2009年01月19日

礼拝所不敬及び説教等妨害罪とは?

会社役員の男、葬式妨害容疑で逮捕…ひつぎをわざと落とす?
読売新聞

昨年10月、東京都品川区の葬祭場で開かれた或る女性の葬儀の席で、大声を出しながら遺体が入った棺を台から床に落とした葬式妨害の容疑で会社役員新保修洋容疑者(42)が逮捕された。新保容疑者は亡くなった女性の息子と同じ系列会社に勤めており、2人は雇用を巡ってトラブルになっていたとのこと。新保容疑者は調べに対し「足元がふらついて、棺に手が当たっただけ」と容疑を否認しているという。

容疑者が容疑を否認している状況のため、事件の内容に関して自分の感じたことなどを書く段階には無いと思う。だが自分が今回この記事でエントリを書こうと思ったのは、この事件における容疑者の罪状にある。自分はてっきり器物損壊罪(刑法261条)あたりが適用されるのかと思いきや、礼拝所不敬及び説教等妨害罪(刑法188条)が適用されるとのこと。そんな罪があることを、自分はこのたび初めて知った。

刑法第二十四章に『礼拝所及び墳墓に関する罪』の規定がある。その内容は以下の通り。

礼拝所不敬罪(第188条1項)
神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
説教等妨害罪(第188条2項)
説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
墳墓発掘罪(第189条)
墳墓を発掘した者は、2年以下の懲役に処する。
死体等損壊罪、死体等遺棄罪、死体等領得罪(第190条)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
墳墓発掘死体損壊等罪(第191条)
第189条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
変死者密葬罪(第192条)
検視を経ないで変死者を葬った者は、10万円以下の罰金又は科料に処する。

これは国民の宗教的感情や死者に対する尊崇の念を保護するために設けられたもの。日本は唯物論者・無神論者がマジョリティ(多数派)となって久しい。にもかかわらず

「魂を冒涜した罪は重い」
(byレナス・ヴァルキュリア:ヴァルキリープロファイル より)

090119_01.jpg
アルティメット ヒッツ ヴァルキリープロファイル -レナス-

と法律上でも解釈されており、上の規定を見ると最高で5年の懲役刑が化せられる。それは亡くなった方を指して「ホトケさま」(仏様)と称する表現が現在でも通用するように、自らの先祖はもとより、亡くなった人たち全般に対し一定の敬意を払う思想は失われていないからであろう。

これは他国に誇れる日本人の美徳のひとつではないかと思う。


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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棺を台から落とし葬式妨害容疑で逮捕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090119-00000540-san-soci
posted by 只今(橘カヲル) at 23:00| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑感:事件 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
足元がふらついて、って・・・・(苦笑)

でも生前によっぽど嫌なことでもされたんでしょうか・・ひどい社内いじめみたいな・・・
でももう亡くなったらそれもないんだから黙って見送ろうよ・・・・
Posted by 記号士 at 2009年01月20日 08:22
>記号士 さん
どのような事情があったかは分かりませんが、日本人の文化風習に照らし合わせると明らかに顰蹙を買う行為です。そんなことはしないほうが利口だとは思うのですが。
Posted by 只今@管理人 at 2009年01月26日 23:44
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