(朝日新聞)
電源コードをインターネットの配線代わりにする高速電力線通信(PLC)という技術を解禁するかどうかの最終判断がもうすぐ出るらしい。コンセントと電源コードの間にPLCモデムという装置をはさむだけで、他に特別な配線工事をすることなく手軽に高速インターネット回線が家庭に引けるとして政府主導で推進してきたものの、反対意見が噴出してしまっている。このPLCは電源コードに本来の使い道でないインターネット接続回線の真似事をさせるため、コードがまるでアンテナのようになってしまい、ノイズが漏れてしまうとの事だ。
光ファイバー回線の普及に伴いADSL(非対称デジタル加入者線)などDSL(デジタル加入者線)の契約数すら減少に転じ始めている現状、少なくとも自分はこの技術に魅力を感じない。光ファイバー回線よりも遣り取りできる情報量が少ない上に、ノイズが漏れるとアマチュア無線や短波放送などを受信する際に影響が出る恐れがあるというのでは、ちょっと腰が引けてしまう。自分はアマチュア無線もしないし短波放送も聞かないが、自分がPLCを使うことで、アマチュア無線や短波放送を楽しみたい隣人に影響が出てしまう…という事態に陥ったらトラブルの元だからだ。
ADSLなどDSL契約数、初の減少…光が急増
(読売新聞)
高速電力線通信(PLC)とは?
(高速電力線通信推進評議会
ただ記事を読む限り、一部のメーカーはPLCにかなりの投資をしているとのこと。それゆえ今まで推進してきた政府筋同様、なんとか解禁に漕ぎ着けたいという気持ちは分からないでもない。だがメーカー筋から出てきたこの台詞を見てしまうと『まず解禁ありき』に執着しているかのようなイメージを抱いてしまうのも事実だ。
「ノイズが出るのは事実だが、市場に製品が出れば利用者の声も集まり、改善点もはっきりしてくる」
改善点はノイズを何とかすることではないのか? 扱う情報が日増しに巨大になる昨今、インターネットへの接続技術は1にも2にも速さが求められる。その点ではPLCもDSLも光ファイバー回線までのショートリリーフでしかない。それなのにメーカー側が自ら「見切り発車」と取られかねない発言をするのは得策ではないと思うが…。
参考資料(になるかな?)
メーカー側の「見切り発車」というのは、まさに言いえていると思います。この期に及んでアマ無線連盟が賛成に回ったのも、もう片方の顔はメーカーの偉い人だったりするんでしょうね。
ちなみに、アライアンス毎に通信方式が違うため、別アライアンスの製品をコンセントに差し込んだ途端、全てのPLCが使い物にならなくなる、というのが技術側の実情のようです。