2006年08月05日

『くじら軒』はラーメン界のマエストロ

個人的な考えだが、日本ではゼネラリスト(広範囲な知識・技術・経験をもつ人)よりもスペシャリスト(特定分野について深い知識やすぐれた技術をもった人。専門家。)への評価が高い気がする。というよりスペシャリストに比べてゼネラリストへの評価が著しく低いと感じる。『器用貧乏』という表現が存在することが、そのひとつの証明だ。

まぁ、何かひとつでも突出した知識・才能があったほうが本人としてもアピールしやすいし、周りの人間も評価しやすいのは確かである。しかしオーケストラの指揮者(コンダクター)は、個々の楽器演奏技術に関しては専門職の人間に及ばないにしても、指揮をする楽曲で使用される全ての楽器に対する知識は勿論のこと、指揮をする楽曲のスコア(総譜)や構造等、その楽曲に対するありとあらゆる知識・技術・経験がないと勤まらない。ただメトロノームの代わりをしていればいいというものではない。指揮者が敬意を込めてマエストロ(伊語:巨匠の意)と呼ばれるのも納得だ。

今日ご紹介するお店は、そんなマエストロな一軒。

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学芸大学 くじら軒(左:外観 右:店内)

神奈川の本店はラーメンガイドブックの常連だが、ここはその支店にあたる。場所は学芸大学の駅から五本木交差点を祐天寺方面に歩いて数分。学芸大学の駅からなら7〜8分といったところ。本店は常に大行列ということなので基本的に行列に並ぶという行為が好きではない自分は二の足を踏んでいたのだが、住まいのある自由が丘から電車で二駅のところに支店があるという情報を入手。訪れて以来何度も足を運ぶこととなって現在に到っている。食事時のコアタイムをはずせば待たずに座れるから助かる。

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ラーメン(薄口醤油)650円

味のベースは薄口醤油の『ラーメン』、濃口醤油の『支那そば』、そして『塩ラーメン』の三種類。今回のチョイスは自分が一番気に入っている『ラーメン』とした。

肝心の味なのだが、醤油ベースということで所謂『東京ラーメン』の味。しかも極めてクオリティの高いそれだと思っていただければ間違いない。あまりにも味にバランスが取れているため「煮干の薫りが強い」とか「トンコツの味が良く出ている」というような味に関する具体的な描写が難しいことをお許し願いたい。

さて『くじら軒』のラーメンの味は上記のように「どこかが目立つ」といった部分が無いため、ややもすると「フツーのラーメン」という印象を与えやすいのか、ネット上などで「思ったほど(の味)ではなかった」といったような感想を目にすることがある。

だが先のオーケストラの喩えに戻れば、例えば「バイオリンだけが目立ったけど他の楽器は印象が薄かった」という演奏内容では決して成功したとはいえないだろう(無論バイオリンを目立たせることが目的の楽曲であれば別)。全ての楽器、全ての音色が一体となって素晴らしい音楽を作り出すのがオーケストラの真骨頂だとするなら、全ての食材が一体となって素晴らしい味を作り出している『くじら軒』は高く評価されて然るべきだと思う。


おっと、忘れるところだった。今回は胃袋の都合でオーダーを見送ったが『くじら軒』にはチャーシュー飯、くじら飯(豚肉の唐揚げを乗せてタレをかけたもの)といったご飯もののサイドメニューがあり、美味。ぜひこちらもお試しを。


プロの意見はこちらで…


posted by 只今 at 23:12| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 食:ラーメン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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