2011年10月29日

大王製紙の「三代目」井川前会長による100億円を超える子会社からの借り入れについて思う

「売家(うりいえ)と唐様(からよう)で書く三代目」という川柳がある。唐様とは江戸時代に流行った中国風の書体のこと。初代が築いた財産を遊興に耽って食い潰し、遂には持ち家を手放すまでに至った三代目が書いた「売家」の文字が、道楽で身につけた唐様で書かれた洒落たものだった、という意味である。

この川柳は、初代が富や名声を築いた苦労も三代目にもなると忘れられしまう事を皮肉ったものだ。自ら苦労した初代、その様子を間近で見ていた二代目と違い、富や名声を得たあとの事しか知らない三代目には、こうしたリスクが発生する危険性が高い。だから自分自身も周囲の人間も気をつけなければいけないのだが・・・。



製紙業界では国内有数の大企業である大王製紙。その創業者である井川伊勢吉氏の孫にあたる同社の井川意高(もとたか)前会長が、同社の了解を得ずに連結子会社から僅か1年半の間に100億円を超える借り入れをしていた問題は、既に大きく報じられているのでご存知の方も多いと思う。記事によれば、大王製紙が、一代で大きくなった会社にありがちな、創業者一族の権限が超絶的で誰も逆らえないという状態にあったという。

中小企業で、オーナー社長やその家族が、自分たちが私用で使った諸々の費用の領収書を会社に回して会社の経費扱いにさせるような公私混同をしているケースがあるという話を耳にする。井川前会長にしてみれば、子会社への100億超の借り入れも「そのぐらいの感覚」だったのではないだろうか?

もちろん中小企業レベルでも糾弾されるべき行いだが、それを東証一部上場企業の役員がやってしまったというのは問題がありすぎる。別の記事によれば井川前会長は100億円をカジノで散財したとのことだが、道義的責任のみならず、社会的・刑事的責任を取る必要も出てくるだろう。このあたりについては続報を待ちたいところだ。

それにしても、苦労を重ねて社会的成功を成し遂げ、莫大な富を手にしても、孫子の代まで考えれば決して安泰とはいえないということか。

「お嬢さん。無一文の男が大富豪に『お前なんかに金のない悔しさが分かってたまるか』って言った。大富豪はなんて言ったと思う?『そっちこそ金のある苦労が分かってたまるかーっ』て答えたんだってよ。ハッハッハ!」
(by.カトック・アルザミール:機動新世紀ガンダムX より)

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大王製紙巨額借り入れ 逆らえぬ威光、社を牛耳った「井川家の一族」
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posted by 只今(橘カヲル) at 07:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:事件 | 更新情報をチェックする
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