2010年04月20日

牛丼チェーンの松屋アルバイトが労働組合を結成――えっ、賄い料理におカネを取るの!?

牛丼チェーン店の価格競争――いや、値下げ競争が激しさを増している。安く食事ができることそのものは喜ぶべきことだが、低価格実現にはコストカットが不可欠。その犠牲になっているのは末端の従業員のようで…。

牛丼チェーン:松屋フーズのバイトが労組結成
(毎日新聞)

牛丼チェーン『松屋フーズ』の埼玉県内の店舗で働くアルバイト従業員3人が、労働組合「全国一般埼京ユニオン松屋フーズ分会」の結成を同社に通告した。

記事によれば、アルバイト時の食事「賄い代」の無料化などを求めているそうで、同席した同ユニオンの嘉山将夫執行委員長は「安売り競争の激しい牛丼は低賃金に支えられており、改善を求めたい」と話しているという。なんでも松屋では、勤務時の食事は商品の半額程度まで最大割り引く仕組みなのだとか。

「松屋は賄い料理にカネをとるの!?」正直驚いた。私の実家は食べ物屋で、食事のときは従業員さんたちと共に賄い料理を食べるのが常だった。だが、当たり前であるが「賄い代」など徴収してはいなかった。従業員さんは家族も同然なのだから当たり前である。

ご存知のとおり、賄い料理とは主に飲食店における従業員用の食事を意味する。飲食店の従業員――すなわち味に厳しい料理のプロが口にするものなので味も確かで、その美味しさゆえに正式なメニューに昇格してしまったものも少なくない。

有名どころでは、つけ麺は『東池袋大勝軒』の創業者である山岸一雄氏が修行時代に編み出したものだし、親子丼は人形町の老舗軍鶏料理専門店『玉ひで』で軍鶏肉の切れ端を活用する過程で生まれたものだ。

ただ本来は、あり合わせの材料で・安価に・手早く作ることが求められるもので、客に出すものと同一の料理ではない。だから松屋の理屈からすれば「賄い料理といっても、客に出すものと同じものを食べているのだがら、料金を徴収するのが当たり前」というところなのだろう。

しかし松屋のようなフランチャイズ店舗では、材料は本部から必要なものを必要な分だけ一括で届けられるはずで、賄い料理の材料となるべき「本来捨ててしまうような材料」や「前日の残り物」が出る余地がない。それなのに「客に出すものと同じものを食べているのだがら~」という理屈は酷というものだ。

従業員からも食事代を徴収しなければならないようなギリギリの状況で安売りを実現させても、長い目で見たらプラスにならないとおもうのだが…。業界の大物である吉野家が過去最大の89億円の赤字を出すなど青息吐息なので、勝負を仕掛けているのだろうか?

「単なる消耗戦だぞ。今の我々には自分の首を絞めるに等しい」
(byブライト・ノア:機動戦士ガンダム より)

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メカニックファイル 機動戦士ガンダム ホワイトベース (BOX)

という状態でなければよいのだが。

いや、まてよ。タダにしてしまうと碌々働きもせず「タダ飯」目当てでバイトしにくる輩がいるから、やむをえない部分もあるのか…性善説を信じたいのだかなぁ。


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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<牛丼チェーン>松屋フーズのバイトが労組結成
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posted by 只今(橘カヲル) at 00:18| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:経済 | 更新情報をチェックする
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