その影響が博物館や教科書会社や占星術といった分野だけに留まらず、意外なところでも出ているようだ。
「冥王星する」?:米国06年の言葉に 「降格」の意味で
(毎日新聞)
冥王星が惑星から降格されたことを受け、米国では冥王星を意味する“Pluto”が、“plutoed”という動詞形で使われるようになったという。「格下げする」とか「価値を下げる」といったニュアンスで用いられるとのこと。記事中では “plutoed”が2006年のワード・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことが伝えられている。冥王星は20世紀に入ってアメリカ人が発見した(元)惑星で、アメリカ天文学会の誇りであった。よって降格直後、アメリカでは相当な不満があったと聞く。それをいわばジョークとして切り返しているのだから、アメリカ人の打たれ強さも相当なものだ。
ところで、こうした流行り言葉は時がたつと共に廃れていくのが通り相場だが、以外に一般名詞として定着してしまうこともあるのが言葉というものの面白さだ。例えば、水死体を表すドザエモンという俗語。これは水死体の様子が色白で肥満体であった江戸時代の力士、成瀬川土左衛門(なるせがわ どざえもん)に似ていたことに由来するのだが、使われ始めた当初はまさか数百年後の未来においても水死体をドザエモンと称しているとは想像すらされなかっただろう。そしてなにより、当の成瀬川土左衛門本人が、そんな不名誉な形で歴史に名を残すことになろうとは夢にも思わなかったに違いない。
果たして“plutoed”は、冥王星は惑星から降格されたという事実をリアルタイムで知っている世代がいなくなっても使われ続けられるのだろうか? ネガティブな表現の方が人々の印象に残りやすい部分もあるから、意外に辞書にも載るぐらい出世(?)したりして…
で、しまいにはこんなのにも載る、と。