
坂の上のそば屋 司 (そば(蕎麦) / 日ノ出町駅、黄金町駅、桜木町駅)
京急本線の日ノ出町駅を出て、近くにある高台を目指して坂(というか階段)を上る。すると近隣に商店らしきものが見当たらない住宅街の一画に忽然と現れる暖簾。ここが今回の目的地である『坂の上のそば屋 司』さんである(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)。

店内の様子
自宅の一部を増築・改装して店舗とし、靴を脱いで入店する形式を取っているからか、店内はとても寛げる、落ち着いた空間となっている。入店したのが16時半ごろという極めて中途半端な時間だったためか、店内の客は私一人だった。これもまた寛げる要因なのだろう。

そばがき(1200円:税込み)
まずは同店自慢の一品である、そばがき。

蕎麦掻きをご存じない方のために説明すると、蕎麦粉を捏ねて団子状にしたもの。細長い麺状にして食べる前は、これが一般的な蕎麦粉の調理方法だった。

これを辛味大根入りの蕎麦汁に漬け、好みで七味唐辛子を振り掛けて食べる。
以前、他のお店で蕎麦掻きを食べたのだが、ベチャッとした舌触りがするだけの塊でしかなかったので、それほど美味しいとは思わなかった。しかし同店の蕎麦掻きは、おでん種でお馴染みの半片(はんぺん)のようにフンワリとしており、更に混ぜ込まれた丸のままの蕎麦の実が歯ごたえにアクセントを与えている。味は仄かで決してインパクトが有るわけでは無いのだが、他に類を見ないだけに暫く経つと「また食べたいなぁ」と思うようなタイプの美味しさである。

さくらえびそば、かき揚げ付き(1500円:税込み)
こちらも同店名物となる、さくらえびそば。桜海老を蕎麦に練り込んだ変わり蕎麦である。今回は奮発して桜海老の掻き揚げもプラスした。静かな店内に微かに響く、揚げたての掻き揚げが発する「シュウゥゥゥ」という音は、食欲を唆る上で最高級のBGMといえるだろう。

桜海老が練り込まれた蕎麦は、ほんのりピンク色……と言いたいところだが、店内の照明が白熱灯なので肉眼ではイマイチ判別しづらい(苦笑)。

しかし出来の良い蕎麦なのは間違いない! 物の本によれば粗挽きと細引きの蕎麦粉を合わせて手打ちしているとのことだが、そんな事を知らずとも、エッジの立った細切り麺の香りと喉越しの良さ、そしてダシの効いた漬け汁との相性の良さは抜群だ。

揚げたてサクサクの掻き揚げも美味。

ただし口中の火傷にご注意されたし。

なお同店で一番驚いたのは、そのまま口にしても穀物の持つ自然な甘みが十分に堪能できる蕎麦湯の美味しさだ。蕎麦掻きの分も含めて湯桶(ゆとう)2杯分の蕎麦湯を全部飲み干したなんて初めての経験だ……。
というわけで、『坂の上のそば屋 司』さんで一足早い年越しそばを十二分に堪能したのだった。皆様もお試しあれ。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

