2014年12月06日

“通過点”を超え、1ドル=121円台へ

11月米雇用増は約3年ぶりの大きさ、来年半ばの利上げ観測裏付け
(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JJ1O220141205

米労働省が5日発表した11月の雇用統計・非農業部門の雇用者数は、事前予想(23万人増)を大きく上回る32万1000人増となり、2012年1月以来約3年ぶりの大幅な伸びとなった。雇用の伸びが「安定的な景気回復を示す」とされる20万人を超えるのは10カ月連続で、1994年以来最長。また賃金も上昇しており、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ前倒し観測が強まった。

ドル上昇し121円台前半、米雇用統計に力強さ=NY市場
(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JJ1PX20141205

米国の利上げ前倒し観測は、緩和的な金融政策が続く日本やユーロ圏との金利差拡大の思惑を呼び、ドル買い要因となる。このため5日のニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対して上昇し、対円では2007年半ば以来となる1ドル=121円台までドル高/円安が進んだ。まぁ「円安が進んだ」というよりは「ようやくリーマン・ショック前の水準まで為替レートが戻ってきた」という表現のほうが正しいのだが……。

それにしても、夏頃までの膠着状態が嘘のように急ピッチで円安が進行しているが、これは巷で言われるように10月末に行われた日銀の追加金融緩和だけが原因ではない。米国の景気・雇用情勢回復によるQE3(米量的緩和策第3弾)の終了やOPEC(石油輸出国機構)の減産見送りから来る原油価格下落といった国外要因が適度なタイミングで出てきて、これがマーケットに新たな材料(燃料?)を提供したからだ。

それに米大手格付け会社ムーディーズによる日本国債格下げの報などから、円安進行の道中で何度か適度に反落して押し目(上げ相場が一時的に下がること)を形成しているのも大きい。これにより新しく買いで参入したい人達には絶好の機会を、売りポジションを保有して苦しんでいる人達には程よい逃げ場が提供されるので、結果としてトレンドが長持ちするのである。

このように現在のドル円相場は、タイミングよく新規材料が供給されつつ適度に押し目を入れながら上昇している格好になる。これまで永らく1ドル=120円が目先の目標とされ、これに近づくと少なからず高値警戒感も出てきたのだが、なにしろこんな調子なので、高値警戒感というか、過熱感のようなものがマーケットにあまり見られていない。つまり現在のドル高/円安水準は到達点ではなく、

「優勝すんだろゴリ!!!!通過点じゃねーかよあいつらなんか!!!」
(by.桜木花道:SLAM DUNK より)

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The Spirit Collection of Inoue Takehiko スラムダンク Vol.1桜木花道 (再生産)

ひとつの通過点でしかない状態となっているのではないだろうか?

さて、前述したように今年は夏頃までマーケットが膠着していたので、投資ファンドや銀行ディーラーなどで運用益が芳しくないケースも少なくないという。いつもなら年末にかけてマーケットは閑散となっていくのが常だが、彼らが年末にかけて「もう一仕事」するため、まだまだ為替相場も流動性が大きい状態が続くとの予想が優勢だ。

うまい具合に本邦の衆議院選挙やFOMC(米連邦公開市場委員会:日本の日銀金融政策決定会合に相当)といったイベントも控えており、マーケットを取引を促すトリガー(引き金)としては十分だ。私が語るのもおこがましいが、年末にかけて更にドル高/円安は進行するかも……。


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posted by 只今(橘カヲル) at 09:11| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:経済 | 更新情報をチェックする
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