(オリコン)
日本の歴史上の有名な人物や事件を題材に、基本的に1年間という長期に渡って放送されることでお馴染みのNHK大河ドラマ。題材として取り扱われることが決まった人物については、その業績などを紹介したりする書籍が出版されたり、出生地など縁(ゆかり)のある土地では関連グッスが作られたりするなど、一般社会への影響も大きい。
さて、このたびオリコンで『大河の主人公として描いてほしい歴史上の人物』をテーマにアンケートを実施したところ、トップ10については以下の通りとなったとのこと。
(01)聖徳太子
(02)織田信長
(03)真田信繁(幸村)
(04)卑弥呼
(05)伊達政宗
(06)高杉晋作
(07)沖田総司
(08)紫式部
(09)宮本武蔵
(10)明智光秀
さすがにTOP10だけに、どの方々の名前を見てもランクインには納得だ。ただ“戦国の覇王”織田信長を抑えて聖徳太子が一位にランクインされているのは少し驚きだった。
聖徳太子(厩戸皇子)は「一万円札に描かれている人」ではなくなってから久しいが、それでも以下のような業績があり、知名度だけでなく日本史上における重要度も高い。
1.推古天皇の摂政として天皇を中心とする国家の基礎を確立した。
2.外国の宗教であった仏教を日本に導入し、国内での興隆に尽くした。
3.外国(中国)に使節を派遣して外国の進んだ知識や文化の導入に努めた。
また「10人の話を一度に聞いて理解した」といった賢さを示す逸話が有名で、理知的な優等生のイメージが強いが、若かりしころは蘇我氏と物部氏という豪族同士の争いが起きた際には自ら武装して戦場に出るといった勇ましいエピソードもある。また聖徳太子が制定した日本初の成文法である憲法十七条に記されている言葉は、
「だめよ。アスカは行ってらっしゃい。和をもって、尊しとなーす!!」
(by.葛城ミサト:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 より)

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というように、現代でも普通に引用されるぐらいポピュラーだ・・・と書いているうちに、意外どころか「なぜ今まで大河ドラマで取り上げられなかったのだろう」という疑問が湧いてきた。やはり信頼に足る資料が少ないのがネックなのか。
となると、下手にドラマ化してしまったら「聖徳太子の名前を借りてきただけのファンタジー」になってしまう危険がある。特に昨今の日本のドラマは、時代劇、現代劇問わず映像技術は驚くほど進化している一方で、知名度優先のキャスティングに頼ってきたツケなのかストーリー面での工夫が弱いので、なおさらその危険がある。
日本のドラマ界は、優秀な脚本家を育てることにも力を入れていくべきではないだろうか。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

大河ドラマで描いてほしい偉人、1位は「聖徳太子」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110926-00000341-oric-ent