
JR札幌駅
東京から飛行機で新千歳空港に移動し、そこから列車にて宿のある札幌まで到着したのは既に夕方だった。台風の影響で外は雨が降っており、ホテルにチェックインしてから夕食のために再度外出するのは億劫と感じた私は、

弁菜亭 本店 (そば(蕎麦) / 北13条東駅、札幌駅(JR)、さっぽろ駅(札幌市営))
札幌駅の構内にある駅弁販売店『弁菜亭』さんで夕食用に駅弁を購入してからホテルに向かった。

北海道の味 SL弁当(1,100円:税込)
食材の宝庫である北海道だけに魅力的な駅弁が多く、どれを購入するか悩んだのだが、鉄道ファンの心をくすぐられたので上の写真にあるSL弁当をチョイスした。パッケージの写真は、北海道内で動態保存され、今も観光用列車の牽引に用いられるC11型蒸気機関車の171号機。

こちらが蓋を開けたところ。蓋の裏側にC11の図解があり、各部の名称や全長などのスペックが記載されているのいるのが素晴らしい。
一方で中身はプラスチック製の白いトレーに敷き詰められている。蓋と中身が接触するのを防ぐために透明なフィルムが掛けられているのだが、そこにも簡単なSLの側面図が描かれている。そして肝心の弁当の内容だが、その内容はウニ、イクラ、カニが上に乗った海苔巻きと鮭の笹寿司をメインとし、タケノコ、コンニャク、フキ、インゲンなどの煮物、カニ焼売に鮭昆布、帆立のコーン焼き、牛肉のゴボウ巻き、卵焼きなどなど。

ここで注意深い人なら気づくかもしれないが、弁当下部にある3つの海苔巻きは動輪を、鮭の笹寿司はシリンダーを、牛肉のゴボウ巻きは従輪を、弁当上部に配置された煮物などのオカズは、それぞれ煙突、砂箱(動輪が線路で滑らないように巻くための砂が溜めてある)、蒸気溜め(自動車のアクセルあたる加減弁がある)を意識した配置となっている。前述の透明なフィルムに簡単なSLの側面図が描かれていたのは、これを認知させるためだ。

このような所謂「企画もの」の弁当は、企画のコンセプトを優先させるあまり味のほうが疎かになってしまうケースも見受けられるのだが、このSL弁当はご飯類もオカズも一つ一つが良いお味で、とても美味しくいただける。量も十分にあり成人男性の胃の腑を満足させるには十分だ。
一見マニア向けの企画もの駅弁、実体はハイクオリティな幕の内弁当、それがこのSL弁当の正体といえるだろう。伊達に1980年の誕生以来20年以上も愛されているわけではない。

ところで、このSL弁当には食べた後にもお楽しみがある。弁当箱の裏面がペーパークラフトになっているのだ。ミシン目などは入っていないので製作には刃物と糊が必要になるが、自宅まで箱を持ち帰って旅の思い出に浸りながら作るのも、また良きかな・・・。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
