いた一酸化炭素中毒による自殺が続発したことがあったが、材料がより安易に手に入り、また火を熾す手間も無いことから、硫化水素による自殺は増加傾向にある。

自殺は本人のみならず、近親者を始めとする残された関係者も皆不幸になる。事情は人それぞれあるだろうが、自殺だけは思いとどまっていただきたい。

…ということをもっと確り書こうと思ったのだが、記事を最後まで読んで気が変わった。それは記事中ラスト付近のに書かれた以下の一文にある。

『濃度が高い硫化水素は無臭で~』

硫化水素は無臭ではない! ものの本などでは「卵の腐ったような臭い」と書かれているが、硫黄泉が沸く温泉街の、特に温泉の噴出し口付近にいくと嗅ぐことができる、あの独特の鼻を衝く臭いの元が硫化水素である。

硫化水素は低濃度であれば不快感を感じる程度で済むが(だから温泉に入れるのだ)、怖いのは高濃度のとき。なぜなら硫化水素は濃度が高くなると嗅覚を麻痺させてしまうので、致命的な量の硫化水素が充満していても――いや充満しているからこそ――気づかないという事態が発生する。

話を元に戻すと「濃度が高い硫化水素は無臭で~」という表現は間違いといっていい。それをいうなら「濃度が高い硫化水素は嗅覚を麻痺させるので臭いを感じなくなってしまい~」であろう。単純な勘違いか、それともスペースの都合で簡略化して書いたのかは不明だが、読者に誤解を与える表現はよろしくないまして(そんなことは無いと思うが)「たしかそうだったはず」というような、あやふやな知識をベースにして書いたのであれば問題である。読者は

「はずでは困る。確定情報が欲しい。」
(byライラ・ミラ・ライラ 機動戦士Zガンダム より)

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MS IN ACTION!! ガルバルディβ

のだから。


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posted by 只今(橘カヲル) at 05:39| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 雑感:事件 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自殺者にもそんなトレンドがあったのか・・・たしかに硫化水素って聞いた時に「よくそんな臭いもので自殺するよなあ・・」って思ったけど・・・でもどのみち苦しくならないように予め眠剤とか飲んで寝ておくんでしょうかね?

Posted by 記号士 at 2008年04月06日 13:35
>記号士さん
硫化水素は濃度によっては即死(!)もありえるそうです。だから登山客などが知らずにガスの噴出口に近づいて犠牲になるケースがあり、立て看板などで注意が呼びかけられているのです。
Posted by 只今 at 2008年04月20日 05:32
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[硫化水素]事故と自殺と
Excerpt: 硫化水素といえば、火山ガスとしてもわき上がっている、いわゆる「卵の腐ったような臭い」のガスですね。理科の実験でもちょっとだけ発生させたりした記憶がありますし、火山に近い温泉地に行けばよく出ているもので..
Weblog: BBRの雑記帳
Tracked: 2008-04-11 01:21
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