
天妃前まんじゅう ペーチン屋 (和菓子 / 県庁前駅、壺川駅、旭橋駅)
沖縄都市モノレール(ゆいレール)県庁前駅から徒歩10分ほど。県庁前通りを過ぎて左折、ハーバービュー通りを暫く進んで歯科医のある角を右折して産婦人科の医院え続く路地を進んだ所にある(詳しい場所は上部リンク先、または記事下の地図を参照)のが、今回の目的地である『ペーチン屋』さん。曾祖母から続く味を今に伝える、沖縄の伝統的な和菓子「天妃前(てんぴぬめー)まんじゅう」のお店である。

店内の様子
テイクアウトが基本のお店なので、イートイン用スペースは隅のほうにテーブル席が1セットあるのみ。早速腰掛けてオーダーを通す。

まんじゅうセット(500円:税込)
注文したのは、天妃前まんじゅう2個とドリンクのセット。ドリンクはコーヒー(アイス・ホット)、紅茶(アイス・ホット)、抹茶入り玄米茶から選べる。今回は残暑厳しいなかを歩いてきたのでアイスティーを選択。

これが、お目当ての天妃前まんじゅう。薄皮から中の餡が透けて見えるのが分かる。

手で割って見ると、こんな感じ。中の餡は「はったい粉」もしくは「麦こがし」と呼ばれる、大麦を炒って焦がし臼で挽いて粉にした物に黒砂糖で甘味をつけたもの。これをメリケン粉の薄皮で包んで蒸し上げると、天妃前まんじゅうの出来上がり。
食べて見ると、冷たいのにモチモチ感を全く失っていない皮と、餡の素朴な甘さが美味しいのは勿論だが、加えて仄かに漂う、お香(アロマ)のように気持ちを落ち着かせる心地良い香りに、私は驚きを隠せなかった。これまでの人生において嗅いだことの無い香りだったからだ。後で調べたら、それは「月桃(げっとう)」という植物の香りで、天妃前まんじゅうは月桃の葉の上で蒸し上げることで、この香りをつけるとのこと。
沖縄には、餅粉を捏ねて黒砂糖などで甘味をつけ月桃の葉に包んで蒸す「ムーチー(沖縄方言で「餅」の意)」という伝統菓子があるそうなので、沖縄県民にとってはポピュラーな香りなのかもしれないが、少なくとも私にとっては衝撃だった。あまりに衝撃だったので、同店での会計時に持ち帰り用の天妃前まんじゅう5個入りパックを購入してホテルで改めて味わったほどだ。
皆様も那覇へお越しの際には、『ペーチン屋』さんの天妃前まんじゅうを味わってみてはいかが?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
