甲子園球場にて熱戦が繰り広げられている、第82回選抜高校野球大会。昨日の第1試合で、21世紀枠で選出された向陽高校(和歌山)に1-2で惜敗した開星高校(島根)。同校を率いていた野々村直通監督(58)は余程ショックだったのか、試合後のインタビューで「負けたことが恥ずかしい。許されないことだ」、「腹を切りたい」、「恥ずかしくて立ち上がれません」などと発言した。
さらには野々村監督の口から
「ガルマの死を無駄にする訳には参りません。ザビ家末代の沽券にかかわります」
(byギレン・ザビ:機動戦士ガンダム より)

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ではなく(笑)、「21世紀枠に負けたことは末代までの恥です」とのコメントが飛び出したことから、向陽高校への侮辱および21世紀枠を設けた高野連への批判と受け止められ、批判が噴出。緊急記者会見が開かれ、同監督は涙ながらに謝罪することとなった。
21世紀枠とは第73回(2001年)大会から設けられた制度。一般選考枠以外で、たとえば部員不足などの恵まれない環境を克服したチームや、他校や地域の模範になっているなどの理由で認められた高校が2校もしくは3校選出される。
「野球の成績以外の部分で評価されて出場した」という印象が先行している21世紀枠だが、実は各都道府県の秋季大会でベスト8以上(北海道、埼玉、千葉、神奈川、東京、愛知、大阪、兵庫、福岡はベスト16以上)という条件があることはあまり知られていない。
向陽高校も2009年の春季近畿地区高校野球大会県予選では48年ぶりの優勝を果たし、さらに同年秋季和歌山県大会でも準優勝したうえ秋季近畿大会にも出場している。そもそも和歌山県は甲子園常連校の智弁学園和歌山高校を擁することからも分かるように野球の強い土地柄。和歌山県勢の甲子園優勝回数は7回と全国2位タイの好成績なのだ。
ここまで考えれば「21世紀枠だから…」と侮って考えるほうが間違いといえるのではないか。そうでなくても高校野球の試合は、些細なキッカケから実力校が無名校に敗れることも珍しくないのだ。「21世紀枠」の名に幻惑されてしまった野々村監督は墓穴を掘る格好になってしまったが、気の毒なのは同監督の思考が伝染してしまったであろう開星高校の生徒であろうか。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

腹切り発言の開星監督、大会本部で謝罪 会見では号泣
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100323-00000525-san-base
>部員に恵まれなくても頑張ってるところに、じぶんところみたいなお金も時間もたっぷりとかけているところが敗れてしまって……くらいの感覚ならわからんでもない……
まさにそんな感覚だったのかもしれません。気持ちは分からないでもないですが、同情はできませんね…。
でも、無名校を馬鹿にした態度を取るというのは、わりとよくあることですよね。私の母校である岡山城東高校が、同じくセンバツで4強入りした時もそうでした。特に1回戦目の、対帝京戦後の報道は酷かった。「帝京、まさかの初戦敗退」は分かるとしても、こちらのことには一切触れず、ひたすら、泣きじゃくる応援者と、既に集めてしまった募金(や、予約済みのバス、応援の生徒用の宿泊施設)はどうすればいいのか、支援者にどう詫びればいいのか…というコメントばかり報道・新聞掲載されたのには、いささか不快な思いをしたものです。
マスコミも「帝京が勝つ」と見越して、いろいろ“仕込み”の撮影を済ましていたのかもしれません。帝京は関東の有力校なので、関東キー局は力を入れた取材をしていたのでしょう。いずれにしても対戦相手には失礼だとはおもいますが…。