(スポーツニッポン)
2010年サッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会へ向け始動した新生日本代表・オシムジャパン。親善試合だったとはいえ2―0で勝利を収めたのだから、オシム監督自身も内心ホッとした部分はあるはずだ。しかし自分の挙げた課題をクリアできていなかった選手がいた点を指摘し、彼らに更なるレベルアップを要求した。
※以下青字部分、オシム監督の言葉を引用
「選手たちが走る力を持っている間は良い試合ができた。しかし、気がかりなのはサッカーは試合時間が90分ということ。きょう出場した中に90分走ることのできない選手がいた。(日本人は)1対1の点では不利。相手よりどれだけ多く走れるかで勝負しなければならない。きょう得た大事な教訓は走るということ。これが感想です」
ところで「日本のサッカー選手は後半になると殆ど動きが止まってしまう」との指摘は、なにもオシム監督の専売特許ではないはずだ。それこそJリーグが発足し、日本人がサッカーの海外プロリーグやW杯に代表される国際試合を目にする機会が増えた時分から方々で再三指摘されていたはず。なぜ今更クローズアップされることになったのだろうか?
酷な言い方だが、これがドイツW杯予選リーグ敗退での一番の収穫だろう。『2006/07/10 ワールドカップが終了して残ったもの』でも書いた、日韓共催大会終了からこれまで日本人がなんとなく抱き続けてきた「日本のサッカーも世界に通用するレベルになったんだなぁ…」という想いが幻想に過ぎなかったと気づいたことによる、現実の再認識。
90分間ピッチ上で存分に動けるだけのスタミナ――即ち基礎体力をつけるのは、非常に地道で気の長い、そして面白みの無い反復練習を長時間継続的に行って初めて成果が現れてくるもの。だがそんな地味な行動を嫌うのは人として寧ろ当たり前だし、我々観客にしても、そんな努力を積み重ねる方よりピッチ上で派手なプレーをする方に注目し、賞賛を浴びせる。すると選手側も益々基礎体力をつける鍛錬を後回しにして…という悪しき連鎖が、イビチャ・オシムという名将を得たことにより断たれようとしている。
だがこれを実行できるのはオシム監督ではない。オシム監督ができるのは、そのアドバイスだけ。悪しき連鎖を実際に断ち切るのは選手と我々観客なのだ。昨日の日本代表の勝利が、その第一歩であることを願う。
硬い話になってしまったので、少し余談を。
川淵C解任要求デモに500人
(スポーツニッポン)
ナベツネさん相手に丁々発止と遣り合っていたころは英雄扱いされていたけれど…諸行無常、盛者必衰。
オシム・ジャパンの試合観戦に必携の一冊