昨日、福島第一原子力発電所から半径20キロ圏内『警戒区域』内にある福島県川内村の住民が、僅か2時間ではあるが一時帰宅を許された。貴重品や思い出の品を運び出すためだが、それに先立っての説明会会場で、国側が「警戒区域に自己責任で立ち入る」旨が記載された同意書に署名を求めたことで、住民側から反発の声が上がったと記事は伝えている。

産経新聞より、住民にサインを求めた同意書
政府の現地対策本部担当者が「放射能汚染を含めたリスクが存在することを村民に了解してもらうことが目的」と釈明したが、川内村の遠藤雄幸村長も「同意したうえで一時帰宅するのだから、改めて署名を取る必要はない。役人仕事でやめたほうがいい」と批判したとのこと。
被災され、避難生活が長期化している住民の皆さんの怒りや反発や苛立ちは十分に理解できるが、同意書にサインを求めたこと自体は必要な措置だと思う。被曝の危険があるから警戒区域に設定され立ち入りに制限がかけられているのであり、そこに自らの意思で立ち入りたいというのであれば、それによって起こりうるリスクについては自己責任であることを承諾してもらう必要がある。なにしろ「リスクがあるから立ち入らない」という選択肢だってあるのだから。
――と書いてみたものの、どうにも
「お前の言う事は正しい。だが気に食わない!」
(by.風間大介=仮面ライダードレイク:仮面ライダーカブト より)

装着変身 仮面ライダードレイク
的な感じが私の中で拭えないのは何故だろう?
例えば、株式に代表される金融商品の取引を始めるにあたっては、その金融商品を取り扱う会社が提示する「投資は自己責任です。元本が保証されないことを承知しています」などとといった内容の同意書に承諾することが前提となっている。これはリスクのある金融商品を取引するにあたって、その危険性を十分に認識して貰わなければ取引をする投資家が不幸になってしまうから、という投資家保護の意味合いがある。
翻って、川内村住民の皆様に署名を求めた同意書には、上の画像をご覧いただいても分かるように宛名(発行者)の名前が記載されていない。つまり誰に対して同意するのかすら明確ではないが「とにかく署名だけはしておいて」という珍妙な代物だ。これではリスク認識の徹底などが目的ではなく、トラブルや訴訟になった時に責任を逃れるための担保として署名を得ようとしたと解釈できてしまう。なるほど、違和感を感じたのはこのためか……。
ともあれ被災者の方に自己責任を問うのであれば、政府や東京電力も増税や電気料金値上げなどせず、自己責任で被災者の救済にあたって欲しいものだ。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
一時帰宅の福島・川内村住民、政府の「自己責任」押しつけに激怒…震災から2か月
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110510-00000284-sph-soci

