2009年02月28日

神田神保町『スヰートポーヅ』さんで味わった変わらない実力。

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所用があって御茶ノ水界隈まで足を伸ばした。学生時代から数え切れないほど訪れた町であるが、近年では住まいが遠のいたためもあり訪問回数も減った。そのため訪れた際、町の様相の変化に驚くことも少なくない。

その一方で、昔から変わらぬ佇まいで人々を、そして自分を迎え入れてくれるところもある。

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スヰートポーヅ (スイートポーヅ) (餃子 / 神保町)

古書店街として名高い神田神保町・すずらん通りの一角に店を構える『スヰートポーヅ』さん(詳しい場所は上部リンク先を参照)。「ヰ」は見慣れない字だと思うが、これは片仮名で五十音図ワ行第2の仮名。平仮名なら「ゐ」で音は[wi]。現代風に表記すれば「スウィートポーヅ」といったところか。

その店名は英語と中国語のハイブリッドで「美味しい包子」の意だとのこと。「包子」(ポーヅ)とは水で捏ねた小麦粉の皮に具を包んだ料理全般を表し、餃子や中華まんなどの総称。初代が満州で作り方を覚えた餃子の味を21世紀の今もなお提供し、評価を受け続けているお店である。

暫くぶりに訪れたが、自分が学生だったあのころと全く変わらないレトロな外観に驚嘆すら覚える。なんでも創業当時からこの店構えなのだそうだ。

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写真左:店内の様子 写真右:メニュー

若干煤けた壁やパイプ椅子、備え付けのTVなどなど、外見同様、店内にも濃厚な昭和の風情が漂う。引っ切り無しに客が訪れ、すぐに満席となるので相席が基本となるのも昔のままだ。店内の風景で変わったところといえば、備え付けのTVがブラウン管から液晶になったことぐらいか。

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餃子定食中皿(1,007円:税込)

同店の主力メニューは焼餃子、水餃子、天津包子(=小振りの肉まん)の三種のみ。あとはアルコール類とライスなどのみという潔さ。しかも水餃子と天津包子は基本的に午後からの販売なので、12時前後のコアなランチタイムは実質的に焼餃子のみで勝負しているといっても過言ではない。

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神保町周辺は大学や専門学校を多く有する学生街であり、また出版関係を筆頭に数多くの企業が存在するビジネス街である。よって学生やビジネスマンをターゲットとして多種多様な飲食店が軒を連ね、しのぎを削っているが、他店を相手に焼餃子のみでランチタイムを渡り合い、何十年も営業を続けてきた実績を鑑みても同店の実力の程が窺い知れるというものだ。

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同店の餃子の特徴としては、餡を皮で包む際、敢えてヒダを寄せて密閉せず、左右の端を開けているところ。ものの本によれば「肉から出た肉汁を皮に染み込ませる工夫」なのだそうだ。そしていざ食べて感じるのは、驚くほどの後口の軽さだ。これは餡の内訳が豚肉、ショウガ、玉ネギというシンプルな構成で、さらにニンニクを使っていないからであろう。

おかげで、あたかもスナック菓子の如く結構な分量でも苦もなく美味しく食べることができる。しかも食後に胃がもたれないのが嬉しい。足繁く通う常連がいるのも納得だ。

『スヰートポーヅ』さんの餃子はライスとの相性も抜群だが、アルコールとも合うのか、開店と同時に餃子を肴にビールを飲む左党も多い。皆様も、お試しあれ。


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posted by 只今(橘カヲル) at 08:25| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 食:中華 | 更新情報をチェックする
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スヰートポーヅ(スイートポーヅ)@神田神保町
Excerpt: 神保町駅A7出口から徒歩2分ほど、「スヰートポーヅ(スイートポーヅ)」を初訪問。創業昭和7年、同30年から神田すずらん通りに店を構える老舗の餃子専門店だ。メニューは餃子、水餃子、天津包子の3種類のみで..
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Tracked: 2009-07-06 10:37
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