(産経新聞)
財団法人建材試験センターとは、建築資材の品質管理を行う財団法人である。本日、同センターの経理事務職員であった松本昭彦容疑者が逮捕された。容疑は業務上横領。松本容疑者は経理担当という身分を悪用し、建設業者らが品質試験を受けた事実を帳簿に記載せず、試験料を着服したのだ。
他の職員が顧客データを確認したために犯行が発覚したそうだが、これまでに着服した総額およそ1億3000万円は松本容疑者が専用口座に移し変えた上で競馬につぎ込んでしまっており、口座には161円しか残っていなかったそうだ。1日に800万円分(!)もの馬券を購入するような無茶をすれば、それも当然か。
今回のような業務上横領事件は幾度と無く繰り返されているが、犯人達は得たおカネを大抵はギャンブルにつぎ込むか、異性に貢ぐか、ショッピングで浪費するなどして殆ど手元に残っていない…というのが、お決まりのパターンである。こうした事件を見聞きするたびに「そんな無駄遣いせず、大人しく貯金していればよかったのに」と思ったことはないだろうか?
でも、それは仕方が無いのかもしれない。日本では「悪銭身につかず」、英語圏にも「Easy come, easy go.」(得やすいものは失いやすい)という諺がある。洋の東西を問わず、安直な手段で得た金銭は浪費してしまうものなのだ。逆に言えば、苦労して金銭を得た場合、それが浪費を抑える制御装置のような役目を果たすのではないか。「こんなに苦労して得たおカネなのに、勿体無い…」というように。
月並みな結論で恐縮だが、生業でおカネを稼ぐにしろ、何らかの形で資産運用をするにせよ、苦労を避けてはならないということだろう(株に代表される投資にしても、収益を上げようと思えば、勉強したり研究したりして色々と苦労させられる)。
「けっきょく、苦労しないで金もうけしようなんて考えるのがまちがいなんだ」
(by野比のび太:ドラえもん より)

VINYL COLLECTIBLE DOLLS のび太
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<横領>口座から1億3千万円 容疑の国交省所管職員逮捕
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