(時事通信)
過保護な親から偏食を矯正されなかったり、過度なダイエットに入れ込んだりして、バランスの悪い食生活を送っているといわれている若者に比べ、高齢者の方々は和食中心にバランスのよい食生活を送っているイメージがある。ところが上の記事を読むと、どうやらそうではないらしい。高齢者の方にも栄養バランスの偏りという問題が生じている模様だ。
例えば9割近い高齢者の方々は肉類を毎日は食べないそうだ。生活習慣病を気にしている…という面もあるのだろうが、そもそも年齢を重ねたことで脂っこいものを体が受け付けなくなっている部分もあると考えられる。ただ、若いうちなら
「肉、嫌いだもの」
(by綾波レイ)
で済むかもしれないが、肉は良質なタンパク質を手軽にとれる重要な食品である。タンパク質は臓器・筋肉・血液・皮膚・骨といった体の各部位だけにとどまらず、酵素、ホルモンなどを作る原料になる大切な栄養素である。またカルシウムや鉄分などの栄養素を吸収しやすく効果もある。そしてタンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできているが、体内で合成することができない9種類(成人は8種類)を必須アミノ酸といい、これらを摂取するのに肉類は非常に効率的な食品なのだ。長寿で知られる沖縄の人々が豚肉を良く食べることで有名なように、高齢者の方にこそ食べて欲しい食材なのである。
また高齢者の方々の栄養バランスに偏りが出るもうひとつの原因が、一人暮らしになった方が多いということ。これは若者も高齢者の方も変わらないだろうが、毎日料理を作るのが面倒ということで、調理済みの惣菜を買って済ませたり、作り置きして何日も同じものを食べ続けたり、といった食生活にどうしてもなってしまう。かく言う自分も状況は一緒。これに関してはなるべく多彩な食品を食べるよう気をつけるといった自己管理だけでなく、何らかの形で「誰かと一緒に食事する」のを習慣化するのが良策だろう。
特に高齢者の方は足腰の衰えから出不精になりがち。だから最近話題になっている孤独死の問題を回避するためにも、積極的に外に出て人と触れ合うようにすれば良いのではないか。
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