
川崎大師(金剛山金乗院平間寺)
この日、私は暫く振りに川崎大師までやってきた。目的は、

京急大師線・川崎大師駅の交通広告
10年に一度の大開帳(仏堂や厨子の扉を特定の日に開いて秘仏を一般の参拝者が拝観できるようにすること。SUKEBEな意味ではないッ!)の期間中のみ授与されるという尊い御札『赤札』を授かるためである。

松月庵 (そば(蕎麦) / 東門前駅、川崎大師駅、産業道路駅)
護摩祈願の申し込みをしたものの、次の修行(護摩祈願の実施)までは時間があったため、川崎大師の門前にある(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)『松月庵』さんで先に腹ごしらえをすることに。私の川崎大師参拝における定番の食事処である。

店内の様子
同店の創業は1884(明治17)年、それ以来130年(!)の永きに渡り、老若男女を問わず多くの人びとに支持されてきた老舗の蕎麦屋さんである。歴史の長さ故か世代を重ねてのファンも多く、この日も客の多くは親子連れ、家族連れで、中には三世代でご利用されているご家族の方もいらっしゃった。同店は、老舗によくある「一見さんお断り」的な得体のしれないプレッシャーを良い意味で感じないので、こうしたフレンドリーさが人気の一因かもしれない。

鴨せいろ(1370円:税込み)
今回の注文は、鴨せいろ。蕎麦屋の人気メニューとしては天ぷら蕎麦と並ぶ永遠の2トップではないだろうか? 私はよく注文する。

蕎麦は心持ち太めで「二八」の手打ち。物の本によれば、現在のご主人になってから機械打ちから手打ちに変えたのだとか。
「老舗なのだから手打ちなんて当たり前」と考えるなかれ。小規模な個人店舗ならいざ知らず、同店の規模と繁盛度合いを考えれば、効率面から機械製麺を採用せず手打ちに拘るのは凄い……「はて? こんな文章を前にも書いたなぁ」と思ったら、『神田まつや』さんについてのエントリーで同様の感想を述べていた。蕎麦の老舗名店同士の不思議な符合である。

この蕎麦を、青森県産の鴨肉を生から調理して良質の脂が浮かぶツユに

つけて食べる。鰹節の中でも高級品とされる本枯節が用いられているというツユは、鴨の脂から出る香りがプラスされて更に芳醇となっている。そして、これを受け止める蕎麦の味の力強さも素晴らしい。川崎大師という強力な集客スポットの側にあるという立地に甘えることなく、美味しさの探求を続けている事がよく分かる。こうした前向きの姿勢が、世代を超えて多くの人に支持される理由なのだと思う。皆様も川崎大師へお立ち寄りの折は、ぜひお試しあれ。

おっと言い忘れてた。弾力のある鴨肉の美味しさも、噛みしめる程に楽しめて特筆モノですよ!
以下おまけ

赤札(写真右、赤枠内)
※写真左の札入れは川崎大師境内の売店で別途購入(300円)
『松月庵』さんで食欲を満たしたあと、川崎大師で護摩祈願を受けて赤札を無事GET! なんでも「無量の功徳を授かり、罪障消滅して遍く利益が得られ、一旦危急に面した場合にも、あらたかな霊験の不思議があらわれる」という。ぜひ体感してみたいなぁ……(切実)。
川崎大師・公式Webサイト
http://www.kawasakidaishi.com/
川崎大師・平成26年大開帳特設サイト
http://www.kawasakidaishi.com/daikaicho26/
なお今回の『赤札』授与は今月末(2014年5月31日)までなので、ご希望の方はお早めに川崎大師まで参詣されるのが宜しいかと。注意点は、赤札授与は期間中毎日行われているが、赤札授与のみを目的で向かうと、なにしろ希望者が多いので行列ができて相当待たされる。
護摩祈願を申し込んでいれば御護摩札(寺院で祈祷を受けると授かる長細い五角形の木板のこと)授与の後、建物から外に出る際にいただけるので、ご一考されたし。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
