(スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130412-OHT1T00032.htm
今月4日午後、岐阜県各務原市の陸上競技場の敷地内で、サッカーの練習試合の休憩中に教え子の男子中学生(13)を足で蹴り、両腕の骨を折る重傷を負わせた傷害の容疑で、Jリーグ『ジェフユナイテッド市原』(現ジェフユナイテッド市原・千葉)元選手の西脇良平容疑者(33)が逮捕された。西脇容疑者は「指導の一環でやってしまった。けがをさせてしまったことは間違いない」と供述し、容疑を認めているという。
西脇容疑者は前述した『ジェフユナイテッド市原』のほか、『モンテディオ山形』や『FC岐阜』などで選手として活躍し、U-20日本代表に選出された経験もある。引退後はJリーグ時代の選手仲間と岐阜県大垣市でNPO法人『FCアルマ大垣』を設立すると共に、小中学生を対象に指導を行い、2009年には全日本少年サッカー大会岐阜県大会で初優勝に導いたとのこと。もっとも、そんな輝かしい足跡も今回の凶行で地に落ちてしまったわけだが……。
指導者が教え子に対して一方的に私的制裁を加えるなど許されることではなく、会社組織とかなら確実に「パワーハラスメント」として批判の対象となる事案である。ところが、ことスポーツになると「熱血指導」として賛美される風潮が、日本では根強い。
それはなぜかと言えば――以前にも書いたと思うが――日本人にとってスポーツとは、サムライが行う武術訓練が形を変えたものに他ならないからだ。日本人にとってsportsとはplay(遊戯)ではなく、あくまでtraining(訓練)なのである。いやpractices(修行)といってもいいかもしれない。“修行”だから「苦しいのが当たり前」という発想になり、これが「熱血指導」という名の、指導者から教え子への一方的な暴力を容認する土壌になっているのではないだろうか?
しかし冷静になってみれば、33歳にもなったオッサンが指導者という立場を盾にとって、反撃・反抗など決して許されない20歳も年下の中学生の両腕を骨折させるほど蹴りを入れるような事を僅かでも許すような風潮は歪んでいるとしか言えないとし、またそんな行為に及ぶ人間を「熱血指導者」として持て囃すなんてナンセンスの極みだと思うのだが……。
「抵抗できない部下をなぐるような男が、軍人として称賛に値するというなら、軍人とは人類の恥部そのものだな。そんな軍人は必要ない。すくなくとも、私にはね」
(by.ヤン・ウェンリー:銀河英雄伝説 より)

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上のセリフの「軍人」を「スポーツ指導者」、「部下」を「教え子」に置き換えてみれば、分かりやすいのではないか?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

元Jリーガー卑劣 「黄金の足」で教え子両腕折った
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130412-00000032-sph-soci