(時事通信)

時事通信より
2年の任期が満了したことに伴う日本相撲協会の理事選挙が、大相撲の聖地、両国国技館で行われた。近年の理事選挙は事前調整の結果、無投票で理事が決まることも多かったが、今回は元横綱・貴乃花の貴乃花親方が強行出馬したことで4期(8年)ぶりの投票が行われた。即日投開票が行われた結果、貴乃花親方は当選を決め、37歳にて相撲協会の理事となった。
過去のしきたりや序列を重んじる大相撲の世界。貴乃花親方の強行出馬は当然のように物議を醸し出した。貴乃花親方は支持者となった他の親方達ともども所属する二所ノ関一門からの追放処分を受けるなど、逆風の中での選挙戦となった。だが流石は平成の大横綱、逆境をものともせず、確実とみられた7票を上回る10票を獲得して、みごと勝ち名乗りを受けたのだった。
貴乃花親方の立候補に関しては、否定的な意見も少なくなかった。そもそも現役時代の実績を考えれば、焦らずともいずれは理事職、そして理事長職の座に着くのは確実な人である。それなのに敢えて慣習を破り、一門を飛び出してまで立候補を強行する姿は、悪戯に混乱を招いているだけではないかという意見だ。
また自身が親方になってから関取を一人も育てていないにもかかわらず理事に立候補しようとしようとする姿勢に「先にやるべきことがあるだろう」という意見も聞こえた。さらに引退後の貴乃花親方は残念ながら相撲以外のプライベートな部分で悶着が絶えなかった時期があったため、そのころのイメージを引きずる人からは人格的な面を攻撃されることもあった。
だが、今回予想を上回る票数を獲得できた。色々いわれてはいるが、貴乃花親方を支持する勢力も親方衆に確実に存在する確実な証ではないだろうか。「引く」などありえない、「押し」あるのみという力士の本能に突き動かされるように、先輩親方衆を向こうに回して現役時代さながらの真っ向勝負を挑む貴乃花親方の姿に、
「覚えておけ。このドリルはこの宇宙に風穴をあける。その穴は後から続くものの道となる。倒れていったものの願いと、後から続くものの希望。二つの思いを二重螺旋に織り込んで、明日へと続く道を掘る。それが天元突破! それがグレンラガン! 俺のドリルは天を創るドリルだ!」
(byシモン:天元突破グレンラガン より)

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…という気概を感じたかどうかは分からない(笑)。しかし少なくとも弟子の暴行死事件や大麻汚染問題など、近年大相撲界から聞こえてくるのはネガティブな話題ばかりだから、旧来のしきたりを打ち破ろうとする貴乃花親方の行動に、現状打破の可能性を見たのは間違いないのではないか。
しかし、ひとつ心配なのは貴乃花親方が理事になることで何をしたいのかが具体的に見えてこないことだ。無論、貴乃花親方には相応の考えがあって立候補したことは十分に理解できる。だが、貴乃花親方はお世辞にも能弁な方ではないから、自分の主義主張やアイデアを上手く他人に伝えることができず、損をしているように感じられる。
理事職として辣腕を振るうためには、彼の考えを上手く代弁できるサポート役が居るといいかもしれない。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

貴乃花親方、理事当選=37歳、角界に風穴-相撲協会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100201-00000076-jij-spo
貴乃花理事当選は、やはり本人も含めて予想外だったのかもしれませんね(笑)
選挙方法をクリーンにしたことで、変革の一歩につながった気もしますが、理事として発言権はあるにしても、今後も厳しい立場にあることは変わりない。
でも、悪しき体質に新しい風を送ることになると期待しています。
http://shadow9.seesaa.net/article/139954870.html