2008年06月20日

早稲田『メルシー』さんで思い出す“青い鳥”の童話

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東京メトロ東西線・早稲田駅

過日、開通したばかりの副都心線に乗って西早稲田駅まで来たついでに、少し足を伸ばして早稲田界隈までやってきた。その昔、勤務先の寮があった関係で、何年かこの周辺に住んでいた事がある。今回、数年ぶりにこの地を訪れたのだが、その当時はあったはずのお店が無くなって別のお店に変わっていたりするのを目の当たりにすると少々寂しい思いが胸をよぎった。その一方で、月日が経っても変わらぬままに営業を続けている店を見つけると、とても嬉しかったりする

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メルシー

その典型的な例が、この『メルシー』さん。東西線早稲田駅の程近く(詳しい場所は上部リンク先を参照)に店を構える同店は、創業以来数十年、近隣住民と早稲田大学関係者に愛され続けているラーメン屋さん。ご覧のとおり外観(写真左)も店内(写真右)も年季の入った佇まいである。

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ラーメン(400円:税込)

時代の変遷に伴い何度か値上げされてはいる。とはいうものの、いまどきラーメン一杯400円とはなんと良心的であることか!

煮干し・トリガラ・トンコツなどで丁寧にダシが取られ、醤油ダレと合わされたスープは、新陳代謝の活発な若者の客が多い学生街という立地条件を考慮してか、やや濃い目の味つけ。しかし嫌味やしつこさは不思議なほどを感じさせない

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これを受け止める麺は、東京ラーメンで良く見られる細い縮れ麺ではなく、やや太めのストレートタイプ。スープの味がやや濃いだけに、縮れ麺ではスープが絡みすぎるので、この選択になっていると思われる。

具はチャーシュー、モヤシ、コーン、メンマ、ネギといったところ。モヤシやコーンは味の個性が強い方なので、使い方によっては味のバランスを壊してしまうのだが、濃い目のスープや太い麺にはよくあっている。

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完食!

『メルシー』さんのラーメンを食したのは数年ぶりである。しかし変わらぬ美味しさであったことは、とても嬉しく思った

さて、メルシーさんのラーメンは極めてオーソドックスなスタイルであり、素朴な味である。なので、ラーメンの食べ歩きなどを趣味とし、何度聞いても名を覚えられない特殊な素材をスープや具に用いる、マスコミで持て囃されるラーメン店を何軒も訪れているような人が初めて同店のラーメンを食べたら、拍子抜けしてしまうかもしれない

しかし、こうした飾り気のないラーメンは逆に言えば味に誤魔化しが効かない。しかも地域密着型のラーメン店だけに、客層も常連の割合が高くなるので、少しでも味に変化があれば即座に見抜かれてしまう。そんな中で、一定のクオリティを保ち続けることは至難の業であるはずだ。なにしろ、極端なことをいえば、スープに使う煮干しやトリガラ、また具のチャーシューなどは、一匹ごとに材料の品質に微妙な差異があるはずだから。

もし貴方が、目いっぱい飾り立てたタイプのラーメンに食傷気味になったら、『メルシー』さんのラーメンを食べてみて欲しい。一見普通であることの中に潜む奥深い味わいと、それを保つために費やされている努力に気づくことだろう。そして、店舗の外観や内装に凝ったり、ラーメンの素材に小難しい材料を採用することは、実はラーメンの美味しさの本質からすれば枝葉末節に過ぎないことに思い至るかもしれない。

かつて、貧しい家庭に育った幼い兄妹が幸福を呼ぶという“青い鳥”を探して長い旅に出たが、結局、彼らの家の飼い鳥こそが“青い鳥”であった…という有名な童話がある。今回、久しぶりに『メルシー』さんのラーメンを食したとき、自分は、ふとその童話を思い出した。なぜなら、自分もまた“青い鳥”を求めて、ガイドブックを片手に数多くのラーメン屋を食べ歩いた人間だったから。


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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ラベル:ラーメン 早稲田
posted by 只今(橘カヲル) at 23:05| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:ラーメン | 更新情報をチェックする
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