(サンケイスポーツ)
若手有望株のサッカー選手、菊地直哉容疑者が未成年への淫行容疑で逮捕された事件は記憶に新しいが、この件に関して日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンがこんなコメントを寄せた。
「菊地は22歳の若さでベンツに乗っていたという。(菊池容疑者が所属するジュビロ磐田の)右近社長にも話したが、そういう車に乗ることが身のほどに合っているのか。私個人の率直な考えでは、そういう姿勢も世間に対する生活態度の表れ。(事件に)直接関係なくはないと思う」
要するに「若いうちからベンツなんぞを乗り回しているから、こんな事件を起こしたんだ」というご意見のようだ。ちょっと聞くと、至極真っ当なご意見のように思える。20代前半という若さで大金を手にし、高級外車を乗り回すような生活を送っていれば、道を踏み外すのも当然だ、というような。
しかしそれでは、若いうちから外車に興味を持つ人間は皆淫行予備軍だというのだろうか? この理屈は
バイクに興味がある→暴走族予備軍
髪の毛を染めている→不良予備軍
アニメ・ゲーム好き→変質者予備軍
というのと同じぐらい、一方的な穿った見方ではないかと自分は思う。外車に乗っていようが国産車に乗っていようが、このテの事件を起こす人は起こしてしまうものだ。それは当人の品性の問題だからである。趣味嗜好と品性に直接の関係は無い。
むしろ違和感を感じるのは、川淵キャプテンのコメントがまるっきり他人事のような内容であることだ。まるで新橋あたりで一杯引っ掛けてほろ酔い気分になっているオトーサンにインタビューしたかのようなコメントである。日本サッカー界の最高責任者として、今回の不祥事に責任を感じているのか否かが全く見えてこない。失礼ながら先のドイツワールドカップで日本が敗戦を重ねている間も、
「戦線から遠退くと楽観主義が現実に取って代る。そして最高意志決定の段階では、現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けている時は特にそうだ。」
(by後藤喜一警部補:機動警察パトレイバー2 the Movieより)

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といったセリフを地でいくように自身が代表監督に推薦したジーコに固執し、1次リーグ敗退という結果となってしまった時と同様に「現場との距離があるなぁ…」と感じてしまう。
「このような破廉恥な事件を起こす選手を出してしまったことは、己の不徳の致すところであり、まことに申し訳ない。責任を感じている」といった通り一遍のコメントでもいいから出しておかないと、アチコチから非難を浴びてもおかしくないような気がする…。
日本サッカー界の功労者であるのは間違いないのだが…。
スポンサーには頭があがらないはずだけど、川淵キャプテン、首筋が寒くなってきたのでは?
>川淵キャプテン、首筋が寒くなってきたのでは?
W杯の責任問題は「新生オシムジャパン誕生!」に上手く話題をすり替えて事なきを得ましたが、今度はどうでしょうね…。