“山上り偏重”に疑問の声も、陸連会長は各校の奮起促す
(スポーツニッポン)
柏原快走で5区再短縮も/箱根駅伝
(日刊スポーツ)
諸般の事情により2006年の第82回大会から4区を短縮し、5区を2.5キロ延長してからというもの、5区で逆転しての往路優勝は5年連続となり、総合優勝を左右する傾向も強まった。「山を制するものが箱根(駅伝)を制す」とはよく言われるが、あまりにも山上りの重要性が強すぎるのではないかとして、下のような意見が出ているそうだ。
「山を爆走したチームがほぼ優勝。それが最近の箱根になっている」
(早稲田大学・渡辺康幸監督)
「1~4区はもういらないんじゃないの」
(早稲田大学OB・瀬古利彦氏)
「選手を育てていく上で、学生の負担は大きい。箱根駅伝を発展させるためには、(以前の距離に)戻した方がいいかもしれません」
(山梨学院大学・上田誠仁監督)
「5区は育てるのでなく(適性を持った選手との)出会い。誰もが感じる課題の1つではないか。世界に通じる選手を育てるためというが、基本的には5000、1万メートルを走れれば問題ない。今は、往路優勝も総合優勝もシード権争いも、全部が5区にかかってきている。」
(東海大学・新居利広監督)
ただ、こうした意見が出るのは、柏原選手が
「今まで出会った どのスタンドをも越えている凄味を感じたッ!エンジン音だけ聞いて、ブルドーザーだと認識できるようにわかった!」
(by花京院典明:ジョジョの奇妙な冒険第三部 より)

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 6.花京院典明
というぐらい(?)抜きん出た実力を有し、また結果を出しているが故の“有名税”という部分が大きいと思う。
箱根駅伝は10区間・217.9kmで争われる。単純計算で一区間22km弱というハーフマラソンのような距離を走る、他に類を見ない長距離駅伝なのだ。確かに5区は最長区間(23.4km)だし、ランナーには「山上り」という一種の才能が求められるから重要なのは間違いないが、突出した才能の持ち主が一人居るだけで勝てるほど箱根駅伝は甘くない。
長距離を走りぬくだけの純粋な持久力もさることながら、他の選手との競り合いや駆け引きでペースを乱して体力を無駄に消耗することがないよう、長距離を安定したペースで走り続けられることもランナーに求められる。なにしろ駅伝とはリレーなので、途中で力尽きてのリタイアだけは絶対に避けなければならないからだ。
箱根駅伝に限ったことではないが、駅伝では安定したペースでリタイヤすることなく長距離を走りきり、確実にタスキを繋げられるメンバーを揃えることが非常に重要なのである。振り返って今大会の東洋大学を見てみると、復路では7区を走った田中貴章選手が区間賞を取るなど、往路のリードを10秒広げて2位の駒澤大学とは3分46秒差をつける圧勝だった。東洋大学は、決して柏原選手のワンマンチームではないのである。
他校関係者の皆様の気持ちは分からないでもないが、条件が同じである以上「勝てないからルールの変更を要求する」というのは、いかがなものだろうか?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

“山上り偏重”に疑問の声も、陸連会長は各校の奮起促す
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