(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150211k0000m020021000c.html

すき家 冷凍牛丼の具 20P
ゼンショーホールディングスから発表された2014年4~12月期連結決算は、最終損益25億円の赤字(前年同期7億円の黒字)となった。同社が4~12月期で最終赤字を計上するのは1997年の上場以来初めてとのこと。
傘下の牛丼チェーン『すき家』において、深夜の1人勤務「ワンオペ」に代表される過酷労働の実態が明らかになるなどしてアルバイトが大量退職。人手不足が深刻化し一部店舗の深夜営業が休止に追い込まれた等の理由により『すき家』の売上高が減ったことが響いたという。
デフレの時はどうしても「価格の安さ」が注目されるため、牛丼チェーン各社は傍から見ても過酷な安売り・値下げ競争に突入していった。そして飲食店は商品の単価が安いので、原材料費を削るといっても限度があるから経費削減の対象として人件費がターゲットとなったのだろう。
そんなこんなで牛丼チェーンはデフレ時代の申し子として持て囃された時もあったが、価格の安さをセールスポイントにできる期間は思いのほか短い。人が「価格が安い」ことに慣れるのは想像以上に早いからだ。それでも売上を作ろうと思えば従業員に過酷な労働を強いる形になる。
それに加え『すき家』は、田舎の国道沿いなどで露骨にライバルチェーンの店舗近くへ新規店舗を出店するなど、ライバルチェーンとの競争を意識してか一時期は派手な出店攻勢をかけていたように思う。
「あんな地方の前進基地を叩く必要がどこにあるか。カイもカイだ。テストもしていないのに敵前でガンダムをドッキングさせたりして。単なる消耗戦だぞ。今の我々には自分の首を絞めるに等しい」
(by.ブライト・ノア:機動戦士ガンダム より)

MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.3.0 (機動戦士ガンダム)
といった意見は社内で出なかったようだが、数値上の目標達成の事しか頭に無かったと指摘されても仕方がないだろう。結局、店舗数を増やしつつ人件費を抑制するとなればワンオペのような無茶が常態化し、結果としてサービスおよび評判の低下を招く。その結果が売上減なのだろう。従業員を粗末に扱っての経営は、まさに「自分の首を絞めるに等しい」行いだったわけだ。
さて『すき家』だけではないが、特に飲食店で「ブラック企業」認定されると挽回は非常に厳しい。なぜなら飲食店(特に『すき家』のような低価格路線のお店)にやって来る客の大半はサラリーマン、つまりどこかの会社や組織の従業員だから、従業員を粗末に扱う店には嫌悪感を抱くし、足が遠のくからだ……。
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