2015年08月30日

「宇宙空間で使うロボットに足は必要なのか?」の論争に、宇宙飛行士・油井亀美也さんが決着をつけた!?

油井宇宙飛行士「宇宙ロボットに足は必要だ」 「ガンダム」ファン狂喜、「これで決着だ」
(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2015/08/28243862.html?p=all

「足なんて飾りです」覆される? 宇宙飛行士・油井亀美也さんの発言にガンダムファンがざわつく
(ねとらぼ)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/28/news120.html

現在ISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在中の宇宙飛行士・油井亀美也さんが、自身のツイッターアカウントで以下のようなツイートをされた。


ご存知のかたもいらっしゃると思うが『機動戦士ガンダム』の世界における機動兵器・モビルスーツ(MS)が人型をしている理由のひとつに「手足を動かして質量移動行いを姿勢制御ができ、推進剤の燃料が節約できるため」という作中設定がある。

これは油井氏がツイートされているように宇宙飛行士が実際に船外活動で行っている手法で、作中設定ではAMBAC(アンバック、Active Mass Balance Auto Control = 能動的質量移動による自動姿勢制御)と名付けられている。恥ずかしながら、私はAMBACを実際世界に存在する用語だと永らく勘違いしていた(汗)。

AMBAC(Wikipedia)



また上記のように「宇宙への進出が人類の革新を促す」という、ニュータイプ論というか、ジオニズム的な事もツイートされているので、油井氏はガンダム世界にお詳しいのかもしれない。世代的には十分にありえる。

ジオニズム(Wikipedia)

それはさておき、冒頭で紹介した記事の中で、油井氏の「宇宙空間で使うロボットに足は必要なのか?」云々のコメントが、ジオン整備兵の「あんなの飾りです!偉い人にはそれが分からんのですよ!」というセリフを否定したという記事執筆者の意見には異議を唱えたい。このセリフの趣旨は「宇宙空間でMSに足は必要ない」ではないからだ。

ご存じない方に掻い摘んで説明すると、前述のセリフは『機動戦士ガンダム』終盤、未完成の新型MS・ジオングでの出撃を命じられたシャアと、ジオングの整備をしているジオン整備兵との会話の中で出てくる。

ジオング(Wikipedia)

「80%? 冗談じゃありません! 現状でジオングの性能は100%出せます!」
「足がついていない」
「あんなの飾りです! 偉い人にはそれが分からんのですよ!」
「使い方はさっきの説明で分かるが、サイコミュな。私に使えるか?」
「大佐のニュータイプ能力は未知数です。保証できるわけありません」
「はっきり言う。気に入らんな」
「どうも。 気休めかもしれませんが、大佐なら上手くやれますよ!」
「ありがとう、信じよう」
(by.ジオン整備兵シャア・アズナブル:機動戦士ガンダム より)

150830_01.jpg
MG 1/100 MSN-02 ジオング (機動戦士ガンダム)

この話の流れからも分かるように、ジオン整備兵のコメントは「(足の代わりに推進機を装備した現在の状態でもジオングは100%の性能を出せるように整備してあるので、足なんて)あんなの飾りです! 偉い人にはそれが分からんのですよ!」であり、対象は、あくまでジオング限定なのだ。

また私見だが、事前に未完成品と聞かされ、更に慣れないサイコミュ(特殊脳波により火器や機体の管制を行うニュータイプ用システム)を搭載したMSに乗る事になったシャアの不安を和らげようとする気遣いも含まれていると思っている。

おっと、長々と書いてしまった。そろそろまとめなければ(苦笑)。というわけで、油井氏の実体験によって、宇宙におけるロボットの手足の重要性が実証されたのはなにより。


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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「足なんて飾りです」覆される? 宇宙飛行士・油井亀美也さんの発言にガンダムファンがざわつく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150828-00000076-it_nlab-sci
posted by 只今(橘カヲル) at 10:18| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:サイエンス | 更新情報をチェックする
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