(オリコン)

Yahoo!ニュースより
歌手の布施明氏(62)が、東京・渋谷のNHKホールで行われた『第60回NHK紅白歌合戦』のリハーサルに臨んだ。リハーサル終了後、「大切な話がある」として報道陣のインタビューに応じた布施氏は「卒業宣言ではないけど、いったん引かせていただきます。名前だけで出るのをやめようと思います。その枠を、ポップスを頑張っている若者たちに譲りたい」と述べ、紅白からの勇退を宣言したと記事は伝えている。
勇退について布施氏は昨年の紅白のときから考えていたそうで「表現できる場所に僕が居続けるのはいけないと思った。次に譲っていかないと」とコメントしている。ただ今後一切出場しないというわけではなく、紅白出場を楽しみにしている自身のファンに向けて「(出場できるように)僕も頑張ります」とも述べている。
その年に流行った曲と歌手だけでプログラムを構成されると、どうしても演目が偏ってしまうので、ベテラン勢にも出演いただいて安定した実力を発揮していただくほうが紅白歌合戦という番組全体のバランスが良くなるのは確か。
素人の私が言うのもお門違いだとは思うが、ベテラン勢のなかには、このごろヒット曲に恵まれていない…などというのは寧ろマシなほうで、長年にわたり殆ど歌手としての活動をしていないような人たちまでもが「過去のネームバリュー」や「所属事務所の力関係」で出場しているような人がいるように思われてならない。
紅白歌合戦の視聴率低迷が叫ばれて久しいが、競争の無い出来レースによってベテラン勢の出場メンバーが固定化してしまっていることが視聴者を白けさせている、という可能性は考えられないだろうか?だとすれば「後進に道を譲る」として勇退を宣言した布施氏は色々な意味で大英断を下したといえる。
断っておくが下に紹介する動画を見ていただければ分かるように、布施氏の歌唱力は若いころと比べて少しも衰えてはいない。それどころか、ますます磨きがかかっている。布施氏は決して「名前だけで紅白に出ている」人ではない。
またコメントにもあるように、布施氏自身、紅白に思い入れがあって、再登場に含みを持たせている。それなのに今回のような勇退宣言を出したのは、一つにはコメントにもあるように若者に機会を与え、彼らのレベルアップに役立てもらえればよいとの思惑からであろう。まぁ
「馬鹿者どもが! 日ごろの鍛錬が足りないのを棚に上げ、私のせいにするとは! 情けない!」
(by小暮耕之助(演 布施明):仮面ライダー響鬼 より)

仮面ライダー響鬼テーマソング「少年よ」
と直接的に現在の若手アーティストに不満を持っているかどうかは不明だが(笑)。
もう一つには、布施氏が自らを奮起させる材料としたのではないかと思う。「若者と同じスタートラインにたって、もう一度、実力で紅白出場を勝ち取りたい」といったように。過去の成功体験に執着してしまい結果として晩節を汚す人も多いのに、その謙虚な姿勢と向上心には頭が下がる。
そして、その謙虚な姿勢と向上心こそが布施氏の日々鍛錬させ、歌唱力に磨きをかけさせる原動力なのではないだろうか。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

【紅白リハ】布施明、今年で紅白勇退を宣言「頑張っている若者に譲りたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091229-00000016-oric-ent