(サンケイスポーツ)
『TOTO(トト)』に代表されるサッカーくじの年内販売が終了したが、前年より11億円近い減少となり、売り上げ低下に歯止めが掛からないそうだ。主力商品(?)である『TOTO』の売り上げは前年比で四割弱減少したし、最高当選金額6億円という触れ込みで話題となった『BIG(ビック)』にしても導入時期が今年9月と遅かったのがネックとなって売り上げ総額は振るわなかったとのこと。
『サッカーくじ』というのは通称で本当は『スポーツ振興くじ』である。公営ギャンブルのひとつで、収益は日本サッカーの振興に使われる…というのは誤解で、収益金は各種スポーツ施設の建設、各種地方スポーツクラブの運営や選手の育成、さらに生涯学習としてのスポーツの発展といった、日本のスポーツ文化の発展・高揚に広く使用されるものである。とはいえ、年々歳々売り上げが落ちているので、高邁(こうまい)な理想の実現には中々寄与していないのが現状ではあるが。
しかし自分はこの現状に然程驚きを感じてはいない。自分はスポーツ振興くじ――つまりスポーツを賭けの対象にすることは、日本人の文化風習に合わないと考えていたからである。
なぜなら日本人にとってスポーツとは、サムライが行う武術訓練が形を変えたものだからだ。そこに求められるのは結果ではなく、ましてやそれを通じて楽しさを感じることではなく、どこまでもどこまでも追い求め、探求し、成長し続ける姿勢にこそある。武士“道”というぐらいで、道は果てしなく続いており、終わりはないのだから。この武士道精神の影響で日本人には「目先の結果に一喜一憂したり、増して賭けの対象にするなど恥ずべきこと」とする感覚が根強くあり、『スポーツ振興くじ』の売り上げが振るわない要因になっていると思う。
まぁワールドカップに代表される国際試合やセリエAを始めとする海外リーグに比べれば、まだまだ日本の国内試合のレベルは及ぶものではなく、とても賭けの対象として興味をそそられるものではないという現実的な問題もあるが(笑)。もっともっと日本サッカーのレベルが上がれば、状況に変化もでるかな?
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