2011年06月24日

高速増殖炉『もんじゅ』事故を起こしていたって知ってました?

福島第一原子力発電所の事故については連日ニュースを賑わせ続けている。こちらは終息までまだ遠い道のりが続くようだが、その一方で、全くといっていいほど報道されていないが、同じく原発関連の事故がひとつ終息を迎えたのをご存知だろうか?



昨年8月、福井県敦賀市の高速増殖原型炉『もんじゅ』の原子炉容器内に、核燃料のプルトニウムを装着するときに使う炉内中継装置(直径46センチ、長さ12メートル、重量約3.3トン)が落下。その衝撃で装置が変形し長らく抜けなくなり原子炉を休止させることができなくなってしまっていた。

取り出さないと原子炉を停止させられない。よって臨界させないよう騙し騙し運転が続けられ、その間に落下した装置の引き上げを何度も試みるもうまくいかず、遂には担当者が自殺に追い込まれる事態にまで陥っていた。

そんな大問題が、本日の早朝にようやく解決した。



本日の早朝、日本原子力研究開発機構は『もんじゅ』の原子炉容器内に約10カ月間落下したままになっていた炉内中継装置の引き抜きを終えた。作業は予定より7時間近く遅れた昨日の20時50分から始まった。前述のとおり装置は昨年8月に落下した衝撃で変形したため、

「俺のスタンドで引っこ抜いてやるッ!」
(by.空条承太郎:ジョジョの奇妙な冒険第三部 より)

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超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 1.スタープラチナ

パワーと精密な動作に定評のあるスタンド・スタープラチナで引っこ抜くのではなく(苦笑)、炉の開口部の鞘――つまり装置が引っかかっていた部分ごと丸ごと全部――一緒にクレーンで吊り上げたそうだ。

調べたところによると、これまで引き抜き作業は20回以上失敗しているとのこと。今回の作業においても関係者はさぞ緊張の連続だったと思われるが、まずは成功してなによりだったと思う。現場の作業員の方々、本当にご苦労さまでした。

しかし問題はこれからだ。日本原子力研究開発機構は炉内に脱落した部品がなければ、今年度中に試験運転を再開したい構えだそうだが、運転再開に際して事前協議をする協定を機構と結んでいる福井県は東日本大震災後、トラブルや定期検査で停止中の県内の原発について再稼働を認めていないからだ。

電力会社がマスコミの有力スポンサーという事情もあるのか、これまで本件に関する扱いは小さかった。福島第一原子力発電所の事故で世論が反原発に大きく傾いていなければ、何事もなかったかのように運転が再開されていたのではないだろうか。

そもそも約10カ月もの間「迂闊に手が出せない状態」で放置されてた原子炉容器に異常はないのか? 装置落下の衝撃による損傷の程度は? など気になることはたくさんある。これらをクリアした上で、大人しく廃炉にする方向で調整するのが望ましいのではないか。

いくらメリットがあっても僅かなミスで全てが灰燼に帰す――原子力発電は、あまりにもリスクが大きすぎる技術であることを我々はこの3カ月ぐらいで十二分に学んだはずだが……。


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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もんじゅ装置引き上げ完了
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110624-00000118-san-soci
posted by 只今(橘カヲル) at 23:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:社会 | 更新情報をチェックする
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