2006年10月24日

携帯番号ポータビリティーがスタートしたが…

本日から携帯番号ポータビリティー=MNP (Mobile Number Portability)がスタートするとあって、今日はTV・新聞各社ともこの話題を大きく取り上げている。あるアンケートによれば、MNPを利用したいとの意見が業界内で一般に想定されている数字の約2倍に当たる20%超もの数値になったそうだ。

もちろんアンケートに答えることと、実際に必要書類を持参してショップに赴き契約書に必要事項を記入して契約料を(場合によっては違約金も)支払ったうえ関係者にメールアドレス変更の通知を出し気に入っている音楽やゲームを再度お金を掛けてダウンロードしてまで事業会社(キャリア)を乗り換えることは別の話である。だが、もしそこまでのガッツがある人が携帯電話利用者の20%超いるとするなら携帯電話会社の勢力地図が大きく変化してもおかしくない。

ところが、携帯電話マニアの同僚から面白い話を聞いた。実はMNPによって想定以上にユーザーが動いてしまうと、事業会社にとってマイナスだというのだ。理由を聞くと…。

「販売奨励金て知ってる?」

皆さんも、店頭で新品の携帯電話が0円で売られている、という光景を目撃したことがあるのではないだろうか。その秘密が販売奨励金。携帯電話端末は各メーカーが製造し、キャリアに納入される。キャリアは納入された端末を販売店に卸すのだが、その際に販売奨励金が販売店に支払われる。販売店はこれを原資として端末を値引き販売するのだ。

なぜキャリアが販売奨励金を支払うかというと、販売促進のため。その端末を買った人が、仮に端末を買い換えたとしても他のキャリアに乗り換えることなく、今後通話やメールなどで同じキャリアを利用し続けることを前提として支払らわれる。キャリアは各種料金割引プランを提示して競い合っているが、それも通話やメールで同じキャリアを利用し続けて貰えばどんな料金プランでも利益が出る仕組みになっているからこそ出来ること。

その前提がMNPによって崩れさってしまうことになる。MNPによって流入してきたユーザーは、いつまたMNPによって流出するとも限らない。これを防ごうとしてキャリア間で顧客獲得合戦が始まれば必然的に販売奨励金も増え、それは各社の営業利益を確実に圧迫していく。

以前孫正義氏が「料金競争は行わない」と明言していたにも関わらず、昨夜ソフトバンクモバイルが電撃的に新料金体系を打ち出し、しかも「他社が対抗値下げした場合は、24時間以内に更なる値下げを発表する」と豪語した。それに対しKDDI(au)側が「顧客動向を見極めながら判断する」と一蹴したのも、利益を削る程の顧客獲得合戦を始めたくないからだろう。シェアが拡大しても利益が縮小したのではキャリアにとっても意味が無いはずだ。

もっとも、こういった話も、意中の女性とキャリアを揃えて将来の家族割引サービス適用への布石を打つ(笑)以外の目的ではMNPを利用しないであろう自分には、あまり縁の無い話…。
(o ̄ー ̄o) ムフフ


これはキャリアも関係ない
posted by 只今(橘カヲル) at 18:52| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(2) | 雑感:経済 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まあこういった消費者有利な値下げ合戦はありがたい限りですねw
MNPが流行っても、同じ機種の携帯って使い慣れてますからね。そこでよっぽど使い勝手が悪くなければ同社のものを使い続けてくれるんじゃないかな、と思ったり。
Posted by 記号士 at 2006年10月24日 22:41
>記号士さん
記号士さんの仰るとおり、実際問題としてMNPを積極的に利用するのは、携帯電話の諸事情にやたら詳しいマニアか、余程現在のキャリアに不満がある人か、家族割引を利用するためにキャリアを統一したい家庭ぐらいではないかと思います。
Posted by 只今 at 2006年10月24日 23:10
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