そして「まてよ、小腹も空いたことだし、折角スーツを受け取りにいくのであれば近くにあるあの店で食事もしよう」と思い立った。その店とは

新宿西口のヨドバシカメラなどが集まる一角にある雑居ビルの4階(詳しい場所は上部リンク先を参照)にある、『刀削麺・火鍋 XI’AN』(とうしょうめん・ひなべ しーあん)さんである。自分は、旧店名である『刀削麺荘』(とうしょうめんそう)の方が馴染み深い。その名の通り中国は山西省の伝統的な麺料理である刀削麺を看板メニューとするが、他の料理も充実している。
刀削麺とは、練り上げた小麦粉の生地の塊を一方の手に持ち、もう一方の手に持った刃物で塊を細長い麺状に削り出しつつ沸き立つ湯の中に直接投入し、茹で上げる麺である。テレビなどでご覧になった方も多いことだろう。「もしかしたら…」と思い、YouTubeで探してみたら刀削麺を作る様子を映した動画があったので下に貼り付けておく。

店は日本式中華料理店というよりも、中国にある中国料理店、もしくは屋台といったような雰囲気。お昼時ともあって、店内は人で溢れかえっており、一人で来訪した自分は、中国式の円卓に合席となった。

厨房はガラス張りとなっており、上の動画の如く調理の様子が伺える。

ジャージャー麺式刀削麺(700円:税込)
今回注文したのは、ジャージャー麺式刀削麺。


ちょっと濃い味付けの肉味噌(写真左)が味のメイン。そこにシャキシャキとした食感と食後のサッパリ感を演出するキャベツ(写真右)と、

香草の一種コリアンダー、中国でいう香菜(シャンツァイ)が加わり、味にアクセントを加えている。
なお余談になるが、同店では香菜の呼び名を中国語のシャンツァイではなくタイ語のパクチーとしている。エスニック料理がブームになった際、パクチーの名が一般に広まった所為だろうか。沖縄料理がブームになった際、ニガウリの沖縄での呼び名であったゴーヤーが一般に広まり、それ以来沖縄以外でもゴーヤーの名で売られるようになった経緯に似ていなくも無い。

さて、そうしたシンプルだが厳選された構成の味に支えられて食す麺は、一般的に中華麺といって想像するような味と食感ではない。山梨の伝統料理ほうとうの麺に喩える人もいるが、ほうとう程の厚みと長さは無いので、すいとん(水団・地方によって、ひっつみ、とも)を細長く形成した、と表現した方が近いかも思っている。
モチモチした歯応えに加え、刃物で一本いっぽん削り出すという製造工程から来る形の不揃いさが、逆に食べるたびに違った印象を口中に残し、とても美味しくいただける。
同店は交通の便の良い場所にあるし、また同店は東京近郊に姉妹店も多い。ご近所の『刀削麺・火鍋 XI’AN』さんに、ぜひ出かけてみては?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
