とはいえ一度に4~5個の駅弁を平らげても平然としていた若き日の体力は既に無く(苦笑)、無理せず肉系と魚介系の駅弁を1つずつチョイス。どちらも今年の新作駅弁との触れ込みだったので購入してみた。

厚切り牛たん弁当(1,300円:税込)
まず宮城県・仙台駅の『厚切り牛たん弁当』。本大会で先行発売の後、駅売店で販売を開始したのだとか。駅弁の牛タンといえば薄ーーっくスライスされているのが定番だが、この駅弁は牛タン専門店にも引けを取らない厚みの牛タンが5切れも乗った贅沢な一品。その他は麦飯、紅白はじかみ、万来漬、味噌南蛮と最低限のラインアップで「分厚い牛タンを食べてもらう」ことに特化した潔い駅弁。実演により会場内で焼かれる牛タンに食欲中枢を刺激されたのか、購入希望者による行列ができ、30分待ちの状態だった。
冷めると他の肉類よりも味の劣化が激しく、駅弁の食材として扱いが難しい牛タンで、一定以上の旨味と柔らかさを維持しているのは称賛に値する。ただ、やはり温かいほうが美味しいかな……。駅弁のレビューとしては邪道なのを承知で書けば、この駅弁は車内で食べるのではなく、購入して帰宅後にレンジでチンして旅の思い出に浸りながら食べるのが正しい用法のように思う。

瀬戸内しらす物語(1,000円:税込)
こちらも今回初登場、広島県・広島駅の『瀬戸内しらす物語』。ドンブリ状の容器の中には、ご飯の間にシラスの山椒煮が挟まれ、さらにご飯の上に釜揚げシラスが敷き詰められている。そして注目したいのは、別添の温泉玉子、小イワシの天プラ、漬物2種、刻み海苔、ダシ醤油、イリコダシといった数々のトッピング。
シラスの乗ったご飯だけ食べても美味しいのだが、次に温泉玉子を割り入れてダシ醤油を掛けて食べ、最後にイリコダシを掛けてお茶漬け風にして食べるのである。まるで名古屋名物『ひつまぶし』のように、1度に3通りの美味しさが楽しめてしまうお得感満載の駅弁である。
列車内という狭い空間で食べる駅弁の宿命を考えると、温泉玉子を割りいれてダシ醤油を掛けるとか、別添のトッピングを食べる時までキープするスペースを確保しておくといった細かい手間暇を強いるのは辛いものがあるが、このお得感は捨てがたい。というより私は相当気に入ってしまった。広島駅弁の食材といえば牡蠣と穴子という印象があるのだが、第三極としてシラスが食い込んで来るか!?
全4回となった『2013年 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会』レポートも無事終了。
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m(_ _)m
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