だが、前出した暴行事件についての報道合戦が繰り広げられるなかで海老蔵氏による数々の奇行も明るみに出た。今回の復帰劇も、その奇行癖が頭をもたげたためか簡単には幕を下ろせなかったようだ。
復帰の海老蔵、大丈夫!? 出勤時にイヤホン運転
(スポーツ報知)
海老蔵氏は舞台初日の朝に自家用車を運転して都内の自宅を出たのだが、その際、両耳にイヤホンをしていた。記事にもあるように雑音をシャットアウトして本番へのモチベーションを高めるためか、それとも早朝から自宅前に集まった20人を超える大勢の報道陣の質問攻めに対し、
「ハ――ン? 聞こえませんなァー」
(by.前田慶次:花の慶次 -雲のかなたに- より)

花の慶次―雲のかなたに (第1巻) (Tokuma comics)
といったような惚(とぼ)けた返事をしてスルーするためか、それとも純粋に音楽を聴いていたのかは定かではないが、これに法律違反の可能性が指摘されたのだ。
東京都で定めた条例『東京都道路交通規則』の第2章「運転者の遵守事項等」の第8条「運転者の遵守事項」の第5号に以下のような記載がある。
『東京都道路交通規則』第8条第5号
高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。
記事によれば海老蔵氏の「両耳にイヤホンをして車を運転する」行為によって運転に支障が出る場合、道路交通法の安全運転義務違反に該当するとのこと。
音楽を聞きたいのであれば一人で車に乗っていたのだしカーステレオで聞けば良いはず。とすればやはり、本番へのモチベーションを高めるためか報道陣の質問に「聞こえないふり」をするためかは別として、海老蔵氏は耳栓替わりにイヤホンをつけていたのではないだろうか? しかしこれは大変危険な行為だ。
少し話は逸れるが、聴覚障害者(補聴器を用いても、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない人)であっても運転免許の取得は可能だ。だが運転できる車両は限定されるし、車自体にもワイドミラーを装備するなどして後方視野を確保し、車両斜め後方の死角解消が求められる。さらに運転時には車体に聴覚障害者標識をつけなければならない。
要するに、車の運転において「音が聞き取りにくい(聞こえない)」のはハンディを背負うということだ。少なくとも車の運転中に緊急車両や歩行者などの接近に気づくのが遅れる危険性は十分に考えられる。
マスコミの質問攻めに対し耳を塞ぎたい気持ちはよくわかるが、もう少し海老蔵氏も大人の対応をしても良いと思うのだが……。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

海老蔵、9か月ぶり舞台復帰 父子で「祝杯」…七月大歌舞伎
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110703-00000023-sph-ent