(読売新聞)
東京・銀座の銀行前に偽の夜間金庫を設置し、現金を騙し取ろうとした男が逮捕されたとのこと。その手口とは銀行の夜間金庫前に『夜間金庫 仮設投入口』というシールを張った偽の金庫を設置し、投入された現金を盗もうというもの。一時約400万円もの現金が“預け”られたが、警備員が気付いて未遂に終わったという。
これだけなら「実害が無くてよかった」として、犯人が然るべき裁きを受けて終わる話。自分が気になったのは、犯人の供述である。
「同じ手口をテレビで見て『これなら自分もできる』と思った」
最近の報道番組は視聴率を意識する余りエンターテイメント性を過剰追求する傾向にあるからか「模倣犯がでるのでは…」という指摘に目をつぶり、事件・事故が起こった背景、動機、そして手口などを時には再現VTR、時には模型、時にはCGを駆使し、さらには専門家のセンセイもスタジオに招いて極めて丁寧に事細かく懇切丁寧に説明してくれる。各局の主要報道番組をハシゴすれば一通りの犯罪知識が身についてしまうから、今回のように良からぬことを考える輩が出てくるのはある意味当然といえるだろう。
そろそろ、こういった報道姿勢について考え直されるべき時期ではないだろうか?
今回はこの犯人が『残念!二匹目のドジョウは居なかったで賞』を受賞しただけで済んだが、取り返しのつかない事態が起こる前に手を打つべきだと思う。