2007年05月13日

立地条件の悪さを跳ね除ける『一福』さんの凄さ

どんな業態の店舗でも、立地条件が良いに越したことはない。それが飲食店であればなおさら「駅徒歩○分」とか「環○通り沿い」といったように、交通の便が良いほうが有利とされる。しかし今回ご紹介するお店は、実力さえあればたとえ駅や大通りから遠くても顧客を集められるのだと教えてくれた。

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渋谷区立児童福祉センター

ところは東京都渋谷区本町(ほんまち)。大通りからも外れ、最寄駅となる京王新線・初台駅もしくは幡ヶ谷駅からは共に徒歩15分ほどかかってしまうようなフツーの商店街の一角にその店はある。あえて目印を挙げれば、隣の建物がこの区立児童福祉センターだと覚えておいて欲しい。

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そのお店は『一福』さん(詳しい場所は写真下のリンク先参照)という。札幌ラーメンブームが去って久しい平成の世にあって、味噌ラーメンを看板メニューとする珍しいお店。前述のとおりお世辞にも立地条件が良いとは言えず、しかも昭和の時代にブームが去った味噌ラーメンを武器に客を呼べるのだから、その実力は推して知るべし。カウンター席のみの小規模店舗とはいえ侮ってはならない。早速食券を購入し、席に着いた。

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囲炉裏麺(980円:税込)

今回注文したのは、主力商品である味噌ラーメン類の中でも更に一枚看板といえる囲炉裏麺。中央にある白く細い物体はなんとサメの軟骨なのだそうだ。定番具材としては煮豚も入っているが、そのほかの具は水菜、小口切りにして焦げ目をつけたネギ、さらにクルトン(!)と独創的且つ多彩。

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割り箸ではないのが珍しい

麺は味噌ラーメンではオーソドックスなチョイスといえる太目の縮れ麺。肝心のスープは一般的な味噌ラーメンにありがちな極めて味噌臭く塩分過剰なそれとは違い、味噌の甘みと旨味だけを上手に抽出したクリーミーな味。これは味噌と一緒に使用しているという酒粕の効用かもしれないアルコールの摂取に繋がるので、酒粕が入っている旨は食券にも記載されている。これは飲酒運転や未青年の飲酒に対する世間の目が厳しくなっている世相を反映したものと考えられる)。

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非常に嚥下しやすい味で、久しぶりにスープまで飲み干してしまった。これはなにも自分が大食漢だからではない隣の席にいた20代後半~30代前半と思しき女性も同じく最後まで飲み干していたのだ。ダイエットや健康に対し非常に気をつかう年代の女性に、大人の男性でも満足するほどのボリュームがある味噌ラーメンをスープまで残さず平らげさせるには、余程の実力が必要だろう。ちなみに店主も女性だ。

一部有名店に見られる一口めのインパクトに全てをかけた味ではなく、最初から最後まで変わらぬしみじみとした旨味を伝えようとする味の組み立て方は、使い古された表現で恐縮だが「おふくろの味」との喩えが最も適切だと思われる。


ラーメンを取り上げたのは久しぶり
posted by 只今(橘カヲル) at 17:28| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:ラーメン | 更新情報をチェックする
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