2010年04月20日

あれから2ヶ月も過ぎたのに――まだ理事選挙の“裏切り者”についての話題が出る大相撲界に思う

立浪親方、貴乃花親方への投票否定/相撲
(サンケイスポーツ)

今年2月1日に行われた日本相撲協会理事選挙で、貴乃花親方が下馬評を覆し理事に当選を果たしたのは記憶に新しい。私も『2010/02/01 貴乃花親方、下馬評を覆し理事に当選』で取り上げた。しかし過去のしきたりや序列を重んじる相撲界においては、こうした予定外の事象は一大事となる。今日も「一門の意向を無視して貴乃花親方に票を投じたとされる立浪親方(元小結旭豊)が一門を破門される」との報道が駆け巡った。

不世出の大横綱・双葉山を生んだ本家が一門から追放されることで立浪一門の名も消滅する、と一時騒然となったものの、立浪親方自身が一連の報道を否定。立浪一門の友綱理事(元関脇魁輝)も報道を否定するコメントを出したと記事は伝えている。

大相撲における一門とは“派閥”を意味していると考えて貰って差し支えない。その成立は明治時代まで遡る。当時は年2回・各10日間で計20日しか大相撲の本場所が開催されていなかったので、各部屋は収入確保のために自主興行の巡業を各地で行っていた。

その際、自然の成り行きとして看板力士を抱える裕福な相撲部屋が小さな相撲部屋を引き連れて巡業を行うようになっていった。これが相撲界における一門の始まりで、現在では出羽海・高砂・時津風・二所ノ関・立浪の5系統が存在する。

その昔は、本場所では優勝決定戦等を除き一門内の対戦が禁じられていたり、巡業も一門を単位として行われるのが一般的であったりと、一門には現実的な意味合いがあった。そんな制度も無くなった現在、一門の持つ意味合いは薄れているのだが、それが俄然輝きを取り戻すのが2年に一度行われる日本相撲協会理事選挙なのである。理事は一門の利益代表者だからだ。

それ故に各一門には、それぞれ理事数が割り当てられ、これを一門内で前もって調整し、理事は無投票で選出されるという一種の談合もよく行われ、事実21世紀に入ってからはこの形式が続いていた。別の言い方をすれば角界は“平和”だったのだ。

しかしその“平和”に一石を投じたのが貴乃花親方の理事選強行出馬であり、一門の意向に沿わず、貴乃花親方に票を投じて当選へと導いた親方たちである。“平和”を乱した彼らを“裏切り者”呼ばわりする人が、角界では少なからずいたという。しかし

「オレは「正しい」と思ったからやったんだ。後悔はない…こんな世界とはいえ、オレは自分の「信じられる道」を歩いていたい!」
(byブローノ・ブチャラティ:ジョジョの奇妙な冒険第五部 より)

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とした貴乃花親方らの方が世間の喝采を浴びたのは記憶に新しい。

随分話が反れてしまったが、要は、あれから2ヶ月もたったというのに、まだ角界は“裏切り者”探しを続けている模様だということ。そもそも無投票状態が長く続いたことの方が異常とは思わないのか?大相撲会の改革は、まずそのあたりの意識改革から始めるべきなのかもしれない…。


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posted by 只今(橘カヲル) at 23:29| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:スポーツ | 更新情報をチェックする
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