謎の紫色のカーテンで酒類販売スペースが覆われていた。
「？ 商品の入れ替えでもしているのか。それにしては仰々しい…」と思ったが、あることに気がついた。
そうか、明日（16日）はボジョレーヌーヴォーの解禁日だ！ なるほど、それで大げさな準備をしているのか。
ボジョレーはフランス南東部にあるワインの産地であり、ボジョレーヌーヴォーとはその年の11月に出荷される新酒のことである。その昔、このボジョレーがよく売れるということで各メーカーの競争が激化した結果、まだ出来てもいないワインを出荷してしまう事態になったことから、これを防ぐために解禁日を儲けた（昔は11月15日だったが、今では11月の第3木曜日が解禁日になっている）。
そして折りしもバブル真っ只中の日本で、時差の問題から日本が世界一早くこのワインが飲めることに誰かが気がついた。そして初ガツオの例を取るまでも無く『初物好き』で知られる日本人の心を煽ったことから、現在まで続く日本でのボジョレー祭りが始まったのだ。バブル崩壊後に一旦は下火になったのだが、その後誰かが「赤ワインに含まれるポリフェノールは体にいい」なんて言ったことで『体にいいもの大好き』な日本人の魂に火がついて、今ではバブル期を越える市場規模なんだとか。
しかし、今年はボジョレーヌーヴォーの輸入量は減少傾向だとの話を聞いた。ユーロ高/円安が続いていることによる仕入れ価格の高騰に加え、飲酒運転による事故が社会問題化している中では、派手な試飲イベントが開けないのが痛いのだそうだ。そのうえ昨年はボジョレーヌーヴォーの出来が良く『奇蹟のヌーヴォー』などと誰かが吹聴したために、その尻馬に乗ったお蔭で在庫を抱えまくった小売店舗が今年は仕入れに慎重な姿勢をとっているのが痛いのだとか。
このコンビニでも普段は置いていないワインに合う様なチーズのセットを陳列するなど工夫はしていたが、従業員の様子は極めて普通で「他の店もやっているから、一応足並みを揃えておくか」ぐらいのスタンスなのかなぁと感じた。それともミーハー的なブームが過ぎ去って、完全に季節の風物詩として日本人の生活に溶け込んだと考えるべきなのかな？
いずれにせよ、下戸の自分にはあまり関係無いけれど…。
うまいのかどうなのかもわかりませんｗ
たぶん買ってもブドウジュースで割って飲むくらいの人間なのでもったいなくて買えません。だってそれならブドウジュースだけ買うしｗｗ
全く同感です。でも、こうしたお祭り騒ぎに参加できないときは、下戸の自分が少々不自由に感じます。