大麻取締法違反(所持)容疑で現役幕内力士(当時)・若ノ鵬関が逮捕されるという異常事態を受けて角界で抜き打ちの尿検査が実施され、露鵬関と白露山関からマリファナ(大麻)の陽性反応が検出された。
これを受けて両力士は大麻使用を否定するコメントを出したが、この問題に関し、国内唯一の世界反ドーピング機構(WADA)公認の検査機関である三菱化学メディエンスによる精密検査が行われ、再び陽性反応が出たとのこと。
ただし検体となる尿にはA,Bの二つがあり、双方から陽性反応が出ないと“クロ”とは認定されないから現時点では“クロ”とは言いきれない。このため日本相撲協会・北の湖理事長は別機関での再検査を依頼する意向のようだ。しかし基本的に同時期に採取した検体に同じ検査を行うのだから、再び陽性反応が反応が出る可能性は極めて高いといえるだろう。
今回の問題でややこしいのは、日本には大麻の栽培と所持を禁止する法律はあるが、吸引を禁止する法律は無いこと(これは、自ら大麻を吸引していなくても副流煙により反応が出てしまうケースが想定されるため)。よって疑惑の渦中にある両力士の部屋などから大麻やその吸引具が見つかっていない現状では、たとえ二人がこれまでの大麻使用否定発言を覆したとしても、法律的には逮捕まで漕ぎ着けるのは難しい。ましてや両力士は未だに大麻使用を否定しているのだ。
この問題に関して日本相撲協会に毅然とした対応を求める声は多いが、前述した事情を鑑みれば「本人達が否定しており、しかも法律では処罰の対象にならない人間に対し、いわば私的に制裁を加えることが許されるのか?」といった解釈が成立しないこともない。
しかし企業のような一般組織であれば、「大麻使用の陽性反応が出た」となれば本人の証言や法律云々などとは関係なく、何らかの処分は断行されるだろう。それは組織としての面子の問題であり、ケジメの問題であるからだ。
露鵬関の師匠である大獄親方(元関脇・貴闘力)からは「露鵬が否定しているので信用する」、日本相撲協会のトップで白露山の師匠でもある北の湖理事長からは、「本人たちは(大麻の)使用をずっと否定しているのだから、この段階で何かを言えるものではない」と、共に弟子の言葉と弟子の無実を信じるといった主旨の発言をしている。美しき師弟愛であり心情的には理解できるが、事態は
「たとえ嘘でもそれが別れの言葉じゃないなら、私は螢一さんを信じます」
(byベルダンディー:ああっ女神さまっ より)

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といったような乙女や女神のような言葉を口にしていれば済むレベルを越えてしまっているのではないか。
「弟子の言葉を信じる」というのであれば「大麻を吸引していないのなら陽性反応が出たのは何故か」という疑問に対して「実は両力士が痛み止めとして用いている、この薬のこの成分が反応して陽性と判定されてしまいました」というような、具体的かつ世間一般が納得のいく釈明をしていくのが本筋であろうと自分は考える。
ちなみに、現在の精密検査は反応した物質が大麻か痛み止めの成分かの判別も可能だし、大麻であれば主流煙か副流煙かまで判別可能なのだそうだ。そして関係者の証言によれば「今回の場合は主流煙の反応で、副流煙では出ない」とのことである…。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

「・・もうこの際、何を言われても『絶対にやってません』で知らぬ存ぜぬで通せ」という指示がでてるんじゃないかと思います。
本人達もまず親方あたりには相談しているだろうし・・・
>「・・もうこの際、何を言われても『絶対にやってません』で知らぬ存ぜぬで通せ」という指示がでてるんじゃないかと思います。
だとすれば、相撲界がいかに一般社会から隔絶した存在かが知れますね…。