2008年06月02日

おカネばら撒きプロモーションの効果はいかに?

若者のみならず、全ての世代において活字離れ・書物離れが叫ばれて久しい。こんな時代での新しい著作のプロモーションとなれば、よほど奇抜なアイデアでもなければインパクトがない…と考えたのかは不明だが、こんな途轍もないプロモーションが行われた。

インドネシア人作家の現金ばらまき、500人が恩恵に
ロイター

インドネシアでの出来事。同国で活動する或る実業家が自著のプロモーションを目的とし、飛行機で現金1億ルピア(日本円で約113万円)をばら撒いたとのこと。その際、

「さあさあ、銭まくど銭まくど。銭まくさかい風流せい。仕事忘れて風流せい。かぶき者前田慶次様のかぶきおさめや! 一無庵ひょっとこ斎と名を変えてこの都とはおさらばじゃ―――っ!二度とないこの日を風流せんかい。そーれ!」
(by捨丸:花の慶次−雲のかなたに− より)

080602_02.jpg
花の慶次―雲のかなたに (第15巻) (Tokuma comics)

と言ったかどうかは記事中では定かではないが、地上では貧しい地元住民がばら撒かれたおカネに殺到したとのことだ。

日本では建物が新築されたときに上棟式(じょうとうしき)とか棟上げ(むねあげ)などと称して、餅や小銭を撒くイベントが行われることがある。ちょっと聞いただけでは、これと同じようなイベントのようにも思えるが、上棟式は何も新築物件のプロモーションが目的ではなく、建物が完成しても永く無事であることを祈って行われる一種の神事である。その意味では地鎮祭と性格は同じだ。

そんな、まかりなりにも神事である上棟式と違い、今回インドネシアで行われたばら撒きプロモーションは果たして成功だったといえるのだろうか? 発案者には申し訳ないが、自分は成功したとは思えない。

まず当局の許可も得ずに行った時点でダメだろう。インドネシアの法律に詳しくないのでインドネシアでの扱いは分からないが、少なくとも日本では、こうしてばら撒かれたおカネを勝手に持ち帰っては遺失物等横領罪か何かの犯罪に当たると記憶している。折角集まってくれた観客を、軒並み犯罪者にしてプロモーションも無いはずだ。

それともプロモーションという目的は二の次で、弱者への施しを行うのがメインだったのだろうか。記事の記述によればインドネシアでは数百万人が1日当たり2ドル(日本円で約210円)以下で生活しているとのことだから、考えられなくもない。

しかしばら撒かれたおカネに殺到する人々の姿を遥か上空から見下ろして悦に入っているのだとすれば、あまり良い趣味とはいえない。そんな思惑が透けて見える時点で、このプロモーションに意味は無くなったといっていい。

プロモーションの目的いかに商品を効率よく且つ印象深く宣伝するかにある。このばら撒きプロモーションは、とてもその大原則に乗っ取っているとは思えない。まぁニュースにはなったようだが、ロイターも肝心な本の内容については触れていないもんね(笑)


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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posted by 只今 at 21:24| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感:海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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