まぁそれを見越して、父方の実家が宮城県にある関係で、何度か訪れて土地勘も少なからずある仙台を旅先に選んだのだが…。


東京駅でもお世話になった『駅弁屋 旨囲門』(えきべんや うまいもん)の仙台駅店にて駅弁を購入し、帰路につく。
『駅弁屋 旨囲門』さんに限ったことではないが、仙台駅の駅弁販売店は調整元が違う駅弁でも一括して取り扱っており利便性がよい。例えばこの『駅弁屋 旨囲門』さんはJR東日本のグループ企業である日本レストランエンタプライス(NRE)の運営するお店であるが、NRE以外の会社で製造された駅弁も取り扱うのだ。
さて突然で恐縮だが、仙台は駅弁のレベルが総じて高い。おかげで仙台に来るたびに「今回はどの駅弁を買おうか…」と嬉しい悩みを抱えてしまう。
これは仙台が東北唯一の政令指定都市である事実が示すように、仙台は東北随一の大都会であるため顧客の絶対数が多く、競争の激しさから必然的に質の劣る駅弁の淘汰が図られるためだ。また宮城県が日本有数の米どころである点も、美味しい駅弁が生まれる土壌であると考えられる。


帆立まるごと弁当(700円:税込)
そんな中で、今回選んだのは地元仙台に本拠地を持つ『株式会社こばやし』さんの『帆立まるごと弁当』。

味つきご飯の上に錦糸玉子が敷き詰められ、その上に甘辛く煮られた帆立が5個も入っている。付け合せは野沢菜と大根の漬物、そして海苔を巻いた出し巻き卵とシンプルであるが、税込みで700円という昨今の駅弁としては安価な部類に属しながら、このラインナップはコストパフォーマンスが非常に高いといえる。


ただ安いだけではなく量的にも十分である上に味もよい。とりわけ主役の帆立の味は煮汁がしっかりと染みているが味付けがくどいわけではない理想的なバランス。歯ごたえはあくまで軟らかく、5個も入っているのに飽きが来ない。味付けご飯も完成度が高く、仮に主役の帆立が無くても箸を進ませるに十分な実力を持つ。
この駅弁を購入したのは午前11時過ぎであったが、早くも店頭では最後の一個となっていた。それだけ人気の高い駅弁だとうかがい知れる。帆立と味付けご飯というシンプルな構成ながら、仙台駅弁のグレードの高さを知らしめる見本ともいえる『帆立まるごと弁当』。仙台でどの駅弁を買うか迷っている方、まずはこの駅弁で仙台駅弁の実力を知ってみては?


…といっているうちに東京駅へと到着。仙台で食した美味しいお店のご紹介がいくつか残っておりますが、ぼちぼちアップして参ります。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。
