そのミャンマーに、今月初め大型サイクロン・ナルギスによって甚大な人的・物的被害がもたらされたのは記憶に新しいが、当初軍事政権は各国からの人的援助を拒否していた。TVニュースで見たのだが、人的支援活動ができないため、日本の支援団体がトラックで走りながら食料をばら撒いているような有様だった。民衆支配に都合が悪いからか、力で政権を奪取した者達は外国人のような“異分子”を排除したがる傾向が見受けられるが、その見本のような行動といえるだろう。
とはいえ「背に腹は変えられない…」状況になったのか、軍事政権は被災地に海外からの救援要員を受け入れ始めた。これで被災者にも十分な人的・物的支援が行き渡ると思われたが、やはり軍事政権は“異分子”の混入を好ましく思っていないようで、早くも援助団体に難癖をつけ始めた。
ミャンマー軍政、「被災者には魚やカエルもある、チョコレートバーは不要」
(AFPBB News)
ミャンマーの国営紙――軍事政権統治下における国営紙である。その性質は推して知るべし――『ミャンマーの新しい灯』は「(軍事)政権と国民の関係は親子のようなもの。全ミャンマー国民が、政府の救済努力を歓迎している」と軍事政権を賞賛する一方で、外国の援助団体の活動について「被災者たちは、魚やカエルを捕獲して食べることもできる。国際援助団体が支給しているチョコレートバーは不要だ」と報じたとのことだ。
その昔、第58〜60代総理大臣を務めた池田勇人(いけだ はやと)氏が大蔵大臣だったころ、国会の場で「所得に応じて、所得の少ない人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則にそったほうへ持って行きたいというのが、私の念願であります」と発言したところ、マスコミに叩かれて大問題になった。「貧乏人は麦を食え」発言として知られている。
また更に歴史を遡ると、家臣から「租税の重さに民草が苦しんでいる」との苦言を呈された折
「ばっかねーん 米や麦がないのなら点心(おかし)を食べればいいじゃない」
(by蘇 妲己:封神演義 より)

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といったような発言を繰り返し、結果、国を乱した為政者もいる。
今回、ミャンマー国営紙が報じた「魚やカエルが獲れるからチョコレートバーは不要」というコメントは、池田勇人氏や妲己の発言と同じぐらいのインパクトがあるだろう。
そもそも食料支給を始めとする政府の援助が十分になされていれば、魚やカエルを捕獲して食べる必要はないはずだ。それを棚に上げて援助団体の活動を非難するのは的外れも甚だしい。しかも国連によれば、現時点ではこれらの地域でチョコレートバーを支給している援助団体は確認されていないというから、一種の言いがかりとさえいえる。
現政権は、まず自己の面子をかなぐり捨て、外国の援助を積極的に受け入れて自国民を一人でも多く救済すべきである。自国民の安全と生活の安定を保証するのが政権を執るものの勤めである。それだけの覚悟と決意があるからこそ、軍事クーデターを起こしてまで政治の実権を握ったのであろうから。まさか国民から搾取して己だけ贅沢三昧をしたいために政権を獲ったのではあるまい?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。


















>どこの国の政治家もメンツばっかり気にするんですね
政治家や経営者のように、権力や地位のある人は、面子を気にするようになるのはミャンマーや某国(笑)を含め、万国共通のようですね。「それどころじゃないだろ!」と突っ込みを入れたくなるところですが…。