(産経新聞)
http://www.sankei.com/affairs/news/150126/afr1501260033-n1.html
自民党や外務省は、イスラム教スンニ派過激組織『イスラム国』について、「日本が『イスラム国』を独立国家として承認しているかのような印象を与えかねない」として、この呼称を使わず「ISIL(アイシル)」の表記・表現に統一することを申し合わせている。
「『イスラム国』表現、誤解を招きかねない」トルコ大使館、報道各社に呼びかけ
(ねとらぼ)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/08/news018.html
在日トルコ共和国大使館からも、『イスラム国』の呼称については「イスラム教やイスラム教徒、世界のイスラム諸国について偏見が生じかねない」として、日本の報道各社に変更を検討してほしいと呼びかけていた。
にも関わらず、日本のメディアは頑なに『イスラム国』の呼称を使い続けていたのだが……。
過激派組織ISについて
(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/is/0213is.html
NHKは遂に折れ(?)、『イスラム国』から『過激派組織IS=イスラミックステート』と報道するようにしたとのこと。
しかし、この「イスラミックステート」って「イスラム国」を横文字で表現しただけだよなぁ……。横文字で言っても意味する所はそのままなのだから「日本が『イスラム国』を独立国家として承認しているかのような印象を与えかねない」という懸念や「イスラム教やイスラム教徒、世界のイスラム諸国について偏見が生じかねない」という危惧に対する回答になってないと思う。
そもそも、件の組織が『イスラム国』を名乗るのは、独立国家であるかのように名乗ることで対外的に自らの立場を認めさせようとしているにすぎず、プロパガンダ(政治思想宣伝)に他ならない。
「これはファッションのようなものでな。プロパガンダと言ってもいい。君のように素直に言ってくれる人がいないので、つい忘れてしまう。すまなかった」
(by.フル・フロンタル:機動戦士ガンダムUC より)

MG 1/100 MSN-06S シナンジュVer.Ka (機動戦士ガンダムUC)
いわば“赤い彗星の再来”との印象を人々に与えるため“赤い彗星”ことシャア・アズナブルを想起させる仮面をつけるようなものだ(分かりにくい……)。
それはさておき、件の組織の呼称問題は結構厄介である。政府公式のISILにしても「the Islamic State in Iraq and the Levant」の略称だから『イスラム国』の意味が入ってしまうし、もうひとつの略称としてよく用いられるISISも「Islamic State of Iraq and Syria」の略称なので同様なのだ。
なお欧米では件の組織について、アラビア語での表記「ad-Dawlah al-ʾIslāmiyyah」からの略称「ダーイッシュ(Da'ish)」を用いているという。なんでも、この言葉はアラビア語の「Daes=足で何かを踏みつぶす者」や「Dahes=仲違いを引き起こす者」という言葉に発音が似ているため、蔑称の意味合いがあるそうな……。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
